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学園編~二学年~
19 進級テスト②
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魔力酔いもなく、目を開けるとそこは草原が広がっていた。
といっても周りにはシャボン玉のような虹色の膜が覆われている。
アラさんの授業で使っていた練習場Dと似ているようで似ていない空間に私一人で、他は誰もいなかった。
私一人ということが急に不安に駆られてしまったが、すぐに先生の声が響き渡る。
草原ということはここは外の筈なのに、シャボン玉のような薄く膜で覆われているからだろうかとも思うが答えはわからない。
『じゃあこれから進級テストを始めるぞ』
そしてどこからともなく聞こえる先生の言葉を合図に、土の中からゴーレムだろう人形が現れる。
私よりも一回り大きい土の人形に対し、私は構えた。
もしかしたら、先生のクマはこれを人数分作っていたからかも。と思いながら私は魔法を展開させたのだった。
◆
無事進級テストを終えた私達のクラスには、笑顔が溢れかえっていた。
それもそのはず。
先生の作ったゴーレムは意外と脆く、あっさりと倒せたからだ。
ゴーレムを倒すと自動的に教室内に転送させられるプログラムを組んでいたのか、私が終えた後教室にはレルリラが既に席に座って待機していた。
つまり、またしても私はレルリラより時間をかけてしまったことだけはわかる。
少し残念に思いながらもレルリラの隣に腰を下ろした私に続くように、少しずつ他の生徒達が教室に戻ってきた。
そして全員が戻り、進級テストは終えたのだ。
「本当によかったわ。私薬草は自信がなかったから、それが試験内容じゃなくて本当にホッとしたのよ」
「あら、薬草なら私教えてあげられるわよ?」
「え、本当に?」
エステルの一言にレロサーナの目が輝いた。
そんなレロサーナに私はくすりと笑う。
「そういえばエステルの実家、ポーション作ってるっていってたよね?」
「ええ。小さい頃から薬草が身近にあったから。
だからポーションに関することは教えられると思うからなんでも聞いてね」
「ありがとう~~!」
エステルに抱き着くレロサーナは嬉しそうだ。
エステルもレロサーナを抱き締め返しながら、私にも顔を向ける。
「サラも、私でわかることなら教えるから」
「うん!頼りにしてる!」
実はというと、エステルにはポーションに関してかなり教えてもらっている。
味付けで一番簡単かつ、材料が少なくて済む方法は何か。
保存に関して、薬草の乾燥度合いについて、容器に関して、と今後冒険者として活躍するために必要そうなことは教えてもらおうと色々尋ねていたのだ。
授業については魔法以外にも広く教えてもらえるが内容の深さは然程ない。
ポーション作りも基本的な作り方のみ。
最近の市場に出回っているポーションの品質が良くない所為で最初の授業はあんな感じだったが、それ以降の授業は普通だった。
皆が作れるようになれば次に進む。
ポーションの品質に関わることだから、薬草の乾燥度合いについては詳しかったが、実際に保管に使用する容器については基本的なことしか習わなかったのだ。
「エステルも、レロサーナも、私で教えられることがあったら教えるから何でも聞いてね」
「「ええ、頼らせてもらうわ」」
進級テストが終わっても何故帰宅せずに教室内で話しているのかというと、三学年から進みたい科を選択できるためだ。
魔法科、騎士科に加えて、三学年からはサポート科と経営科を選択できる。
私達はこれからどこの科を選択するのか、先生に希望を書いた用紙を提出することになっているのだ。
その為に、少しばかりの考える時間が今というわけだ。
当然私はもう決まっている。
魔法科一択。これしかない。
二人はどこにしたんだろうと聞こうか聞かないかを悩んでいると先生がやってきたため、レロサーナとエステルは自席に戻った。
(あぁ~、躊躇せずに聞けばよかった)と後悔しながらため息をつく。
「さて、皆合格おめでとう!これで三学年に進む権利を得たな!」
先生は開口一番にそう言った。
そしてすぐに選択する科の希望をとる先生。
記入された紙は意思を持っているかのように、私の手から離れ先生の元に飛んでいく。
「ん?どうしたの?」
視線を感じた私は、犯人であるレルリラに顔を向け尋ねる。
いつものことだけど、無表情だ。
態度自体は軟化したけど、表情筋はほぼ死んでいるといってもいいくらいだ。
「どこを選択したんだ?」
「魔法科だけど?」
聞かれた質問に躊躇うこともなく答えるとそうかと呟かれる。
でも嫌そうに見えないから、私もレルリラに尋ねることにした。
「レルリラはどこってかいたの?魔法科?」
「そうだ」
「じゃあ一緒だね。三年でもよろしく」
「ああ」
言葉は少ないけれどもコクリと頷くレルリラの口元は緩んでいるように見えた。
(意外と可愛いところあるんだよね。レルリラは)
三年も出来たら変わらず同じメンバーであったらいいなと、私は思った。
魔力酔いもなく、目を開けるとそこは草原が広がっていた。
といっても周りにはシャボン玉のような虹色の膜が覆われている。
アラさんの授業で使っていた練習場Dと似ているようで似ていない空間に私一人で、他は誰もいなかった。
私一人ということが急に不安に駆られてしまったが、すぐに先生の声が響き渡る。
草原ということはここは外の筈なのに、シャボン玉のような薄く膜で覆われているからだろうかとも思うが答えはわからない。
『じゃあこれから進級テストを始めるぞ』
そしてどこからともなく聞こえる先生の言葉を合図に、土の中からゴーレムだろう人形が現れる。
私よりも一回り大きい土の人形に対し、私は構えた。
もしかしたら、先生のクマはこれを人数分作っていたからかも。と思いながら私は魔法を展開させたのだった。
◆
無事進級テストを終えた私達のクラスには、笑顔が溢れかえっていた。
それもそのはず。
先生の作ったゴーレムは意外と脆く、あっさりと倒せたからだ。
ゴーレムを倒すと自動的に教室内に転送させられるプログラムを組んでいたのか、私が終えた後教室にはレルリラが既に席に座って待機していた。
つまり、またしても私はレルリラより時間をかけてしまったことだけはわかる。
少し残念に思いながらもレルリラの隣に腰を下ろした私に続くように、少しずつ他の生徒達が教室に戻ってきた。
そして全員が戻り、進級テストは終えたのだ。
「本当によかったわ。私薬草は自信がなかったから、それが試験内容じゃなくて本当にホッとしたのよ」
「あら、薬草なら私教えてあげられるわよ?」
「え、本当に?」
エステルの一言にレロサーナの目が輝いた。
そんなレロサーナに私はくすりと笑う。
「そういえばエステルの実家、ポーション作ってるっていってたよね?」
「ええ。小さい頃から薬草が身近にあったから。
だからポーションに関することは教えられると思うからなんでも聞いてね」
「ありがとう~~!」
エステルに抱き着くレロサーナは嬉しそうだ。
エステルもレロサーナを抱き締め返しながら、私にも顔を向ける。
「サラも、私でわかることなら教えるから」
「うん!頼りにしてる!」
実はというと、エステルにはポーションに関してかなり教えてもらっている。
味付けで一番簡単かつ、材料が少なくて済む方法は何か。
保存に関して、薬草の乾燥度合いについて、容器に関して、と今後冒険者として活躍するために必要そうなことは教えてもらおうと色々尋ねていたのだ。
授業については魔法以外にも広く教えてもらえるが内容の深さは然程ない。
ポーション作りも基本的な作り方のみ。
最近の市場に出回っているポーションの品質が良くない所為で最初の授業はあんな感じだったが、それ以降の授業は普通だった。
皆が作れるようになれば次に進む。
ポーションの品質に関わることだから、薬草の乾燥度合いについては詳しかったが、実際に保管に使用する容器については基本的なことしか習わなかったのだ。
「エステルも、レロサーナも、私で教えられることがあったら教えるから何でも聞いてね」
「「ええ、頼らせてもらうわ」」
進級テストが終わっても何故帰宅せずに教室内で話しているのかというと、三学年から進みたい科を選択できるためだ。
魔法科、騎士科に加えて、三学年からはサポート科と経営科を選択できる。
私達はこれからどこの科を選択するのか、先生に希望を書いた用紙を提出することになっているのだ。
その為に、少しばかりの考える時間が今というわけだ。
当然私はもう決まっている。
魔法科一択。これしかない。
二人はどこにしたんだろうと聞こうか聞かないかを悩んでいると先生がやってきたため、レロサーナとエステルは自席に戻った。
(あぁ~、躊躇せずに聞けばよかった)と後悔しながらため息をつく。
「さて、皆合格おめでとう!これで三学年に進む権利を得たな!」
先生は開口一番にそう言った。
そしてすぐに選択する科の希望をとる先生。
記入された紙は意思を持っているかのように、私の手から離れ先生の元に飛んでいく。
「ん?どうしたの?」
視線を感じた私は、犯人であるレルリラに顔を向け尋ねる。
いつものことだけど、無表情だ。
態度自体は軟化したけど、表情筋はほぼ死んでいるといってもいいくらいだ。
「どこを選択したんだ?」
「魔法科だけど?」
聞かれた質問に躊躇うこともなく答えるとそうかと呟かれる。
でも嫌そうに見えないから、私もレルリラに尋ねることにした。
「レルリラはどこってかいたの?魔法科?」
「そうだ」
「じゃあ一緒だね。三年でもよろしく」
「ああ」
言葉は少ないけれどもコクリと頷くレルリラの口元は緩んでいるように見えた。
(意外と可愛いところあるんだよね。レルリラは)
三年も出来たら変わらず同じメンバーであったらいいなと、私は思った。
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