男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2018年上半期

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 「姐御アネゴ~!久しぶりじゃのぉ~!!!」
 ヒロサダには姉がいる。
 「あら姐御ちゃん、今日もお勤めご苦労様。修行の方は順調?」
 姐御は、現在19歳。高校を卒業してからすぐに中国に修行に行っているのだ。中国ではこの時期旧正月になるため、それを利用して帰国してきたのだ。
 「お母さんただいま。ヒロシもげんきそうだね」
 「姐御~、わしゃヒロシじゃなくてヒロサダ!。ヒ・ロ・サ・ダ!!!。全く……何回言ったらわかるんじゃよ~」
 姉が加わるだけで、一層明るい雰囲気がヒロサダ家を包む。
 「姐御ちゃん!中国での修行の成果を早速見せてちょうだい!」
 「姐御~!!!ワシからもお願いするだ~!」
 時間もちょうどお昼時。そろそろお腹が空いた頃だ。そう、姐御は中国で料理の修行をしているのだ。
 「まだ私、修行真っ只中だから……。うまく作れるかどうかわからないよ……」
 中国に修行に出てからまだ1年弱。最初は皿洗いなどの雑務を任されるため、厨房に立って料理ができる機会はあまりないのだ。
 「じゃあ、姐御が1番自信のある料理を作ってくれじゃ~!!!」
 姐御は住み込みで修行をしている。お客さんに出す料理は作れなくても、自分で食べる分や師匠に腕前を確かめてもらう分を作るなど、料理をする機会はたくさんある。
 「そうねぇ………、1番自信がある料理っていったら………………。うん、刀削麺トウショウメンかしらね!!!」
 「ウホウホ~!!!凍傷麺とうしょうめん!?冷たそうじゃな~!。食べる時は舌が凍傷を起こさないように気をつけんといけんじゃな~」
 刀削麺(とうしょうめん、ダオシャオミエン、拼音: Dāoxiāomiàn)とは、中華人民共和国の山西省発祥の麺の一種。小麦粉を水で練った生地の塊を板に乗せ、片手に生地、片手にくの字型に曲がった包丁を持って湯の沸いた鍋の前に立ち、生地を細長く鍋の中に削ぎ落としてゆでるのだ。麺の独特な製法から全体は柳の葉の形になり、また断面は三角形になって独特の食感を生み出す。ラーメンと同じようにスープに入れたり、あんや黒酢に絡めて食べるという、中国の国民食だ。
 「懐かしいわねぇ、昔私もお父さんと一緒に食べたことがあるわ。普段は豆腐を使うところを、春雨を代用するなんて斬新なアイデアよね~」
 中国料理ですらない麻婆春雨の話をしている母を横目に、姐御は台所へ向かった。
 「小麦粉はあるみたいね。………、あっ、刀削麺を作るための刀削麺包丁がないじゃない!普通一家に一本あるんだけどなぁ………」
 再度言うが、刀削麺はくの字型に曲がった特殊な刀削麺包丁を使わなければならないのだ。
 「刀削麺包丁がないと、作れないわ…。ごめんなさい」
 「そうなんじゃな~。じゃあ他の料理を作ってくれじゃ~!!!練習している料理とか!!!」
 「ごめんね……。私、刀削麺しか練習したことなくって…」
 「そ、そうなんじゃな………。じゃ、じゃあ、麺料理以外はどうじゃ???」
 麺料理以外にも中国には美味しい料理がたくさんある。特に香辛料の効いた料理は最高だ。辛さが食欲をそそる。
 「刀削麺以外は作ったことないの」
 「じゃ、じゃあ!!!、普段食べている料理はどうじゃ???」
 「私、向こうでは刀削麺しか食べたことないの」
 「………………………………………」
 言葉を失うヒロサダをよそに、母ちゃんが朝ごはんの残りを電子レンジにかけた。
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