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イザヤside2
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部屋に入るなり、直ぐ様、イザヤは陶也にしがみついた。そして、そのままベッドに押し倒すと、ただひたすら陶也をぎゅうぎゅうと抱き締めた。
「イザヤ……、ちょっと待って、苦しい」
苦しいと言われても、中々緩めることが出来ない。
自分が今まで生きてきた中で、陶也に出会えた事が、どれほどの喜びか!どれほどの光か!
あの地獄のような日々でさえ、この温もりと光に出会うためだったのなら、全てに感謝したい気持ちだった。
イザヤは陶也に頬を刷り寄せ、その耳元に囁いた。
「好きだ」
びくりっと陶也の体が、イザヤの腕の中で震え、硬直する。そして、何度も何度もその言葉を繰り返した。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ……」
呪文のように何度も唱えながら、陶也の頬や首筋、額や瞼に次々とキスを落とす。
そして、ふと見ると、陶也が真っ赤な顔で、黒瞳を潤ませながら、「ちょっと待って下さい」と言った。
その表情がとても可愛い。愛しい。
それ以外に、何があるだろう?
「待てない」
と言って、その唇に唇を重ねた。
──甘い。
そして、また唇を至るところに這わせながら、繰り返し呪文を唱えた。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ」
何度も何度もキスをした。すると、次第に陶也の目が涙で滲んできたかと思うと、突然声を上げて泣き出した。イザヤは狼狽えた。
「え?お、おい、どうした?」
イザヤは陶也の目に浮かんだ涙を拭いながら、大層、慌てた。
「だって、イザヤ……。今までそんな事、一言も言ってくれなかったから、嬉しくて……ずっと片思いな気分でいたから……」
「はあ?!何でそうなる?!」
イザヤは一瞬、驚いたが、自分で言ってから、気付いた。思い起こすと確かに返事らしい、返事を陶也に返していない?!
これも無意識か?
ずっと何処かで、この関係はそう長くないと思っていたから、自分には愛だの恋だのは、不相応で……、でも、欲望ばかりが猛って……。
なんてこった!──体の繋がりだけだったか……?!
「あ、あの……陶也、その……、口では、はっきりと言ってなかったけど、俺は……」
陶也は頷いた。
「はい。何となく、好きでいてくれてるのかな?なんて思ったけど、でも、イザヤは人肌が好きだって言ってたから、時折、それだけかな?なんて、気持ちが揺れる時もあって……、落ち込む時もあったから……」
──なんだって?!!!!!
落 ち 込 む 時 も あっ た?!
俺はこんなにも可愛くて、優しくて、美しい恋人に、辛い思いをさせていたかと思うと、自分自身に憤りを感じた。
「馬鹿野郎!そういう事はちゃんと言え!!」
いや、違う!陶也にそんな事を言わせてどうする?違うだろ!俺が全面的に悪い。イザヤは自分自身に舌打ちした。
「……だって、その頃のイザヤに言っても、イザヤは罪人だって意識があったから、僕の望む言葉は、イザヤを困らせるだけだと思って、それは嫌だったから……、ただ、側に居てくれれば、それだけでいいと思っていた……」
「こっの……馬鹿野郎……っ!」
陶也のその告白に、胸が締め付けられる。
そうなのだ!こいつは俺の記憶が見えるのだ!見ていたのだ!俺のクソひでー記憶を見るだけでも、キツイのに、こいつはそれを見ながらも、いつでも俺の気持ちを慮っていたのかと思うと、その健気さに胸が苦しくなる。
「お前……何で俺の事、嫌にならなかった?俺のどうしようもない記憶なんか見えて……、お前も苦しんでいたよな」
脱衣所では、涙を流しながら怯え、渓流では、その瞳に何も写さなくなった陶也を思い出す。あれは、俺だ。俺がレイプされた時の──、兄弟達を失った時の──、俺の姿だ。
薄暗くなっていく渓流の砂利の上で、膝を抱えながら、じっと痛みと孤独に、耐えていた陶也の姿を思い出すと、イザヤの瞳からまたじわりと涙が溢れてくる。
「あんな思いして、何で?何で、俺の事を好きになるんだ?お前にとっての好きってなんだ?お前からしたら、俺と居ることは、苦しみばかりだっただろう?」
俺はこいつに、沢山の温もりや癒し、光をもらっていたのに、俺はこいつに、一体、何を与えた?何も与えてはいないだろう?痛みと苦労ばかりを与えていたような気がする。
しかし、陶也は首を振った。
「イザヤ……、ちょっと待って、苦しい」
苦しいと言われても、中々緩めることが出来ない。
自分が今まで生きてきた中で、陶也に出会えた事が、どれほどの喜びか!どれほどの光か!
あの地獄のような日々でさえ、この温もりと光に出会うためだったのなら、全てに感謝したい気持ちだった。
イザヤは陶也に頬を刷り寄せ、その耳元に囁いた。
「好きだ」
びくりっと陶也の体が、イザヤの腕の中で震え、硬直する。そして、何度も何度もその言葉を繰り返した。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ……」
呪文のように何度も唱えながら、陶也の頬や首筋、額や瞼に次々とキスを落とす。
そして、ふと見ると、陶也が真っ赤な顔で、黒瞳を潤ませながら、「ちょっと待って下さい」と言った。
その表情がとても可愛い。愛しい。
それ以外に、何があるだろう?
「待てない」
と言って、その唇に唇を重ねた。
──甘い。
そして、また唇を至るところに這わせながら、繰り返し呪文を唱えた。
「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ」
何度も何度もキスをした。すると、次第に陶也の目が涙で滲んできたかと思うと、突然声を上げて泣き出した。イザヤは狼狽えた。
「え?お、おい、どうした?」
イザヤは陶也の目に浮かんだ涙を拭いながら、大層、慌てた。
「だって、イザヤ……。今までそんな事、一言も言ってくれなかったから、嬉しくて……ずっと片思いな気分でいたから……」
「はあ?!何でそうなる?!」
イザヤは一瞬、驚いたが、自分で言ってから、気付いた。思い起こすと確かに返事らしい、返事を陶也に返していない?!
これも無意識か?
ずっと何処かで、この関係はそう長くないと思っていたから、自分には愛だの恋だのは、不相応で……、でも、欲望ばかりが猛って……。
なんてこった!──体の繋がりだけだったか……?!
「あ、あの……陶也、その……、口では、はっきりと言ってなかったけど、俺は……」
陶也は頷いた。
「はい。何となく、好きでいてくれてるのかな?なんて思ったけど、でも、イザヤは人肌が好きだって言ってたから、時折、それだけかな?なんて、気持ちが揺れる時もあって……、落ち込む時もあったから……」
──なんだって?!!!!!
落 ち 込 む 時 も あっ た?!
俺はこんなにも可愛くて、優しくて、美しい恋人に、辛い思いをさせていたかと思うと、自分自身に憤りを感じた。
「馬鹿野郎!そういう事はちゃんと言え!!」
いや、違う!陶也にそんな事を言わせてどうする?違うだろ!俺が全面的に悪い。イザヤは自分自身に舌打ちした。
「……だって、その頃のイザヤに言っても、イザヤは罪人だって意識があったから、僕の望む言葉は、イザヤを困らせるだけだと思って、それは嫌だったから……、ただ、側に居てくれれば、それだけでいいと思っていた……」
「こっの……馬鹿野郎……っ!」
陶也のその告白に、胸が締め付けられる。
そうなのだ!こいつは俺の記憶が見えるのだ!見ていたのだ!俺のクソひでー記憶を見るだけでも、キツイのに、こいつはそれを見ながらも、いつでも俺の気持ちを慮っていたのかと思うと、その健気さに胸が苦しくなる。
「お前……何で俺の事、嫌にならなかった?俺のどうしようもない記憶なんか見えて……、お前も苦しんでいたよな」
脱衣所では、涙を流しながら怯え、渓流では、その瞳に何も写さなくなった陶也を思い出す。あれは、俺だ。俺がレイプされた時の──、兄弟達を失った時の──、俺の姿だ。
薄暗くなっていく渓流の砂利の上で、膝を抱えながら、じっと痛みと孤独に、耐えていた陶也の姿を思い出すと、イザヤの瞳からまたじわりと涙が溢れてくる。
「あんな思いして、何で?何で、俺の事を好きになるんだ?お前にとっての好きってなんだ?お前からしたら、俺と居ることは、苦しみばかりだっただろう?」
俺はこいつに、沢山の温もりや癒し、光をもらっていたのに、俺はこいつに、一体、何を与えた?何も与えてはいないだろう?痛みと苦労ばかりを与えていたような気がする。
しかし、陶也は首を振った。
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