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自覚している
しおりを挟む彷徨う
東京の夜を彷徨う
体力は使わない
ただ、夜空を見上げてたい願望が強くて
何かを蹴った。
カランと音が鳴った。
イヤホンをつけていたけど微かに聴こえてきた。
見下ろすと、青い空き缶だった。
蹴ってしまったら自分のモノのように感じて、空き缶をそっと拾って近くのコンビニに捨てた。
そしてまた夜空を見上げ、イヤホンのボリュームをあげる。
一人都会の夜に儚い歌を聴くのは好きだ。
何気ないことも残酷なことも全部物語にしてくれてるように感じる。
“あと2時間で寝る時間だ”
私の頭で私が言う。
”あぁでも今日は、このぬるい感情を優先しよう”
私はまた歩き始めた。
三日月が綺麗な夜の空は、宇宙の様に吸い込まれるような感覚だった。
仕事は順調。
給料もそこそこ 。
将来にも希望がある。
友人にも恵まれている。
恋人はなし。
好きな人もいない。
ただ私にはいつも、見たことがないものを見せてくれる存在がいる。
それは私が笑ってしまうほど私から離れない、“幻くん”だ。
ある日いつもの道に男の人がタバコを吸って座っていた。
その人は黒いパーカーを深く被っていた。
そして、青い缶を持っていた。
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