推し活、始めました。

桜乃

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出会い

綺良くん 4

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「あの……早急にお金が必要で……芸能人になったら、どれくらいでお金貯まりますか?」
「お金?」

 轟さんと五十嵐さんは顔を見合わせた。

「お給料の詳しい話は後日しますけど……ご両親にも挨拶に伺わなくてはいけませんし。そうですね……早急にという事ですが、大学の合間にボイトレやダンス、会話術などのレッスンを受けてもらいますから……しばらくは稼げないかと」
「そう……ですよね……」

 そうだよね……そんなうまい話があったら、それこそ詐欺だ……

「いくら必要なんですか?」

 僕が明らかにガッカリした顔をしたからか、五十嵐さんはズバリと聞いた。

「100万円……ほど」
「100万……」

 100万……18歳の僕にはすぐには、用意できない大金である。

「貸しますよ」
「はっ?」

 サラッと日常会話のように五十嵐さんが言うものだから、僕は驚きを隠せない。

「だから、貸しますよ。無期限、無利子で」

 書類のチェックの仕事をしながら、消しゴム貸しますよ。ぐらいの軽さで言われ、逆に僕が慌ててしまう。

「初対面ですよ? 100万ですよ? 申し訳ないですよ……」
「わかってますよ。貸しますって、それぐらい」
「おー、綺良、借りろ! 借りろ! 月子は貯金してるから100万ぐらいなんてことないぞ」

 五十嵐さんは茶々を入れた社長をじろりと睨みつけた。

「本当なら、社長が何とかしてあげるべきなんですからね! 社長がナンパしてきた子なんですから。だいたい仕事が忙しすぎて、お金を使う時間がないんですっ!」
「いやはや、うちは奥さんが財布の紐を握ってるからなぁ」
「もう!!」

 僕抜きで、五十嵐さんが100万円貸してくれる事になっちゃってるけど、大丈夫?
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