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授業中のお漏らしで友達ができた話 〜初等部5年 松下優奈と堀田みづきの場合〜(優奈視点)

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 5年生になって最初の授業の日。私は少し心配なことがあった。
 ──新しい友達、ちゃんとできるかな……。
 去年同じクラスで仲の良かった子たちとは別のクラスになっちゃって、今の私はクラスに話し相手すらいない状況だった。初等部も5年生となるともう仲良しグループはできあがっちゃってて、私にはそこに飛び込む勇気なんてない。
 普通の子なら休み時間に友達のいるクラスに行くとかして対処するんだろうけど、私には同じクラスに友達がいないといけない理由があった。
 ──トイレ、1人じゃ行けないんだよなぁ……。
 私は、1人でトイレに行けない。正確には行けないわけじゃないんだけど、おしっこしたくならないと休み時間にトイレに行くことを忘れちゃうのが、私の悩みだった。
 それに加えて、おしっこがしたくなってから出ちゃうまでに、他の子は授業1回分くらい我慢できる子もいるみたいだけれど、私は15分もしたらもうパンツにちびり始めちゃうくらい、おしっこがしたくなるのが遅くて、今までは友達がトイレに行くときに私も一緒におしっこを済ませることでお漏らしせずになんとかやってきた。……まあ友達が休んじゃった時とかトイレに一緒に行けなかった時にはお漏らししちゃったり、授業中にトイレに行かせてもらったりしたこともあったけれど。
 そういう理由で、私は早く一緒にトイレに行ける友達をクラスの中に作らないといけなかった。まあ自分で忘れずにトイレに行けるのが一番いいんだけどね。
 そんなことを考えていると、いつのまにか6時間目が始まる直前になっていた。席に戻ると、私の目の前の席に堀田さんが少し慌てて戻ってきた。
 ──そういえば、堀田さんって、いつも1人でいるような……話しかけてみたいけど……。
 堀田さんとは去年も同じクラスだったけれど、堀田さんは内気な子みたいで、いつも休み時間は1人で本を読んでる印象。去年はなんだか話しかけづらくて、そのまま1年経ってしまった。
 堀田さんは誰かの仲良しグループに入ってる様子はないし、新しく友達になれたらいいな。なんて思うけど、やっぱり話しかけにくいな……。
 そんなことを考えているうちに、6時間目の授業が始まった。

 ◇ ◇ ◇ 

 ──どうしよう……おしっこしたくなっちゃった……。
 授業が始まってまだ15分しか経ってないのに、私はもうおしっこがしたくなってしまった。普段の私なら、こんなに早くトイレに行きたくなっちゃったらもう授業が終わるまで我慢するのはきっと無理だ。でも、まだ授業は半分も過ぎてないし、今トイレに行きたいですなんて言ったらクラスの子におしっこ我慢できない子って思われちゃうかもしれない……。まあ、おしっこ我慢できない子っていうのは本当かもなんだけど。
 あと15分くらいしたら先生に言ってトイレに行かせてもらおうかな。なんて考えていると、ふと前の席の堀田さんが目に入った。
 ──もしかして、堀田さんもおしっこしたいのかな……?
 堀田さんは座ったまま内股になって太ももをぴったりと閉じ、片手でお股を押さえていた。椅子の背もたれの下から見える堀田さんのお尻はもぞもぞと絶え間なく動いてて、もう堀田さんはおしっこがしたくてたまらないのかなと思った。
 ──堀田さん、もしかして「トイレに行きたい」って先生に言えないタイプなのかな……?
 今すぐトイレに行かせてもらう選択をしなかったとはいえ、堀田さんみたいに押さえてないと漏れちゃいそうな状態だったら私なら授業が始まってすぐでもトイレに行かせてもらう。けれど、そういうことができない子もいることは知ってるし、なんなら授業中に「トイレに行きたい」と言えなくてお漏らししちゃった子も何回か見たことがある。もしかして堀田さんもそういう子なのかなと思いながら私もおしっこを我慢した。
 それから10分くらいが経って、私もお股を手で押さえないとおしっこが出ちゃいそうなくらいになった。そろそろトイレに行きたいって先生に言おうかな。言わなきゃもう授業が終わるまで我慢できないかもしれないし……。
 そんなことを考えてると、目の前でおしっこを我慢してた堀田さんの動きが突然ぴたりと止まった。
「んうっ……あぅ……」
 堀田さんが小さな声を漏らしちゃうのを見て、お尻の方に目線をずらすと、ぎゅううっと力の入ったお尻がぴくぴくと小さく動くのが見えた。
 ──もしかして、このままだと堀田さんお漏らししちゃうんじゃ……。
 そう思った私は、考えるよりも先に手を上げて先生に言った。
「先生、堀田さんが体調悪そうなので、保健室に連れて行ってあげてもいいですか?」
 先生は堀田さんの方を見て事情を分かってくれたみたいで、すぐにうなずいてくれた。堀田さんは驚いた様子だったけど、私が手を差し出すとすぐにその手を握ってくれた。
 堀田さんの膀胱を刺激しないように、そしてもちろん私の膀胱も刺激しないようにゆっくり教室を出て、近くのトイレに急ぐ。
「えっと、その、私……」
「分かってるよ。おしっこ漏れちゃいそうなんでしょ?」
「え、あ、うん……」
「私も、実はおしっこ我慢してて、だから、一緒に行こ?」
 そう言って、校舎の真ん中にあるトイレに急ぐ。堀田さんはもう限界を超えちゃってるみたいで、制服のグレーのスカートはお股の部分が濡れて黒くなってしまっていた。
 ──これで私もおしっこできる……。
 トイレに入ると、堀田さんのことに集中してて忘れていた私の尿意も一気に戻ってきた。堀田さんと一緒にトイレでいっぱいおしっこできる。そう思っていた。
 けれど、前を歩いていた堀田さんはトイレの個室の目の前で立ち止まってしまった。
「あっあっ、だめっ、だめぇっ!!」
 ……堀田さんの膀胱はあと少しのところで耐えられなかったらしい。堀田さんはそのまま個室の目の前で女の子座りの姿勢でおしっこを漏らしてしまった。
 ──うううっ……堀田さんのおしっこの音、私も漏れちゃいそうになっちゃう……。
 しゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ、と目の前からおしっこの音が、それこそ自分が漏らしちゃったんじゃないかという場所からして、私の尿意も一気にクライマックスに近づく。けれど、足元でスカートをぐしょぐしょに濡らしながら床におしっこの大きな水たまりを広げる堀田さんの目の前でトイレに入る勇気は、私にはあるはずもなかった。
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