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婚約者が口説かれました
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「なんで、婚約破棄しなくちゃならないんだよ」
「噂によると、お二方とも愛のない婚約で破棄を望んでいると聞きました」
はあ? 噂? 何だそれ?
それに、俺の方には愛はあるぞ。俺の方には……な。
「アルベルト王子はたくさんの婚約者候補がいらっしゃって、毎日、令嬢たちを選り好みしてるとか……」
はい!?
それはジェスターが送りつけてきている、婚約者候補リストのことかぁ!?
選り好みなんかしてねーよ。俺はクラリス一筋だってーの!
「そんなの、クラリス嬢がかわいそうです。ぜひ早く婚約破棄を!」
俺が呆れて何も言わないのを肯定と取ったのか、それとも調子づいてきたのか、矢継ぎ早に話すカール。
誰だよ、こんな噂流したの……いや、わかってる。間違いない、ジェスターだ。こういう裏工作はジェスターの得意分野だ……あいつ、覚えてろよ。
「それはあくまで噂だ。婚約破棄は絶対しない。絶対だ。だが、なんでお前が婚約破棄しろって言いに来るんだ? お前、関係ないだろ?」
「愛に目覚めたからです!」
「はっ?」
「最初は、邪な気持ちがありました。SSランク魔道士の公爵令嬢、僕の格が上がる最高の結婚相手です」
まぁ……な。意識してなかったけれど、クラリスのステータスは令嬢の中でもトップクラスだ……で?
「そんな浅はかな僕をクラリス嬢は心の底から心配してくれました」
はぁ……クラリスは優しいからな。超鈍感だけど……で?
「僕を心配してくれた姿は天使です。あんなに気にかけてくれるなんて、きっとクラリス嬢も僕のことを……」
こいつ、やっぱりアホの方だったな。
クラリスが天使……は否定しないけど。
「僕のことを想いながら、アルベルト王子と結婚なんてクラリス嬢がかわいそうです」
だめだ、こいつ。頭の中で花が咲いてる。
「王子は婚約者を選り好みしてる方、クラリス嬢でなくてもいいわけで……」
「ちょっと、まて」
俺はイラッとして、カールの勢いを止めた。
聞き捨てならねーことばかり言いやがって。
「噂によると、お二方とも愛のない婚約で破棄を望んでいると聞きました」
はあ? 噂? 何だそれ?
それに、俺の方には愛はあるぞ。俺の方には……な。
「アルベルト王子はたくさんの婚約者候補がいらっしゃって、毎日、令嬢たちを選り好みしてるとか……」
はい!?
それはジェスターが送りつけてきている、婚約者候補リストのことかぁ!?
選り好みなんかしてねーよ。俺はクラリス一筋だってーの!
「そんなの、クラリス嬢がかわいそうです。ぜひ早く婚約破棄を!」
俺が呆れて何も言わないのを肯定と取ったのか、それとも調子づいてきたのか、矢継ぎ早に話すカール。
誰だよ、こんな噂流したの……いや、わかってる。間違いない、ジェスターだ。こういう裏工作はジェスターの得意分野だ……あいつ、覚えてろよ。
「それはあくまで噂だ。婚約破棄は絶対しない。絶対だ。だが、なんでお前が婚約破棄しろって言いに来るんだ? お前、関係ないだろ?」
「愛に目覚めたからです!」
「はっ?」
「最初は、邪な気持ちがありました。SSランク魔道士の公爵令嬢、僕の格が上がる最高の結婚相手です」
まぁ……な。意識してなかったけれど、クラリスのステータスは令嬢の中でもトップクラスだ……で?
「そんな浅はかな僕をクラリス嬢は心の底から心配してくれました」
はぁ……クラリスは優しいからな。超鈍感だけど……で?
「僕を心配してくれた姿は天使です。あんなに気にかけてくれるなんて、きっとクラリス嬢も僕のことを……」
こいつ、やっぱりアホの方だったな。
クラリスが天使……は否定しないけど。
「僕のことを想いながら、アルベルト王子と結婚なんてクラリス嬢がかわいそうです」
だめだ、こいつ。頭の中で花が咲いてる。
「王子は婚約者を選り好みしてる方、クラリス嬢でなくてもいいわけで……」
「ちょっと、まて」
俺はイラッとして、カールの勢いを止めた。
聞き捨てならねーことばかり言いやがって。
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