男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2018年上半期

帰りの会

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 「体動かしたいじゃ~……」
 相撲部屋に入門することができず、体を動かしたいヒロサダだったが、もう二ヶ月も体育の授業がない。週に三日ある体育の授業では三人の先生が担当しているのだが、ここ二ヶ月は呪われたかのようにみんな欠席。インフルエンザB型にかかった翌週にはインフルエンザA型にかかり、その翌週にはおたふく風邪にかかり……。先生が元気な時は、体育の授業の時に限って防災避難訓練があった。しかも四日続けて。四日連続で防災避難訓練をする必要性を皆がおのが心に問いかけていたが、声に発する者はいなかった…。
 そんなことを帰りの会中、ずっと考えていたヒロサダは、日直なのに何もしていなかった。帰りの会の進行はもう一人の日直の雛罌粟ひなげしさんが一人で行っていたのだ。通常二人一組で行う帰りの会だが、彼女はいとも簡単に一人で最後までこなしていたのだ。帰りの会恒例の漫才やあっち向いてホイ、そして二人羽織までも一人で。
 帰りの会終盤で、雛罌粟さんが今日のまとめを言い出した時に先生が口を開けた。
 「ヒロサダ君!あなたも日直でしょ?私に見惚れていたのもわかるけど、もう帰りの会も終盤よ?そろそろ雛罌粟さんのお手伝いしたらどう??」
 担任の先生の代わりに来ていた皐月先生だ。ヒロサダの友人伝いでヒロサダが皐月先生を気に入っているということを聞いた彼女は、独身であるためヒロサダを恋愛対象としてみているようだ。その話はまた後日するとして、少々自意識過剰な皐月先生に指摘され、ヒロサダは慌てて雛罌粟さんのいる教卓へリンボーダンスをしながら向かった。
 教室は縦に長く、横幅は九〇センチメートルにもかかわらず、ヒロサダの席から教卓までは三百メートルある。途中の松野さんの席が給水ポイントとなっており、ヒロサダはおしるこをもらった。
 「くぅ~っ、あったまるだぁ~」
 そうして約五分かけてヒロサダは教卓に着いたのであった。
 「雛罌粟さん!ごめんなさいじゃ~、ワシも日直だったのに、何もかも一人でさせてしまって~!」
 ヒロサダも反省した様子で、クラスメイトも暖かい目で見守っている。皐月先生は少々ギラついた目でヒロサダを見ていたが、それもまた彼女なりの優しさなのだろう。
 「雛罌粟さん!ワシ、給水ポイントで休んでたから、帰りの会どこまで進んだのか分からんのじゃ~、どこまでいったんじゃ????」
 「ヒロサダ君、、、もう終わったんだよ。そしてヒロサダ君、皐月先生、クラスのみんな、そこの席を見て、雛罌粟さん座ってるだろ???みんな僕の顔をよく見てよ。僕、幅尻だよ………」
 「!!!!!!!!!!」
 幅尻君の影の薄さに皆驚愕して、下校時刻が五〇分遅くなった如月きさらぎの夕暮れ時なのであった。
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