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第15話:料理は愛、そして強さ
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午後3時過ぎ、アパートに到着した。
悠真の部屋に入ると、すぐに複製作業の準備を始めた。テーブルの上を片付け、作業スペースを確保する。
「まずは『力の種』から」
悠真が小箱を開け、種を1個取り出した。1cmにも満たない小さな種子。表面は滑らかで、確かに大豆にそっくりだ。
テーブルの中央に種を置く。悠真は深呼吸をして、意識を集中させた。
「『無限複製』」
体から七色の光が放たれる。光は種を包み込み、一瞬の後、隣に全く同じものが現れた。
「すごい……何度見ても不思議です」
美琴が感嘆の声を上げる。
「次は2個まとめて」
悠真は2個の種に向けてスキルを発動した。今度は4個になる。
続けて、4個→8個→16個→32個→64個→128個と、倍々に増やしていく。スキルの発動は瞬時で、疲労も全く感じない。
わずか5分ほどで、テーブルの上に「力の種」が128個並んだ。小皿の上で山盛りになっている。
「128個……こんなに早く増えるなんて、本当に『無限』ですね」
美琴が種を一つ手に取り、じっくりと観察した。指で転がし、匂いを嗅ぎ、重さを確かめる。
「触感も重さも、完全に大豆と同じです。少し穀物っぽい匂いもします」
「これだけあれば、しばらくは困らないな」
悠真は満足そうに頷いた。
◇ ◇ ◇
「さて、調理の準備をしましょう」
美琴が袖をまくり上げた。
「でも、その前に効果を測定する道具が必要ですね」
「そうだった。握力計か何か」
悠真が思い出したように言った。
「近所のスポーツ用品店で買ってくる」
「お願いします。その間に、私は調理の準備をしておきます」
悠真は財布を持って部屋を出た。階段で1階に降り、商店街へと向かう。
5分ほど歩いたところに、小さなスポーツ用品店があった。店内には様々なトレーニング器具が並んでいる。
「いらっしゃいませ」
店員に握力計の場所を尋ね、商品棚へと案内してもらった。アナログ式とデジタル式があったが、正確性を重視してデジタル式を選んだ。
「これください」
「4,980円になります」
会計を済ませ、急いでアパートに戻る。
部屋に入ると、美琴はすでに調理の準備を整えていた。鍋、調味料、計量カップ。すべてが整然と並べられている。
「お帰りなさい。いいものが買えましたか?」
「デジタル式だから、正確に測れるはずだ」
「それじゃ、まず現在の数値を測りましょう」
◇ ◇ ◇
二人はリビングに移動した。
悠真が最初に測定する。グリップを右手で握りしめると、液晶画面の数値がぐんぐん上昇していく。
「右90kg」
次に左手。
「左84kg」
「さすが探索者ですね。一般成人男性の倍近くあります」
美琴が感心したように言う。
「レベル20の恩恵かな」
続いて美琴が測定した。
「右53kg、左47kg」
「美琴も一般女性の平均よりだいぶ高いよ」
「レベル17ですからね。でも悠真さんには遠く及びません」
美琴がノートを取り出し、測定結果を細かく記録した。日時、測定前の数値、これから摂取する種の個数、調理方法まで、すべて書き込んでいく。
「記録は大事ですから」
「さすが文学部。几帳面だな」
「からかわないでください」
美琴が頬を膨らませる。その仕草が可愛らしくて、悠真は思わず笑ってしまった。
◇ ◇ ◇
美琴はキッチンに立ち、40個の「力の種」を選び出した。
「20個ずつ食べることにしましょう」
まず、種を水で軽く洗う。そして大きめの鍋に入れ、水を注いだ。
「30分ほど浸水させます。その間に調味料の準備をしますね」
醤油、砂糖、みりん、だし昆布。美琴の手際は見事なもので、まるでプロの料理人のようだった。
30分後、鍋を火にかける。中火で加熱し、沸騰したら弱火に落とす。
「アクを取るのが大切です」
お玉で丁寧にアクをすくいながら、じっくりと煮込んでいく。次第に、豆を煮る香ばしい匂いが部屋中に広がった。
「いい匂いだ」
悠真がキッチンを覗き込む。
「普通の大豆と変わりませんね」
20分ほど煮込んだところで、調味料を加える。醤油の香りが立ち上り、食欲をそそる。
「あと10分ほどで完成です」
その間に、悠真は食器を用意した。小皿を2枚、箸、お茶。
「完成しました」
美琴が鍋を食卓に運ぶ。照りのある飴色に仕上がった煮豆は、見た目も完璧だった。
◇ ◇ ◇
「いただきます」
二人は向かい合って座り、それぞれの小皿に煮豆を取り分けた。
最初の一粒を口に運ぶ。ほんのりとした甘さと、醤油の塩味が絶妙なバランスだ。豆は柔らかく煮えていて、口の中でほろりと崩れる。
「美味い」
悠真が素直に感想を述べた。
「本当に普通の煮豆と変わらないですね」
美琴も安心したように微笑む。
二人は黙々と煮豆を食べ続けた。20個という量は、最初は多く感じたが、美味しさも手伝って意外とすんなり食べられた。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
食器を片付けながら、二人は体の変化に意識を向けてみた。特に劇的な変化は感じない。体が熱くなるとか、力が湧いてくるとか、そういった感覚はなかった。
「30分ほど待ってから、測定してみましょう」
美琴の提案で、二人はリビングでお茶を飲みながら時間を過ごした。
◇ ◇ ◇
30分後、再び握力測定を行った。
悠真が握力計を手に取る。右手でグリップを握りしめる。
「……92kg!」
2kg増加している。左手も測定する。
「左86kg! こっちも2kg増えてる」
「本当に効果があったんですね」
美琴も急いで測定した。
「右55kg、左49kg。私も2kgずつ上がってます!」
わずかだが、確実に数値が向上していることが確認できた。
「たった20個でこの効果か」
悠真は握力計を見つめながら言った。
「単純計算で、100個食べれば10kg上がることになる」
「毎日続ければ、1ヶ月で相当強くなれますね」
美琴がノートに結果を記録しながら言う。
「でも、一度に大量に摂取したらどうなるんでしょう」
「うーん、副作用とかあるかもしれないし、適量を継続的に摂取する方が安全だろう」
「そうですね。欲張りは禁物です」
二人は今後の計画について話し合い始めた。
悠真の部屋に入ると、すぐに複製作業の準備を始めた。テーブルの上を片付け、作業スペースを確保する。
「まずは『力の種』から」
悠真が小箱を開け、種を1個取り出した。1cmにも満たない小さな種子。表面は滑らかで、確かに大豆にそっくりだ。
テーブルの中央に種を置く。悠真は深呼吸をして、意識を集中させた。
「『無限複製』」
体から七色の光が放たれる。光は種を包み込み、一瞬の後、隣に全く同じものが現れた。
「すごい……何度見ても不思議です」
美琴が感嘆の声を上げる。
「次は2個まとめて」
悠真は2個の種に向けてスキルを発動した。今度は4個になる。
続けて、4個→8個→16個→32個→64個→128個と、倍々に増やしていく。スキルの発動は瞬時で、疲労も全く感じない。
わずか5分ほどで、テーブルの上に「力の種」が128個並んだ。小皿の上で山盛りになっている。
「128個……こんなに早く増えるなんて、本当に『無限』ですね」
美琴が種を一つ手に取り、じっくりと観察した。指で転がし、匂いを嗅ぎ、重さを確かめる。
「触感も重さも、完全に大豆と同じです。少し穀物っぽい匂いもします」
「これだけあれば、しばらくは困らないな」
悠真は満足そうに頷いた。
◇ ◇ ◇
「さて、調理の準備をしましょう」
美琴が袖をまくり上げた。
「でも、その前に効果を測定する道具が必要ですね」
「そうだった。握力計か何か」
悠真が思い出したように言った。
「近所のスポーツ用品店で買ってくる」
「お願いします。その間に、私は調理の準備をしておきます」
悠真は財布を持って部屋を出た。階段で1階に降り、商店街へと向かう。
5分ほど歩いたところに、小さなスポーツ用品店があった。店内には様々なトレーニング器具が並んでいる。
「いらっしゃいませ」
店員に握力計の場所を尋ね、商品棚へと案内してもらった。アナログ式とデジタル式があったが、正確性を重視してデジタル式を選んだ。
「これください」
「4,980円になります」
会計を済ませ、急いでアパートに戻る。
部屋に入ると、美琴はすでに調理の準備を整えていた。鍋、調味料、計量カップ。すべてが整然と並べられている。
「お帰りなさい。いいものが買えましたか?」
「デジタル式だから、正確に測れるはずだ」
「それじゃ、まず現在の数値を測りましょう」
◇ ◇ ◇
二人はリビングに移動した。
悠真が最初に測定する。グリップを右手で握りしめると、液晶画面の数値がぐんぐん上昇していく。
「右90kg」
次に左手。
「左84kg」
「さすが探索者ですね。一般成人男性の倍近くあります」
美琴が感心したように言う。
「レベル20の恩恵かな」
続いて美琴が測定した。
「右53kg、左47kg」
「美琴も一般女性の平均よりだいぶ高いよ」
「レベル17ですからね。でも悠真さんには遠く及びません」
美琴がノートを取り出し、測定結果を細かく記録した。日時、測定前の数値、これから摂取する種の個数、調理方法まで、すべて書き込んでいく。
「記録は大事ですから」
「さすが文学部。几帳面だな」
「からかわないでください」
美琴が頬を膨らませる。その仕草が可愛らしくて、悠真は思わず笑ってしまった。
◇ ◇ ◇
美琴はキッチンに立ち、40個の「力の種」を選び出した。
「20個ずつ食べることにしましょう」
まず、種を水で軽く洗う。そして大きめの鍋に入れ、水を注いだ。
「30分ほど浸水させます。その間に調味料の準備をしますね」
醤油、砂糖、みりん、だし昆布。美琴の手際は見事なもので、まるでプロの料理人のようだった。
30分後、鍋を火にかける。中火で加熱し、沸騰したら弱火に落とす。
「アクを取るのが大切です」
お玉で丁寧にアクをすくいながら、じっくりと煮込んでいく。次第に、豆を煮る香ばしい匂いが部屋中に広がった。
「いい匂いだ」
悠真がキッチンを覗き込む。
「普通の大豆と変わりませんね」
20分ほど煮込んだところで、調味料を加える。醤油の香りが立ち上り、食欲をそそる。
「あと10分ほどで完成です」
その間に、悠真は食器を用意した。小皿を2枚、箸、お茶。
「完成しました」
美琴が鍋を食卓に運ぶ。照りのある飴色に仕上がった煮豆は、見た目も完璧だった。
◇ ◇ ◇
「いただきます」
二人は向かい合って座り、それぞれの小皿に煮豆を取り分けた。
最初の一粒を口に運ぶ。ほんのりとした甘さと、醤油の塩味が絶妙なバランスだ。豆は柔らかく煮えていて、口の中でほろりと崩れる。
「美味い」
悠真が素直に感想を述べた。
「本当に普通の煮豆と変わらないですね」
美琴も安心したように微笑む。
二人は黙々と煮豆を食べ続けた。20個という量は、最初は多く感じたが、美味しさも手伝って意外とすんなり食べられた。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
食器を片付けながら、二人は体の変化に意識を向けてみた。特に劇的な変化は感じない。体が熱くなるとか、力が湧いてくるとか、そういった感覚はなかった。
「30分ほど待ってから、測定してみましょう」
美琴の提案で、二人はリビングでお茶を飲みながら時間を過ごした。
◇ ◇ ◇
30分後、再び握力測定を行った。
悠真が握力計を手に取る。右手でグリップを握りしめる。
「……92kg!」
2kg増加している。左手も測定する。
「左86kg! こっちも2kg増えてる」
「本当に効果があったんですね」
美琴も急いで測定した。
「右55kg、左49kg。私も2kgずつ上がってます!」
わずかだが、確実に数値が向上していることが確認できた。
「たった20個でこの効果か」
悠真は握力計を見つめながら言った。
「単純計算で、100個食べれば10kg上がることになる」
「毎日続ければ、1ヶ月で相当強くなれますね」
美琴がノートに結果を記録しながら言う。
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