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元メイドカフェ常連ご主人様×元メイドカフェのメイドさん
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どうも、皿です。老女二人の穏やか家庭で働いてます。白い平皿です。
「はい。オムライスお待ち遠さま」
そうそう。オムライスとか、ハンバーグを載せるのにちょうどいいんです。けど、そうか。今日はオムライスか……長丁場になるな。
「……違う」
安友子おばあちゃんが、目の前の僕……の上に載ったオムライスを凝視しながら言った。
「違うじゃん、前から言ってるじゃん! オムライスには萌え萌えキュン♡でしょお!?」
そんなの聞いたことねぇよ、といつも思います。萌え萌え……なんて?
「そっちも前から言ってるでしょ。ばあさんになってまでやってられるかっての!」
その要望は、毎度愛生おばあちゃんから斬って捨てられます。バサー。
「ぐうう、三百六十連敗……ッ!」
それだけ負け続けてるのに言い続けられるのすごい。やっぱり、御老人ともなると忍耐力が限界突破するんだろうか。いや違うな。これ、多分欲望が限界突破してるだけだ。
「でもさ……もううちら歳よ? いつお迎え来るかわからんのよ? お迎え来なくてもさ……いつ目が見えなくなるか、耳が聞こえなくなるか」
最近目が見えにくいし、耳も聞こえづらいしさ……と、本日の安友子おばあちゃんは何だかセンチメンタルだ。……え、本当に大変なの?
僕と同じ気持ちになったのか。愛生おばあちゃんが俯いたまま言った。
「……萌え萌えキュンキュン♡ ご主人様、元気になーぁれ☆」
! 目の端を紅く染めて、その台詞を呟く様子は確かに可愛い。寧ろお年を召した恥じらいが、より可愛さをアップさせている……!
「もう一回ッ! 今度はちゃんと振り付きでッッッ!」
「充分聞こえてるじゃないのッ! 二度もやるわけないでしょ!」
……お二人がまだまだ元気で、僕もまだまだお二人と居られそうで嬉しい限りだ。
Before
「今日は、萌えキュンやらなくていいよ」
「えっ……」
常連ご主人様・安友子さんの言葉に、めめたんこと愛生は目を丸くする。近くに居た私も吃驚した。安友子さんは、めめたん激推しご主人様であり、めめたんの萌えキュンのために生きてると言って憚らないめめたん強火勢なのだ。それが、どうして。
愛生が、動揺で目を泳がせた。これまた珍しい光景。学費のためにメイドをやってる愛生だが、実際の彼女はクールな恥ずかしがり屋さんだ。萌えキュンも、やらずに済むに越したことは無いはず。なのに。
「めめたん、喉の調子あまり良くないでしょう?」
「!」
安友子さんの言葉に、愛生がハッと息をのみ、それからこくんと小さく頷いた。
本当なら「ご主人様に不調を気取られちゃダメだよ」と注意すべきなんだろうけど。あまりに安友子さんの顔が優しくて。
「一回分、休み。ね」
その優しさに頬を染める愛生が可愛くて。
私はそっと、その一回休みを黙認した。
周りのご主人様たちは胸を押さえて堪えていた。
もうすぐ春が来る。
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