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虐待を受ける少女とゾンビのような少年の話 3
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夜中のベンチでアッシュと話をしていると、アッシュから眠らせてあげようかと言われた。
どういうことかと思ってアッシュの顔を見ると、アッシュはマジメな顔でこちらを見ていた。
「眠れないんでしょ?それなら眠らせてもいいけど。」
「いや、言ってることはわかるけど。どうやって眠らせるの。」
なにか変な薬でも持っているのだろうか。もしくは眠りやすいクッションでも持っているとか。
考えていると、アッシュがベンチから立ち上がって私の前に近づいてきた。
「僕は催眠魔法が使えるから、魔法を使えばすぐに眠れるよ。」
「魔法?それで眠れるの?」
「うん。僕はいつも自分に催眠魔法をかけて寝てるからね。」
「そ、そうなんだ。」
あやしい話だ。けれど、たしかにアッシュはいつも催眠魔法の本を持ち歩いているし、それで催眠魔法を覚えたのかもしれない。
「それって危なくないの?」
「別に危なくないけど。」
「ほんとに~?」
アッシュが大丈夫でも私が大丈夫かはわからないし、人から自分に魔法をかけられるなんて怖い。疑いの目をアッシュに向ける。
「まぁ、無理にやらなくてもいいと思うけど。」
「ちょっと待ってよ。」
アッシュはすぐに話をやめようとする。なんでそんなに諦めが早いのか。
「その魔法って本当に危なくないの?」
「さぁ?けど練習してるし、他の人に使ったこともあるよ。」
アッシュの返事ははっきりしたものではなかった。けれど自信がありそうな口調だ。
「そうなんだ。じゃあ、安心なのかなぁ。けど、一日くらいなら寝なくても大丈夫かも。」
今までも夜遅くまで起きていることはあったし、魔法で眠るよりは、1日寝ないくらい大丈夫な気もする。
「眠るのは大事にした方がいいよ。」
「え?」
突然、アッシュの声色が変わった。
「人間は何のために生きてるか知ってる?」
「えっと。」
一体なんの話を始めたのだろうか。そう思ったが、アッシュは熱のこもった声で話はじめた。
「人間は眠るために生きているんだ。安心して静かに眠るために人間は生きてるんだよ。」
「だって、眠れなかったら人間は死んじゃうんだ。なのになんでみんな眠ることに無頓着なんだろう。食べることとか他のことには熱心なのに、だって、動物だって魔物だって魚だって眠るんだよ?それぐらい眠ることは大切なんだ。」
「アンリは今、眠れなくてストレスを感じてるでしょう?1日眠ることができないだけでも、生物にはすごい負担がかかるんだよ。それが何日も続いたらどうなっちゃうと思う?ひどいことになるでしょう?それぐらい眠ることは大切なんだよ。だから1日眠らないくらい大丈夫なんて考えちゃダメなんだよ。」
「そ、そっか。ごめん。」
アッシュのあまりの熱意になぜか謝ってしまった。今のところ眠れないことにストレスを感じていたわけではないけれど。
「うん。」
アッシュは熱く語ったことが恥ずかしくなったのか、気まずそうな顔をして目線を下げた。
「だから、眠れないなら、魔法をつかってもいいけど。」
そしてたどたどしく言ってくる。
ここまで言われると眠ったほうがいい気がしてくる。アッシュに悪気もなさそうだし、すごい熱意を感じるし。
「じゃ、じゃあ試しにやってみてもらおうかな。」
おそるおそる言うと、アッシュはゆっくりと腕を上げて、手のひらを広げて私の目の前にかざすようにした。
「そうしたら、アンリはいつまで眠りたい?朝まででいい?」
「えっと、うん。それで。」
眠る時間も選べるのだろうか。けど変な時間に目が覚めても困るし、朝までの方がいいだろうか。
「じゃあやるよ?」
なんとなくアッシュが手のひらに力を込めたような気がする。
(あれ、よく考えると魔法で眠ってたらその間、何をされてもわからないかもしれない。)
そう考えたらぞっとする。
「ねぇ……」
思わず声を出そうとしたけれど、すでに私の意識は闇の中に落ちていた。
どういうことかと思ってアッシュの顔を見ると、アッシュはマジメな顔でこちらを見ていた。
「眠れないんでしょ?それなら眠らせてもいいけど。」
「いや、言ってることはわかるけど。どうやって眠らせるの。」
なにか変な薬でも持っているのだろうか。もしくは眠りやすいクッションでも持っているとか。
考えていると、アッシュがベンチから立ち上がって私の前に近づいてきた。
「僕は催眠魔法が使えるから、魔法を使えばすぐに眠れるよ。」
「魔法?それで眠れるの?」
「うん。僕はいつも自分に催眠魔法をかけて寝てるからね。」
「そ、そうなんだ。」
あやしい話だ。けれど、たしかにアッシュはいつも催眠魔法の本を持ち歩いているし、それで催眠魔法を覚えたのかもしれない。
「それって危なくないの?」
「別に危なくないけど。」
「ほんとに~?」
アッシュが大丈夫でも私が大丈夫かはわからないし、人から自分に魔法をかけられるなんて怖い。疑いの目をアッシュに向ける。
「まぁ、無理にやらなくてもいいと思うけど。」
「ちょっと待ってよ。」
アッシュはすぐに話をやめようとする。なんでそんなに諦めが早いのか。
「その魔法って本当に危なくないの?」
「さぁ?けど練習してるし、他の人に使ったこともあるよ。」
アッシュの返事ははっきりしたものではなかった。けれど自信がありそうな口調だ。
「そうなんだ。じゃあ、安心なのかなぁ。けど、一日くらいなら寝なくても大丈夫かも。」
今までも夜遅くまで起きていることはあったし、魔法で眠るよりは、1日寝ないくらい大丈夫な気もする。
「眠るのは大事にした方がいいよ。」
「え?」
突然、アッシュの声色が変わった。
「人間は何のために生きてるか知ってる?」
「えっと。」
一体なんの話を始めたのだろうか。そう思ったが、アッシュは熱のこもった声で話はじめた。
「人間は眠るために生きているんだ。安心して静かに眠るために人間は生きてるんだよ。」
「だって、眠れなかったら人間は死んじゃうんだ。なのになんでみんな眠ることに無頓着なんだろう。食べることとか他のことには熱心なのに、だって、動物だって魔物だって魚だって眠るんだよ?それぐらい眠ることは大切なんだ。」
「アンリは今、眠れなくてストレスを感じてるでしょう?1日眠ることができないだけでも、生物にはすごい負担がかかるんだよ。それが何日も続いたらどうなっちゃうと思う?ひどいことになるでしょう?それぐらい眠ることは大切なんだよ。だから1日眠らないくらい大丈夫なんて考えちゃダメなんだよ。」
「そ、そっか。ごめん。」
アッシュのあまりの熱意になぜか謝ってしまった。今のところ眠れないことにストレスを感じていたわけではないけれど。
「うん。」
アッシュは熱く語ったことが恥ずかしくなったのか、気まずそうな顔をして目線を下げた。
「だから、眠れないなら、魔法をつかってもいいけど。」
そしてたどたどしく言ってくる。
ここまで言われると眠ったほうがいい気がしてくる。アッシュに悪気もなさそうだし、すごい熱意を感じるし。
「じゃ、じゃあ試しにやってみてもらおうかな。」
おそるおそる言うと、アッシュはゆっくりと腕を上げて、手のひらを広げて私の目の前にかざすようにした。
「そうしたら、アンリはいつまで眠りたい?朝まででいい?」
「えっと、うん。それで。」
眠る時間も選べるのだろうか。けど変な時間に目が覚めても困るし、朝までの方がいいだろうか。
「じゃあやるよ?」
なんとなくアッシュが手のひらに力を込めたような気がする。
(あれ、よく考えると魔法で眠ってたらその間、何をされてもわからないかもしれない。)
そう考えたらぞっとする。
「ねぇ……」
思わず声を出そうとしたけれど、すでに私の意識は闇の中に落ちていた。
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