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学園編~一学年~
4 寮②
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私は部屋の鍵を持って部屋を出た。
教材を渡されただけで終えた初日の学園はお昼前には終わり、そこから昼食を食べずに夢中で荷解きをしていたから、終えた時にはお腹がぐーぐーなって仕方がなかった。
食堂までを歩く間このお腹が静まることはなかったが、夕方ということもあって晩御飯を求める生徒は少なく、幸いにも廊下に出ている人がいなかった為私のお腹の虫を聞かれることはなかった。
ちなみに荷解き中更に一部屋設けられていることを知った私は思わず「無駄!!!」と声をあげてしまった。
だって本当に無駄だと思ったからだ。
ただでさえ一人部屋なのに、更にもう一部屋設けられても平民の私には何に使用して良いのかわからないのである。
ちなみにこの部屋の使い道はまだ思いつかないので、何も置いていない。
実家から持ってきた私物だって少ない方だと思うから、置く物もないのが理由だ。
学園の中にあった食堂は全生徒が利用できるようにとても広いスペースが設けられているらしいが、寮の中にある食堂は一学年だけの利用だから学園の食堂よりも小さいということを学園入学前に届けられていた書類で私は読んだ記憶がある。
だからその書類を読んだ時には「ふーん」としか思わなかったのだが、実際に目にすると思いっきり広かった。
寮でこれなら学園の食堂はいったいどれほどの規模なのだろうか。
大きさを確かめるにも私はメジャーを持っていないし、例え持っていたとしても長さが足りないだろう。
だから実際の広さを伝えることはできないけれど、でもお母さんが働いている居酒屋よりも広いということは言っておこう。
ちなみにいうと一学年に入学する生徒数は多くない。
魔法科には私が通うAクラスの他にあと二クラスがあり、騎士科は一クラスだと聞いている。
他のクラスの人数まではその年によって変動があるらしいが、Aクラスは十六人が在籍していた。
全てのクラスが同じ人数ではないと思うが、Aクラスと同じ人数だと仮定して考えても、一学年だけでも約八十人近くいるということになる。
(…あ、でもそれならこの広さの食堂になるのは当然か)
生徒が一斉に食堂に行くことはないと思うが、そうなった場合小さい食堂だと必ず待つ人が出てきてしまう。
そんなことを考えながら一人で納得していると、同じく荷解きを終えた平民組がやってきた。
マルコとサーとキアの三人だ。
「よお、サラも荷解き終えたんだな」
「うん。大した量送ってないからね」
それでも昼食も食べずに作業して夕方まで時間がかかったんだから、きっと貴族の女の子たちはもっと大変だろう。
教室にもかさばりそうな豪華なドレスを着てきていたから、かなりの量の荷物を送り、そして必死に片づけているに違いない。
それを裏付けているように、女子の姿が全く見えないのだ。
私以外。
(ということは、他のクラスにも私と同じ女子の平民はいないってこと?)
思わずそんな考えが頭に浮かんだけれど、私は私を呼びかけるマルコたちの声で考えることをやめた。
ちなみに後で知ったけれど、一部屋設けられているあの部屋は学園に連れてきた従者やメイドが暮らす部屋らしい。
あ~、ご貴族様仕様の部屋なのね。と平民の私には想像もつかなかったわと後で知った時思った。
だから部屋を片付けるのは従者の仕事だったし、すぐ食堂に来なかったのは、入学して疲れていたのか食堂を使わずに部屋で食べていたという。
いいご身分だわ。
……あ、実際に貴族たちはいい身分だった。
「サラ、食わねーのか?」
「食べるよ!」
もう並び始めているマルコ達に駆け寄り、私も列に並ぶ。
ちなみに食堂も基本無料で利用できるけれど、全てが無料なわけではない。
バランスの取れた料理以外の、…例えば少し豪華なステーキや、スイーツ等の娯楽のためのメニューは有料なのだ。
当然私達が並ぶのは、無料の栄養バランスを考えてくれた料理一択。
それでも平民の私にとってはとても豪華なメニューだ。
夕食は何が出るんだろうと、楽しみながら自分の番になるのを大人しく待っていると、教室では見かけなかった生徒もチラホラと見えたことに気付く。
女子は当然のようにいなかったが、マルコたちよりも鍛えられている身体をみると、きっとあれが騎士科に志望した子たちなのだと私は思った。
ぐー
と忘れていると思ったのか、お腹が激しく音を奏で主張した時、私はマルコ達の視線を感じると共に口を開いた。
「ゆ、夕食のメニューはなんだろうね!!私の町だと魚は干したものしかなかったから、お魚があると嬉しいな!
あ!そういえばお刺身っていうメニューはあるのかな!ギルマスも絶品してたから私も食べてみたいと思うんだけど、きっと有料だよね!」
「……サラ」
「え?なに?」
「待ち時間そんなに変わらないと思うけど、…俺たちの前に並ぶか?」
憐れむような眼差しでマルコがいい、キアとサーが苦笑しながらも頷いた。
私が言う言葉は勿論こうだ。
「いらないわよ!!」
教材を渡されただけで終えた初日の学園はお昼前には終わり、そこから昼食を食べずに夢中で荷解きをしていたから、終えた時にはお腹がぐーぐーなって仕方がなかった。
食堂までを歩く間このお腹が静まることはなかったが、夕方ということもあって晩御飯を求める生徒は少なく、幸いにも廊下に出ている人がいなかった為私のお腹の虫を聞かれることはなかった。
ちなみに荷解き中更に一部屋設けられていることを知った私は思わず「無駄!!!」と声をあげてしまった。
だって本当に無駄だと思ったからだ。
ただでさえ一人部屋なのに、更にもう一部屋設けられても平民の私には何に使用して良いのかわからないのである。
ちなみにこの部屋の使い道はまだ思いつかないので、何も置いていない。
実家から持ってきた私物だって少ない方だと思うから、置く物もないのが理由だ。
学園の中にあった食堂は全生徒が利用できるようにとても広いスペースが設けられているらしいが、寮の中にある食堂は一学年だけの利用だから学園の食堂よりも小さいということを学園入学前に届けられていた書類で私は読んだ記憶がある。
だからその書類を読んだ時には「ふーん」としか思わなかったのだが、実際に目にすると思いっきり広かった。
寮でこれなら学園の食堂はいったいどれほどの規模なのだろうか。
大きさを確かめるにも私はメジャーを持っていないし、例え持っていたとしても長さが足りないだろう。
だから実際の広さを伝えることはできないけれど、でもお母さんが働いている居酒屋よりも広いということは言っておこう。
ちなみにいうと一学年に入学する生徒数は多くない。
魔法科には私が通うAクラスの他にあと二クラスがあり、騎士科は一クラスだと聞いている。
他のクラスの人数まではその年によって変動があるらしいが、Aクラスは十六人が在籍していた。
全てのクラスが同じ人数ではないと思うが、Aクラスと同じ人数だと仮定して考えても、一学年だけでも約八十人近くいるということになる。
(…あ、でもそれならこの広さの食堂になるのは当然か)
生徒が一斉に食堂に行くことはないと思うが、そうなった場合小さい食堂だと必ず待つ人が出てきてしまう。
そんなことを考えながら一人で納得していると、同じく荷解きを終えた平民組がやってきた。
マルコとサーとキアの三人だ。
「よお、サラも荷解き終えたんだな」
「うん。大した量送ってないからね」
それでも昼食も食べずに作業して夕方まで時間がかかったんだから、きっと貴族の女の子たちはもっと大変だろう。
教室にもかさばりそうな豪華なドレスを着てきていたから、かなりの量の荷物を送り、そして必死に片づけているに違いない。
それを裏付けているように、女子の姿が全く見えないのだ。
私以外。
(ということは、他のクラスにも私と同じ女子の平民はいないってこと?)
思わずそんな考えが頭に浮かんだけれど、私は私を呼びかけるマルコたちの声で考えることをやめた。
ちなみに後で知ったけれど、一部屋設けられているあの部屋は学園に連れてきた従者やメイドが暮らす部屋らしい。
あ~、ご貴族様仕様の部屋なのね。と平民の私には想像もつかなかったわと後で知った時思った。
だから部屋を片付けるのは従者の仕事だったし、すぐ食堂に来なかったのは、入学して疲れていたのか食堂を使わずに部屋で食べていたという。
いいご身分だわ。
……あ、実際に貴族たちはいい身分だった。
「サラ、食わねーのか?」
「食べるよ!」
もう並び始めているマルコ達に駆け寄り、私も列に並ぶ。
ちなみに食堂も基本無料で利用できるけれど、全てが無料なわけではない。
バランスの取れた料理以外の、…例えば少し豪華なステーキや、スイーツ等の娯楽のためのメニューは有料なのだ。
当然私達が並ぶのは、無料の栄養バランスを考えてくれた料理一択。
それでも平民の私にとってはとても豪華なメニューだ。
夕食は何が出るんだろうと、楽しみながら自分の番になるのを大人しく待っていると、教室では見かけなかった生徒もチラホラと見えたことに気付く。
女子は当然のようにいなかったが、マルコたちよりも鍛えられている身体をみると、きっとあれが騎士科に志望した子たちなのだと私は思った。
ぐー
と忘れていると思ったのか、お腹が激しく音を奏で主張した時、私はマルコ達の視線を感じると共に口を開いた。
「ゆ、夕食のメニューはなんだろうね!!私の町だと魚は干したものしかなかったから、お魚があると嬉しいな!
あ!そういえばお刺身っていうメニューはあるのかな!ギルマスも絶品してたから私も食べてみたいと思うんだけど、きっと有料だよね!」
「……サラ」
「え?なに?」
「待ち時間そんなに変わらないと思うけど、…俺たちの前に並ぶか?」
憐れむような眼差しでマルコがいい、キアとサーが苦笑しながらも頷いた。
私が言う言葉は勿論こうだ。
「いらないわよ!!」
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