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学園編~五学年~
3 授業の再開
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◇
「今日から最後の学園生活が始まるが、お前らには_」
「はい!先生!」
先生の言葉を遮るように手を上げた生徒はとても明るい表情を浮かべ目を輝かせていた。
流石にそんな表情をされては言葉を遮られた先生も何も言えず続きを促した。
気分を害するほどではない様子だったが、先生はわざとらしく一度息を大きく吐き出していたが。
「…どうしたんだ?ベジェリノ」
「はい!聖女様が召喚されたと聞きましたが、今年から校外授業が許可されることになるのでしょうか!?」
「……は」
ベジェリノの言葉に先生は目を大きく見開いて固まった。
そして私がレロサーナに聞いた様に、貴族が多いこのクラスでは知っている者がいたが、やはり知らなかった者がいて、ざわざわとざわめく声が聞こえてくる。
ちなみによく耳を澄ませると、それはマルコやキア、サーたちの声が良く聞こえる為、やっぱり平民には情報が降りてきづらいのねと私は思った。
「はぁ…お前はどこからそういう情報を……。
期待しているところ悪いが、まだ許可は下りていない」
「ええ!?」
「どうしてですか!?」
ベジェリノの戸惑いの声に同調するかのように他の生徒も理由を尋ねる。
聖女が召喚されたということは、瘴気の魔物に対抗できる術を持ったということ。
だからこそ、今まで対応できない状態に陥った場合に備えて中止されていた学園外での校外授業が再開されないことに疑問を持っているのだろう。
しかも先生も聖女が召喚されたことに関しては、否定してないから余計にざわめきが大きくなる。
「まず第一に、お前らの安全を学園が保障できないからだ」
「でも聖女様は召喚されたんですよね?」
その言葉に先生は一瞬言葉を詰まらせた後、一つ咳払いして頷いた。
「……そうだ」
「なら!」
「第二に、聖女様は召喚されてばかりでこの世界にも自身の力にも不慣れでいらっしゃる。
その為に慣れてもらう必要があるんだ」
「でも瘴気の魔物の目撃情報は結構増えてきていると聞きましたよ!そんな流暢に構えている時間が…」
「それは聖女様の都合を無視しているような発言に思えるが…」
「そ、それは…」
言い淀む生徒に先生は大きく息を吐き出した。
「……確かにわが国には瘴気の魔物の目撃情報が増えてきた。それに対して現状は聖女様の子孫の方々が作る聖水で対処している状態だ。
召喚に応じてくれた聖女様に一刻も早く助太刀してもらいたい気持ちがわかるが、それは俺たち側の都合なんだよ。
聖女様にとっては初めての環境のうえに、いきなり力を貸してくださいとお願いされているんだからな」
先生のこの言葉で騒めいていた人たちは口を閉ざし、教室内に沈黙が生まれる。
だけど先生の言うことだってもっともだし、ベジェリノがいいたい気持ちもわかる。
(難しい問題だよね……)
もっとも、一人の人間に無理を押し付けるのもどうかと思うが。
それでも先生の告げた通り、聖女目線で寄り添う姿勢をみせていることは無理を押し付けているわけではないから、校外授業が再開されないのは残念だけど、よかったとも思った。
そして次の日。
「よし!今日からは校外授業がスタートするぞ!」
昨日の発言はなんだったのかと声を大にして言いたくなるほど、昨日とは真逆な先生の言葉に私達生徒は言葉を失ったのである。
「今日から待ちに待った学園外での授業だぞ!みんな嬉しいだろ?」
教室内に音が響くくらいに手のひら同士を合わせ大きく叩き、嬉しそうに笑顔を振りまく先生だったが、私達生徒は先生の言葉に唖然とした。
昨日の言葉はなんだったのか。
召喚されたばかりの聖女の立場を考えろといって、学園外での校外授業の再開を願う生徒の口を閉ざしたのは先生なのに。と私達は口をぽかんと開けるしかなかった。
そんな私達を見て先生は何故か嬉しそうな顔をする。
「うんうん!皆も喜びのあまり言葉も出ないようだな!」
それは違う。
昨日とは打って変わった先生に言葉も出ないだけである。
だけど先生には私達の気持ちなんて伝わっていないのか、いつも通り生徒全員を移動させた。
「今日から最後の学園生活が始まるが、お前らには_」
「はい!先生!」
先生の言葉を遮るように手を上げた生徒はとても明るい表情を浮かべ目を輝かせていた。
流石にそんな表情をされては言葉を遮られた先生も何も言えず続きを促した。
気分を害するほどではない様子だったが、先生はわざとらしく一度息を大きく吐き出していたが。
「…どうしたんだ?ベジェリノ」
「はい!聖女様が召喚されたと聞きましたが、今年から校外授業が許可されることになるのでしょうか!?」
「……は」
ベジェリノの言葉に先生は目を大きく見開いて固まった。
そして私がレロサーナに聞いた様に、貴族が多いこのクラスでは知っている者がいたが、やはり知らなかった者がいて、ざわざわとざわめく声が聞こえてくる。
ちなみによく耳を澄ませると、それはマルコやキア、サーたちの声が良く聞こえる為、やっぱり平民には情報が降りてきづらいのねと私は思った。
「はぁ…お前はどこからそういう情報を……。
期待しているところ悪いが、まだ許可は下りていない」
「ええ!?」
「どうしてですか!?」
ベジェリノの戸惑いの声に同調するかのように他の生徒も理由を尋ねる。
聖女が召喚されたということは、瘴気の魔物に対抗できる術を持ったということ。
だからこそ、今まで対応できない状態に陥った場合に備えて中止されていた学園外での校外授業が再開されないことに疑問を持っているのだろう。
しかも先生も聖女が召喚されたことに関しては、否定してないから余計にざわめきが大きくなる。
「まず第一に、お前らの安全を学園が保障できないからだ」
「でも聖女様は召喚されたんですよね?」
その言葉に先生は一瞬言葉を詰まらせた後、一つ咳払いして頷いた。
「……そうだ」
「なら!」
「第二に、聖女様は召喚されてばかりでこの世界にも自身の力にも不慣れでいらっしゃる。
その為に慣れてもらう必要があるんだ」
「でも瘴気の魔物の目撃情報は結構増えてきていると聞きましたよ!そんな流暢に構えている時間が…」
「それは聖女様の都合を無視しているような発言に思えるが…」
「そ、それは…」
言い淀む生徒に先生は大きく息を吐き出した。
「……確かにわが国には瘴気の魔物の目撃情報が増えてきた。それに対して現状は聖女様の子孫の方々が作る聖水で対処している状態だ。
召喚に応じてくれた聖女様に一刻も早く助太刀してもらいたい気持ちがわかるが、それは俺たち側の都合なんだよ。
聖女様にとっては初めての環境のうえに、いきなり力を貸してくださいとお願いされているんだからな」
先生のこの言葉で騒めいていた人たちは口を閉ざし、教室内に沈黙が生まれる。
だけど先生の言うことだってもっともだし、ベジェリノがいいたい気持ちもわかる。
(難しい問題だよね……)
もっとも、一人の人間に無理を押し付けるのもどうかと思うが。
それでも先生の告げた通り、聖女目線で寄り添う姿勢をみせていることは無理を押し付けているわけではないから、校外授業が再開されないのは残念だけど、よかったとも思った。
そして次の日。
「よし!今日からは校外授業がスタートするぞ!」
昨日の発言はなんだったのかと声を大にして言いたくなるほど、昨日とは真逆な先生の言葉に私達生徒は言葉を失ったのである。
「今日から待ちに待った学園外での授業だぞ!みんな嬉しいだろ?」
教室内に音が響くくらいに手のひら同士を合わせ大きく叩き、嬉しそうに笑顔を振りまく先生だったが、私達生徒は先生の言葉に唖然とした。
昨日の言葉はなんだったのか。
召喚されたばかりの聖女の立場を考えろといって、学園外での校外授業の再開を願う生徒の口を閉ざしたのは先生なのに。と私達は口をぽかんと開けるしかなかった。
そんな私達を見て先生は何故か嬉しそうな顔をする。
「うんうん!皆も喜びのあまり言葉も出ないようだな!」
それは違う。
昨日とは打って変わった先生に言葉も出ないだけである。
だけど先生には私達の気持ちなんて伝わっていないのか、いつも通り生徒全員を移動させた。
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