お漏らし・おしがま短編小説集 ~私立朝原女学園の日常~

鏡居雨

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入学式の日③ ~高等部1年 金子愛未の場合~(一人称視点)

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 私立朝原女学園、高等部入学式。周りが静かに生徒会長や校長先生の話を聞く中で、私は1人大ピンチに陥っていた。
 ーーどうしよう、おしっこしたい……。
 本当は、入学式が始まる前にトイレを済ませておくべきだった。私は中学3年生の時に授業中におしっこを漏らしちゃったことがあった。この学校に進学することを決めたのも、当時のクラスメイトからお漏らしをからかわれていたから離れたかったというのもあった。
 けれど、トイレがとても混んでいたのと、中学生の時は2時間続きの授業で我慢できなかっただけだから、1時間くらいで終わる入学式の間は我慢できるだろうと思ったので、私はトイレを済ませずに入学式に臨んだ。
 そして今、まだ入学式があと20分ほど残っている中で、私はおしっこがしたくなってしまっていた。
「大丈夫?」
 隣から心配そうな小さな声が聞こえた。声のした方を向くと、ついさっき教室で知り合って仲良くなった岸山さんが私を心配そうに見つめていた。
「う、うん……」
 私が小さく頷きながらそう言うと、岸山さんは少し私の方を見たあと、
「もしかして、金子さん、トイレ?」
と聞いてきた。
「うん……」
「我慢できそう? 先生呼んできてあげようか?」
「ううん、大丈夫……」
「本当に? 無理しなくていいよ? この学校の先生、結構優しいし」
 一瞬岸山さんの言ってることが理解できなかったけれど、そういえば、岸山さんは内部進学生だったことを思い出した。
 ーートイレ、行かせてもらおうかな……、でも、「入学式の途中でおしっこが我慢できなくてトイレに行かせてもらった子」って思われるのは、絶対に嫌……。
 そう思って私は頑張っておしっこを我慢することにした。
 やがて入学式が終わって、私は今にも破裂してしまいそうな膀胱を抱えながら体育館を出た。
 ーーはやくっ、トイレ、トイレっ…… もう、おしっこ、出ちゃううっ……
「金子さん、教室に戻る前に、先にトイレ行こう」
 岸山さんに手を引かれて、私がトイレの近くに着いた時には、もう10人くらいの子たちがトイレに並んでいた。
 ーーううぅ……、こんなに混んでるなんて……。もう、おしっこ漏れちゃうぅ……。

 じゅわっ、じゅわわっ

 おしっこがパンツの中に少し出ちゃって、私は前押さえをして頑張っておしっこを止めたけれど、その場から動けなくなってしまった。
 ーーもうだめ……このままおしっこ漏らしちゃう……。
 私はもう両手だけじゃおしっこが止められなくて、そのまま床にお尻をつけて座り込んでしまった。トイレの入口はもう目の前で、あと1人でもトイレから出てきてくれれば個室の目の前まで行ける。それなのに、トイレの前の廊下、入学式が終わってみんなが教室に戻っている道の途中で、もう私はおしっこが我慢できない。
「金子さん大丈夫!?」
 すぐ後ろから岸山さんの声が聞こえたけれど、それに応えるよりも一足早く、

 じゅうううぅぅぅぅぅ~~~~~っ!!!!! しゅいいいいぃっ!!!!!!!

と大きな音をパンツの中で響かせながらおしっこが噴き出し始めてしまった。
「あっ……あっ……、うあぁっ……」
 おしっこは私の声をかき消すほどの大きな音を立てながらしばらく出続けた。その途中で、私の前に並んでいた子がトイレに入っていくと、ものすごく大きなおしっこの音がトイレの中からも聞こえてきた。
 ーーあと、ちょっとだったのに……、あとちょっと我慢できてたら、前に並んでたあの子みたいに、トイレで気持ちよくおしっこできたのに……。
 こんなふうに、みんなに見られながら、お漏らしなんて、しなかったのに……。もう高校生なのに、入学式の1時間も我慢できずに、おしっこ漏らしちゃうなんて……。

 ◇ ◇ ◇ 

 結局私のお漏らしは1分くらい続いた。岸山さんが担任の先生を呼んできてくれて、私は先生に連れられて保健室に向かった。
「し、失礼……します……」
 高校生にもなってお漏らしで保健室に来ることの恥ずかしさに、私はまた泣きそうになった。
「あら、初めて見る顔ね。もしかして、高等部入学生?」
「あ、はい……」
 初めて見る保健室の先生は、私の頭を優しく撫でてくれた。
「大丈夫よ。この学校、高等部でもお漏らししちゃう子結構いるから。とりあえず、パンツびしょびしょでしょ? 着替えよっか」
 保健室の先生に手を引かれて、私が中学生だった時よりも広い保健室の奥の方、カーテンで仕切られた場所の中の1つに入れてもらって、保健室のパンツとジャージに着替えた。

 ◇ ◇ ◇ 

 翌日、教室に入ると、岸山さんが私のことを心配した様子で
「金子さん、昨日は大丈夫だった?」
と言った。
「うん……」
「金子さん?」
「……クラスの子たち、何か言ってなかった……?」
 私にとって、お漏らししちゃったことを周りで噂されてないかが一番の心配だった。
「大丈夫だよ。外部新入生の子たちはちょっとびっくりしてたみたいだけど、この学校、結構トイレ間に合わなくて失敗しちゃう子が多いから、そんなに気にしなくてもいいよ。……実はね、私も、中等部の3年生の時に、おしっこ漏らしちゃったことあるんだ……えへへ」
 岸山さんにそう言われて、私は少し安心した。
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