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第1章 真逆なふたりの共通点
第1話(理沙視点)
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「いいんちょー、まだ帰らないの?」
新学期が始まってすぐのある日の放課後。私がクラス委員長の仕事をしていると、教室の入り口の方からよく知った声が聞こえた。
「あら、沙耶香さん。沙耶香さんこそ、部活はいいのですか?」
「今日はミーティングだけだったから、もう終わったよ~。いいんちょーは、まだやることある感じ?」
「はい。明日の朝配る分のプリントが多いので、配りやすいように先に分けておこうかと」
「おっけー、それじゃ、あたしも手伝う!」
そう言って、沙耶香さんは私の隣の席──というよりも、隣の机に腰を下ろして、私の机の上のプリントの束を手に取りました。
「沙耶香さん、机の上に座るなんて、行儀が悪いですよ」
ちょっぴりやんちゃなところのある沙耶香さんに、つい私は少し注意をします。
「え~? あたしの席なんだし、別に良くない? それに、こっちの方があたしはやりやすいし~」
そう言って、沙耶香さんは机に座ったまま作業を続けます。
「……仕方ないですね。沙耶香さん以外の机にはそんなことしてはいけませんよ」
「分かってるって~。あたしだって、ちゃんといいんちょーみたいに考えてるんだよ?」
沙耶香さんにそう言い返されてしまい、私は何も言えなくなってしまいました。
それからしばらく時間がたって、作業がほとんど終わった頃。
「そういえば、お昼休みに友達から、あたしといいんちょーが一緒にいるのが意外って言われたんだけど、そんなにあたしといいんちょーって全然違うのかな?」
沙耶香さんが、突然そんなことを言い出しました。
「確かに、性格の面では私たちって、真逆かもしれませんね」
委員長気質な私と、ちょっぴりギャルっぽいところがある沙耶香さん。端から見れば、私と沙耶香さんは真逆の性格で、まったく違う私たちが仲良くしているのは、確かに少し意外かもしれません。
ですが、私と沙耶香さんには、周りには知られたくない、秘密の共通点があるのです。
「よし! これで全部おしまいっ!」
沙耶香さんがそう言って、最後のプリントの束を机の上に置きました。
「それじゃあ、帰りましょうか」
「その前に、トイレ行かない? あたし、けっこー前から我慢してて、そろそろやばい……」
教室を出ようとしたところで、沙耶香さんがもじもじとお手洗いを我慢する仕草を見せながらそう言いました。
「実は、私も我慢してたの」
「あっ、やっぱり?」
そんなことを話しながら、教室と昇降口の間にあるお手洗いに向かい、隣同士の個室に入ります。沙耶香さんの入った個室から小さな水の音がし始めて、私も下半身の力を抜くと、ちょろちょろとおしっこが出始めました。
少し時間がたって、私と沙耶香さんは同じ電車に乗っていました。他愛もない話をしながら、あと1駅で沙耶香さんが電車を乗り換える駅というところまで来たそのときです。
「あれ? 電車、止まっちゃったね」
「……そうですね」
沙耶香さんはなんともないようでしたが、私は少し不安を抱えながら、電車が動き出すのを待ちました。
それから30分ほどが経ち、電車に閉じ込められたままの私は、不安が的中してしまい、少し焦っていました。そして、沙耶香さんも同じように私の不安が当たってしまっているようで、少し前から黙って下半身を気にする仕草をずっと見せています。
「ね、ねえ、いいんちょー……」
沙耶香さんが恥ずかしそうに顔を赤くしながら、私に話しかけてきました。
「な、何……?」
「……あたし、またおしっこしたくなっちゃった……」
顔を真っ赤にしながら、内股になって人目をはばからずに前押さえをする沙耶香さんの姿に、私の尿意も一気に強まります。
「実は、私もまた我慢してるの……」
そろそろ我慢が利かなくなりそうになり、私も沙耶香さんに尿意を打ち明けました。
学校を出る前にお手洗いに行ってから、まだ1時間も経っていません。それでも、私の尿意は相当切羽詰まっています。目の前で顔を真っ赤にしている沙耶香さんも、きっと私と同様かそれ以上に切羽詰まってしまっているのでしょう。
私と沙耶香さんの、秘密の共通点。それは、お手洗いが近いということです。他の誰にもばれたくない秘密を共有しているからこそ、私と沙耶香さんは真逆の性格であるにも関わらず仲が良いのです。
私と沙耶香さんは、周りの目線を気にする余裕もないまま、お手洗いに行きたいのを我慢し続けました。
そして、10分ほどが経った頃、ゆっくりと電車が動き始めました。
「さ、沙耶香さん、あと少し、ですよ……っ」
「い、いいんちょーこそ、もうちょっと、だから……っ」
お互いに励まし合いながら、電車が駅に着くのを待ちました。
そして、駅に電車が到着すると、
「あ、あたしっ、もうほんとに限界っ! もう、マジでぼーこーぱんっぱん!」
と大きな声を上げながら沙耶香さんがお手洗いに駆け込んでいき、私もそれに続いてお手洗いに駆け込みました。
「あっあっ、で、出る出る出るぅっ!」
隣の個室から、切羽詰まった沙耶香さんの声が聞こえ、その直後に勢いのいい水音が響きました。私も慌てて下着を下ろし、真っ白な便器のなかに我慢したおしっこを解き放ちました。とは言っても、あまり我慢が利かない体質の私のおしっこは、沙耶香さんに比べて量も勢いもあまりありません。沙耶香さんはまた違うタイプの頻尿であると分かっていても、少し羨ましいです。
なんとかお手洗いに間に合い、すっきりすることができた。その事実に、私はすっかり安堵しました。
「うぅ~、ちょっと間に合わずにフライングしちゃった……パンツ濡れてて気持ち悪い……」
私から少し遅れてお手洗いから出てきた沙耶香さんが、股の辺りを気にする様子でそう言いました。
「でも、電車のなかで失敗してしまうよりは、良かったじゃないですか」
「それはそうだけど……うぅ、せっかくお気に入りのパンツだったのに汚しちゃった……」
「それなら、今度一緒に買いに行きませんか? ……その、私も、上の方がきつくなってしまったので……」
普段は沙耶香さんに誘われてばっかりですが、すっかり落ち込んでしまった沙耶香さんを慰めるために、お出掛けに誘ってみます。
「え、いいの! いいんちょーと一緒にお出掛けするのは、いつでも楽しみ!」
すっかり沙耶香さんの機嫌は直ったようで、いつもの明るい沙耶香さんに戻りました。
「そういえば、あたしはここで乗り換えだけど、いいんちょーは違うよね? 早く帰らなきゃじゃないの?」
「そ、それは……私も、我慢できなかったから……」
そんな会話を少ししてから、沙耶香さんを見送って私も再び家路に就きました。
新学期が始まってすぐのある日の放課後。私がクラス委員長の仕事をしていると、教室の入り口の方からよく知った声が聞こえた。
「あら、沙耶香さん。沙耶香さんこそ、部活はいいのですか?」
「今日はミーティングだけだったから、もう終わったよ~。いいんちょーは、まだやることある感じ?」
「はい。明日の朝配る分のプリントが多いので、配りやすいように先に分けておこうかと」
「おっけー、それじゃ、あたしも手伝う!」
そう言って、沙耶香さんは私の隣の席──というよりも、隣の机に腰を下ろして、私の机の上のプリントの束を手に取りました。
「沙耶香さん、机の上に座るなんて、行儀が悪いですよ」
ちょっぴりやんちゃなところのある沙耶香さんに、つい私は少し注意をします。
「え~? あたしの席なんだし、別に良くない? それに、こっちの方があたしはやりやすいし~」
そう言って、沙耶香さんは机に座ったまま作業を続けます。
「……仕方ないですね。沙耶香さん以外の机にはそんなことしてはいけませんよ」
「分かってるって~。あたしだって、ちゃんといいんちょーみたいに考えてるんだよ?」
沙耶香さんにそう言い返されてしまい、私は何も言えなくなってしまいました。
それからしばらく時間がたって、作業がほとんど終わった頃。
「そういえば、お昼休みに友達から、あたしといいんちょーが一緒にいるのが意外って言われたんだけど、そんなにあたしといいんちょーって全然違うのかな?」
沙耶香さんが、突然そんなことを言い出しました。
「確かに、性格の面では私たちって、真逆かもしれませんね」
委員長気質な私と、ちょっぴりギャルっぽいところがある沙耶香さん。端から見れば、私と沙耶香さんは真逆の性格で、まったく違う私たちが仲良くしているのは、確かに少し意外かもしれません。
ですが、私と沙耶香さんには、周りには知られたくない、秘密の共通点があるのです。
「よし! これで全部おしまいっ!」
沙耶香さんがそう言って、最後のプリントの束を机の上に置きました。
「それじゃあ、帰りましょうか」
「その前に、トイレ行かない? あたし、けっこー前から我慢してて、そろそろやばい……」
教室を出ようとしたところで、沙耶香さんがもじもじとお手洗いを我慢する仕草を見せながらそう言いました。
「実は、私も我慢してたの」
「あっ、やっぱり?」
そんなことを話しながら、教室と昇降口の間にあるお手洗いに向かい、隣同士の個室に入ります。沙耶香さんの入った個室から小さな水の音がし始めて、私も下半身の力を抜くと、ちょろちょろとおしっこが出始めました。
少し時間がたって、私と沙耶香さんは同じ電車に乗っていました。他愛もない話をしながら、あと1駅で沙耶香さんが電車を乗り換える駅というところまで来たそのときです。
「あれ? 電車、止まっちゃったね」
「……そうですね」
沙耶香さんはなんともないようでしたが、私は少し不安を抱えながら、電車が動き出すのを待ちました。
それから30分ほどが経ち、電車に閉じ込められたままの私は、不安が的中してしまい、少し焦っていました。そして、沙耶香さんも同じように私の不安が当たってしまっているようで、少し前から黙って下半身を気にする仕草をずっと見せています。
「ね、ねえ、いいんちょー……」
沙耶香さんが恥ずかしそうに顔を赤くしながら、私に話しかけてきました。
「な、何……?」
「……あたし、またおしっこしたくなっちゃった……」
顔を真っ赤にしながら、内股になって人目をはばからずに前押さえをする沙耶香さんの姿に、私の尿意も一気に強まります。
「実は、私もまた我慢してるの……」
そろそろ我慢が利かなくなりそうになり、私も沙耶香さんに尿意を打ち明けました。
学校を出る前にお手洗いに行ってから、まだ1時間も経っていません。それでも、私の尿意は相当切羽詰まっています。目の前で顔を真っ赤にしている沙耶香さんも、きっと私と同様かそれ以上に切羽詰まってしまっているのでしょう。
私と沙耶香さんの、秘密の共通点。それは、お手洗いが近いということです。他の誰にもばれたくない秘密を共有しているからこそ、私と沙耶香さんは真逆の性格であるにも関わらず仲が良いのです。
私と沙耶香さんは、周りの目線を気にする余裕もないまま、お手洗いに行きたいのを我慢し続けました。
そして、10分ほどが経った頃、ゆっくりと電車が動き始めました。
「さ、沙耶香さん、あと少し、ですよ……っ」
「い、いいんちょーこそ、もうちょっと、だから……っ」
お互いに励まし合いながら、電車が駅に着くのを待ちました。
そして、駅に電車が到着すると、
「あ、あたしっ、もうほんとに限界っ! もう、マジでぼーこーぱんっぱん!」
と大きな声を上げながら沙耶香さんがお手洗いに駆け込んでいき、私もそれに続いてお手洗いに駆け込みました。
「あっあっ、で、出る出る出るぅっ!」
隣の個室から、切羽詰まった沙耶香さんの声が聞こえ、その直後に勢いのいい水音が響きました。私も慌てて下着を下ろし、真っ白な便器のなかに我慢したおしっこを解き放ちました。とは言っても、あまり我慢が利かない体質の私のおしっこは、沙耶香さんに比べて量も勢いもあまりありません。沙耶香さんはまた違うタイプの頻尿であると分かっていても、少し羨ましいです。
なんとかお手洗いに間に合い、すっきりすることができた。その事実に、私はすっかり安堵しました。
「うぅ~、ちょっと間に合わずにフライングしちゃった……パンツ濡れてて気持ち悪い……」
私から少し遅れてお手洗いから出てきた沙耶香さんが、股の辺りを気にする様子でそう言いました。
「でも、電車のなかで失敗してしまうよりは、良かったじゃないですか」
「それはそうだけど……うぅ、せっかくお気に入りのパンツだったのに汚しちゃった……」
「それなら、今度一緒に買いに行きませんか? ……その、私も、上の方がきつくなってしまったので……」
普段は沙耶香さんに誘われてばっかりですが、すっかり落ち込んでしまった沙耶香さんを慰めるために、お出掛けに誘ってみます。
「え、いいの! いいんちょーと一緒にお出掛けするのは、いつでも楽しみ!」
すっかり沙耶香さんの機嫌は直ったようで、いつもの明るい沙耶香さんに戻りました。
「そういえば、あたしはここで乗り換えだけど、いいんちょーは違うよね? 早く帰らなきゃじゃないの?」
「そ、それは……私も、我慢できなかったから……」
そんな会話を少ししてから、沙耶香さんを見送って私も再び家路に就きました。
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