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第16話 冒険者への道
俺とエリスはハーンの街で冒険者になる道を選んだ。
ハーンの街は王都から馬車で3日位の距離だった。
冒険者となって、お金を貯めて、エリスの奴隷の烙印を消す。
それが当面の目標だ。
「レオン様、洋服ありがとうございます」
「いや、洋服というより、冒険者の防具なんだけどな」
「嬉しいです。ご主人様に服を買ってもらったのは初めてです。エリスは感激しました」
「お金が溜まったら、ちゃんとした洋服も買おな」
「はい、ありがとうございます」
そう言ってにっこりするエリスの笑顔に癒された。
ほどなくして、俺達は冒険者ギルドについた。
ギルドの前でエリスと顔を見合わす。
エリスは不安そうにしている。瞬きが多い。
「安心して、俺が必ず君を守るから」
「はい!」
エリスに笑顔が戻った。
俺達は冒険者ギルドへ入っていった。
「いらっしゃいませー」
受け付けのお姉さんが明るく元気な声で挨拶してくれる。
「すいません、新しく冒険者になりたいのですが、どうすればいいですか?」
「ありがとうございます。早速ご案内させて頂きます。冒険者になるには紹介状かギルドの試験に合格する必要があります。それなり技量がございませんと命に関わりますので。どうかご了承ください」
「ギルドの試験というのは誰でも受けられるのか?」
「まずはギルドの講義を1年間受けて頂いたら受験が可能になります」
俺はエリスと顔を見合わせた。
そんな時間もお金も無い。
「紹介状があるんだが、これで冒険者になれないかな?」
俺はだんだん自信が無くなってきた。
「まぁ、賢者マリア様のご紹介ですね。今、上の者に確認してまいります」
「お願いします」
「それでは少々お待ちくださいませ」
しばらくすると、先程の受け付けのお姉さんがパタパタとやってきた。
「すみませんが、上の者が是非会いたいと申しておりまして」
「別にいいですよ」
お姉さんが笑顔になる。
俺達は冒険者ギルドの2階の応接室に通された。
「どうぞ」
お姉さんが、お茶を出してくれる。
ノックの音が聞こえた。
「はい」
俺はノックの相手に声をかけた。
「失礼します」
入って来たのは、まだ若い青年だった。
「お時間を頂いて申し訳ございません。私はギルド長のエグベルトと申します」
「レオンです、こちらこそよろしくお願いします」
俺は少し、不思議に思った。ギルドの上の人間が、何故、俺にこんなに礼儀正しいのか?
「実は、私はあなたを存じ上げていまして」
俺は冷や汗が出た。
「マリア様の紹介状を疑るつもりはございませんが、合点がいかない点がありますので、確認させていただきます」
「何を確認されるのですか?」
「レオン様の技量をです」
そういうことか、この青年はそれなりに仕事に忠実なんだ。
「どれくらいの技量かは、実は俺にもわからないんです」
「正直、勇者パーティと言えど、レオン様は......その」
「......荷持ち持ちだったよ。気を遣わせて悪い。言いたいことはわかる」
俺は困った。実は俺も自分の実力がわからない。
「失礼ながら、レオン様のタレントは未知数。何故、勇者パーティから脱退されたかは問いませんが、冒険者になる以上、レオン様の力は確認させていただく必要がございます」
「マリアさんの紹介状では不十分ですか?」
「正直、頼むとだけ書いてあり、レオン様の能力の事は何も書かれておらず、困っておりました」
「賢者のマリアさんが推す位だから、大丈夫という事なんでしょう」
「しかし、私はあなたのことを良く存じあげております。実はこのギルドにレオン様の同郷の冒険者がおりまして」
「誰ですか?」
「アーネと申します」
アーネ、あのアーネがいるのか?
アーネは同じ街の学校で一緒だった。何度も遊んだ事がある。
「アーネはレオン様の事を随分と誇りに思っていました」
「過去形だな......」
「申し訳ございません。気を悪くなされないでください。レオン様のタレントは未だ開眼されていないと聞き及んでおります」
「そういう事か......で、どうすれば?」
「レオン様とエリス様には我がギルドのAクラスの冒険者と模擬試合をしていただきます。それで、十分な資質があれば冒険者として受け入れます」
要するに俺がLv10の戦士で、エリスに何のスキルもないことがバレている様だ。
「わかりました。エリス、すまないが、明日、俺と一緒に模擬試合をしてくれないか?」
「わ、私がですか?」
「ああ、すまないが俺達が冒険者になるのにどうしても必要な様だ」
「わかりました!レオン様のご命令なら、喜んで!」
「エリス、命令じゃ無いんだ。俺はお願いしているだけなんだ」
「はい、レオン様」
エリスが笑顔で答えた。
こうして、俺達とギルドのAクラス冒険者との模擬試合が行なわれる事になった。
ハーンの街は王都から馬車で3日位の距離だった。
冒険者となって、お金を貯めて、エリスの奴隷の烙印を消す。
それが当面の目標だ。
「レオン様、洋服ありがとうございます」
「いや、洋服というより、冒険者の防具なんだけどな」
「嬉しいです。ご主人様に服を買ってもらったのは初めてです。エリスは感激しました」
「お金が溜まったら、ちゃんとした洋服も買おな」
「はい、ありがとうございます」
そう言ってにっこりするエリスの笑顔に癒された。
ほどなくして、俺達は冒険者ギルドについた。
ギルドの前でエリスと顔を見合わす。
エリスは不安そうにしている。瞬きが多い。
「安心して、俺が必ず君を守るから」
「はい!」
エリスに笑顔が戻った。
俺達は冒険者ギルドへ入っていった。
「いらっしゃいませー」
受け付けのお姉さんが明るく元気な声で挨拶してくれる。
「すいません、新しく冒険者になりたいのですが、どうすればいいですか?」
「ありがとうございます。早速ご案内させて頂きます。冒険者になるには紹介状かギルドの試験に合格する必要があります。それなり技量がございませんと命に関わりますので。どうかご了承ください」
「ギルドの試験というのは誰でも受けられるのか?」
「まずはギルドの講義を1年間受けて頂いたら受験が可能になります」
俺はエリスと顔を見合わせた。
そんな時間もお金も無い。
「紹介状があるんだが、これで冒険者になれないかな?」
俺はだんだん自信が無くなってきた。
「まぁ、賢者マリア様のご紹介ですね。今、上の者に確認してまいります」
「お願いします」
「それでは少々お待ちくださいませ」
しばらくすると、先程の受け付けのお姉さんがパタパタとやってきた。
「すみませんが、上の者が是非会いたいと申しておりまして」
「別にいいですよ」
お姉さんが笑顔になる。
俺達は冒険者ギルドの2階の応接室に通された。
「どうぞ」
お姉さんが、お茶を出してくれる。
ノックの音が聞こえた。
「はい」
俺はノックの相手に声をかけた。
「失礼します」
入って来たのは、まだ若い青年だった。
「お時間を頂いて申し訳ございません。私はギルド長のエグベルトと申します」
「レオンです、こちらこそよろしくお願いします」
俺は少し、不思議に思った。ギルドの上の人間が、何故、俺にこんなに礼儀正しいのか?
「実は、私はあなたを存じ上げていまして」
俺は冷や汗が出た。
「マリア様の紹介状を疑るつもりはございませんが、合点がいかない点がありますので、確認させていただきます」
「何を確認されるのですか?」
「レオン様の技量をです」
そういうことか、この青年はそれなりに仕事に忠実なんだ。
「どれくらいの技量かは、実は俺にもわからないんです」
「正直、勇者パーティと言えど、レオン様は......その」
「......荷持ち持ちだったよ。気を遣わせて悪い。言いたいことはわかる」
俺は困った。実は俺も自分の実力がわからない。
「失礼ながら、レオン様のタレントは未知数。何故、勇者パーティから脱退されたかは問いませんが、冒険者になる以上、レオン様の力は確認させていただく必要がございます」
「マリアさんの紹介状では不十分ですか?」
「正直、頼むとだけ書いてあり、レオン様の能力の事は何も書かれておらず、困っておりました」
「賢者のマリアさんが推す位だから、大丈夫という事なんでしょう」
「しかし、私はあなたのことを良く存じあげております。実はこのギルドにレオン様の同郷の冒険者がおりまして」
「誰ですか?」
「アーネと申します」
アーネ、あのアーネがいるのか?
アーネは同じ街の学校で一緒だった。何度も遊んだ事がある。
「アーネはレオン様の事を随分と誇りに思っていました」
「過去形だな......」
「申し訳ございません。気を悪くなされないでください。レオン様のタレントは未だ開眼されていないと聞き及んでおります」
「そういう事か......で、どうすれば?」
「レオン様とエリス様には我がギルドのAクラスの冒険者と模擬試合をしていただきます。それで、十分な資質があれば冒険者として受け入れます」
要するに俺がLv10の戦士で、エリスに何のスキルもないことがバレている様だ。
「わかりました。エリス、すまないが、明日、俺と一緒に模擬試合をしてくれないか?」
「わ、私がですか?」
「ああ、すまないが俺達が冒険者になるのにどうしても必要な様だ」
「わかりました!レオン様のご命令なら、喜んで!」
「エリス、命令じゃ無いんだ。俺はお願いしているだけなんだ」
「はい、レオン様」
エリスが笑顔で答えた。
こうして、俺達とギルドのAクラス冒険者との模擬試合が行なわれる事になった。
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