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鈍色と無知
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夜明け前の暗がりに灯りが賑やかにざわめく
画面から漏れる色彩は忙しそうに争っていた。
「さすがはギガ級だな」
ポツリと呟く少女も
手はせわしないながら
冷静に画面を見つめ操作している。
しかし後ろでうめき声が微かに響いた。
「うぅ、眩しい・・・」
若いのかうめき声も少年のようだ
いつも通りの様な反応で掛け布団に潜る。
彼の安息地であり戦線そのものな
黒ソファの背もたれは広範囲な光には
対抗できていない。
そうこうする内に称号を得た少女も
時間を認識する。
「もう朝? 周回は一旦やめとくか・・・」
ログアウト後に隣の押し入れへと消えていく。
時間は昼を少し過ぎ、この季節で
もっとも暑い太陽が君臨する。
そんな中で弁当屋の袋を持った女性が
住宅街にある
寂れたトタン屋根の前で時計を確認した。
「時間通りかな?」
まるで営業先に訪れたセールスマンの佇まいで
意を決しガラガラと開く。
音は激しかったはずだが反応がない。
「すみません! ここは何でも屋「アルミス」ですかっ!」
なかなか張り上げたつもりだったが
やはり反応は皆無だ。
「この時間じゃないと受け付けないはずじゃ・・・?」
数秒間だけ唸ると脳裏に噂が過る。
「弁当を置いて・・・ 団扇をこうかな?」
パタパタと匂いを奥まで扇ぐ
そしてあることに気がついた。
「布に猫でもいるのかな?」
先ほどからグゥという音がしきりに
一定間隔で鳴っている。
「こっちから?」
目前のソファに近づくと
対面するもう一つの上にモゾモゾ動く掛け布団があった。
「少し大きい猫かな」
そっとめくり中を覗き込むと
黒く短い髪で整った顔立ちの少年が
丸まっている。
「えっと・・・ すみませんでした」
寝ているのを邪魔しないために
奥へと向かおうとするがお腹の虫が呼び止めるため
目の前にあったテーブルに
弁当と箸やお茶を置いてドアへと向かった。
外の暑さが何故か押し寄せてくるのを
疑問視しながらゆっくり開ける。
「すみませ・・・ え?」
裏庭なのか物干し竿に整然と衣服が並んでいた。
「じゃあ不在かな」
来た道を戻ると弁当を
美味しそうに食べている少年に声を掛ける。
「起きた? ごめんね勝手に・・・」
「この弁当はもしかして?」
少し焦りながら聞いてきたのを見て悟った。
「いやいや、大丈夫だよ?
私が君に食べてほしくて
置いたからね」
ほっとしたのか感謝を述べ弁当に箸を向ける。
「そういえばお父さんかお母さんは今はいるかな?」
口に入っているものをゴクリと飲み込み口を開いた。
「いないです」
それを聞いて申し訳ない気持ちが口を出ていく。
「ごっごめんなさい!」
「もしかして依頼ですか?」
面食らった顔で一拍置いて頷くと少年が
半分だけ残していた弁当を
放置して押し入れに手を掛ける。
「起きて」
「なんだ? 相棒もとい家族よ」
「依頼が来たよ」
小さい腹の虫が歓喜すると紅潮した頬をポリポリと
押し入れから出てくる。
「なっ!」
出てきた少女は茹で上がりながら
ソファにカクカクと歩いて座る。
「だから依頼だってば・・・」
その様子に笑いを堪える女性は悟られぬように
普通の表情で依頼をまとめた書類を出した。
「これは町の地図と起きたことですか?」
そっと出された弁当をゆっくり食べる少女の横で
立ちながら書類を手に取り内容を確認していく。
「一応のために聞くけどいいかな?」
「察っしの通り自分が
何でも屋アルミスをやってる店主の蓮で
だらしないこれが副店主の加藤です」
「私はお前と一生いるんだから
これとはなんだ? これとは!」
食べながら怒るため少し可愛いと顔に出しながら
目標を尋ねた。
「もうわかったの? じゃあ言うね」
【錬金術を使うバケモノを退治してほしい】
「本当に良いの? 危ないかもしれないけど」
「大丈夫とわかっているから来たんですよね」
微笑むと少女の横に座りこみ
箸を持つ手を握って言い放つ。
「俺たちならなんでも出来ますから大丈夫です」
「ばっ! くっ食いづらいだろ?」
先ほどとは打って変わり
少しうつむき照れながら
ほくそ笑む。
画面から漏れる色彩は忙しそうに争っていた。
「さすがはギガ級だな」
ポツリと呟く少女も
手はせわしないながら
冷静に画面を見つめ操作している。
しかし後ろでうめき声が微かに響いた。
「うぅ、眩しい・・・」
若いのかうめき声も少年のようだ
いつも通りの様な反応で掛け布団に潜る。
彼の安息地であり戦線そのものな
黒ソファの背もたれは広範囲な光には
対抗できていない。
そうこうする内に称号を得た少女も
時間を認識する。
「もう朝? 周回は一旦やめとくか・・・」
ログアウト後に隣の押し入れへと消えていく。
時間は昼を少し過ぎ、この季節で
もっとも暑い太陽が君臨する。
そんな中で弁当屋の袋を持った女性が
住宅街にある
寂れたトタン屋根の前で時計を確認した。
「時間通りかな?」
まるで営業先に訪れたセールスマンの佇まいで
意を決しガラガラと開く。
音は激しかったはずだが反応がない。
「すみません! ここは何でも屋「アルミス」ですかっ!」
なかなか張り上げたつもりだったが
やはり反応は皆無だ。
「この時間じゃないと受け付けないはずじゃ・・・?」
数秒間だけ唸ると脳裏に噂が過る。
「弁当を置いて・・・ 団扇をこうかな?」
パタパタと匂いを奥まで扇ぐ
そしてあることに気がついた。
「布に猫でもいるのかな?」
先ほどからグゥという音がしきりに
一定間隔で鳴っている。
「こっちから?」
目前のソファに近づくと
対面するもう一つの上にモゾモゾ動く掛け布団があった。
「少し大きい猫かな」
そっとめくり中を覗き込むと
黒く短い髪で整った顔立ちの少年が
丸まっている。
「えっと・・・ すみませんでした」
寝ているのを邪魔しないために
奥へと向かおうとするがお腹の虫が呼び止めるため
目の前にあったテーブルに
弁当と箸やお茶を置いてドアへと向かった。
外の暑さが何故か押し寄せてくるのを
疑問視しながらゆっくり開ける。
「すみませ・・・ え?」
裏庭なのか物干し竿に整然と衣服が並んでいた。
「じゃあ不在かな」
来た道を戻ると弁当を
美味しそうに食べている少年に声を掛ける。
「起きた? ごめんね勝手に・・・」
「この弁当はもしかして?」
少し焦りながら聞いてきたのを見て悟った。
「いやいや、大丈夫だよ?
私が君に食べてほしくて
置いたからね」
ほっとしたのか感謝を述べ弁当に箸を向ける。
「そういえばお父さんかお母さんは今はいるかな?」
口に入っているものをゴクリと飲み込み口を開いた。
「いないです」
それを聞いて申し訳ない気持ちが口を出ていく。
「ごっごめんなさい!」
「もしかして依頼ですか?」
面食らった顔で一拍置いて頷くと少年が
半分だけ残していた弁当を
放置して押し入れに手を掛ける。
「起きて」
「なんだ? 相棒もとい家族よ」
「依頼が来たよ」
小さい腹の虫が歓喜すると紅潮した頬をポリポリと
押し入れから出てくる。
「なっ!」
出てきた少女は茹で上がりながら
ソファにカクカクと歩いて座る。
「だから依頼だってば・・・」
その様子に笑いを堪える女性は悟られぬように
普通の表情で依頼をまとめた書類を出した。
「これは町の地図と起きたことですか?」
そっと出された弁当をゆっくり食べる少女の横で
立ちながら書類を手に取り内容を確認していく。
「一応のために聞くけどいいかな?」
「察っしの通り自分が
何でも屋アルミスをやってる店主の蓮で
だらしないこれが副店主の加藤です」
「私はお前と一生いるんだから
これとはなんだ? これとは!」
食べながら怒るため少し可愛いと顔に出しながら
目標を尋ねた。
「もうわかったの? じゃあ言うね」
【錬金術を使うバケモノを退治してほしい】
「本当に良いの? 危ないかもしれないけど」
「大丈夫とわかっているから来たんですよね」
微笑むと少女の横に座りこみ
箸を持つ手を握って言い放つ。
「俺たちならなんでも出来ますから大丈夫です」
「ばっ! くっ食いづらいだろ?」
先ほどとは打って変わり
少しうつむき照れながら
ほくそ笑む。
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