男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2020年

ステイホーム7-3「皐月先生の夜行運転with眞名井ちゃん」後編

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 「それにしても眞名井さんって、スタイル良いわよね~」
 現在時刻は深夜2時50分。大人の女性のたしなみについて話していた皐月先生と眞名井ちゃん。メイクに頼らずとも生まれ持った素材が抜群である眞名井ちゃんに対し、お世辞でもなんでもなく、本心からその言葉が出た皐月先生。
 「そんなこと無いですよ~。身長だってもうちょっと低かったらいいな~なんてよく思ったりします………」
 身長177センチメートルのブルペン女子は、切にそう発した。
 「皐月先生とか、松ミョンくらいが一番女性として理想的ですよ~………」
 リュージュをはじめとするスポーツをする上では有利である高身長。しかしアスリートである前に一人の乙女である眞名井ちゃんは、多くの男子よりも高いこの身長に、人知れずコンプレックスを抱いていた。
 「皐月先生は身長どのくらいですか~??」
 「私は、166センチよ~」
 「………やっぱり皐月先生は、私の理想ですね~………」
 170センチを超えると、普通の女子としては少し異質な存在となってしまうように感じている眞名井ちゃん。169センチの松野さんや166センチの皐月先生の、高すぎず低すぎない身長が理想なのであった。
 「こればかりはどうにもならないですから………」
 今までの雰囲気とは一変、よどんだ空気が車内を満たした。
 
 「眞名井さん。私も身長に関して色々悩んだりしてたころがあってね………」
 そう導入し、皐月先生は自身の身長について話し始めた。小学校低学年の頃は他の同級生たちよりも高く、デカ女呼ばわりされてたこと。6年生ですでに今と同じくらいの身長があり、男子からは女子として見てもらえなかったこと。中学に入り身長が止まり、さんざんデカ女呼ばわりしていた同級生の男子が自分の身長を追い越し、もう伸びない身長に対して様々な悪口を言われたり。自分の過去の話をこんなにするのは、皐月先生にとって初めてのことだった。
 「でもね、高校に入ってからは、もう身長についてあれこれ考えるのをやめたの。この身長も私のアイデンティティーなんだって思うようにした。ふふっ、でも本当にそう思えるようになるまで時間はかかったけどね。だから眞名井さんも、そんなにコンプレックスだなんて思わないで。その身長をうらやましがる人だって大勢いるわ。それも眞名井さんの魅力じゃない!!!」
 「さ、皐月先生~」
 皐月先生の話を聞き、感激した眞名井ちゃん。女子としてはあまりにも高いこの身長に対し、あれこれ言ってくる人はいなかったものの、コンプレックスに思っていたことが何だか馬鹿らしくなってきた。
 「なんだか、自信が湧いてきました!!!」
 「ふふっ。ヒロサダ君のこと、負けないわよ~!!!」
 「はいっ!!!」
 
 2人の話が奥深くなるにつれ、仲も深まっていっているようだ。
 現在時刻は深夜3時27分。眞名井ちゃんと皐月先生、2人のドライブはすでに2時間を超えているのだが、話が盛り上がり、パーキングエリアになかなか入らない皐月先生なのであった。

 

 タイトルに後編とうたってしまったが、2人のドライブはどうやらまだ続くようだ。
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