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プロポーズはアレンから
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私は謝罪し、そしてそのまま続けた。
「アレンからの告白に私は真面な返事が出来なかったわ。
呆けたようなバカみたいな言葉しか出てこなくて…、アレンは私からちゃんとした返事を貰えず……きっと不安だったでしょうに……。
それなのに私との将来を考えて魔物という恐ろしい敵に立ち向かってくれた。
爵位を賜って貴族になってくれた。……ありがとう、アレン。
私、ミレーナ・レリスロートはアレン・グレイトのことが大好きです。
アレンの気持ちがまだ私に残っていたら、私と_」
私の言葉はそこで止まった。
それは何故か。
手を引かれ抱きしめられたからだ。アレンに。
力強いアレンの力。
でも私を気遣うその力加減に、私も腕を回してアレンを抱きしめ返す。
顔がアレンの胸に押し付けられて少し息苦しさを感じるが、ドキドキともしかしたら私よりも早い心臓の音が聞こえてきて私は思わず目を閉じた。
「……ミレーナ様、昔私に読み聞かせしてくれた絵本の内容、覚えていますか?」
「え?」
アレンにそう尋ねられた私は思い出す。
まだアレンが言葉がわからない頃、私は様々な絵本をアレンに読み聞かせた。
たくさんの内容ではあったが、共通して言えるのはどれも女の子向けのお話しばかりという点だ。
今思えば男の子だったアレンには物足りなかっただろう。
「…そうですよ。女の子向けの絵本ばかりでした。
そしてミレーナ様は言ってました。“私もプロポーズされてみたいな”と。
……プロポーズは、私のセリフ、ですよ。ミレーナ様」
最後は耳元で囁くように告げられた言葉が、とても情熱的で…言葉を変えればかなり色っぽかったアレンに私は思わず「んっ」と声を上げた。
そして変な声をだしてしまった恥ずかしさのあまり誤魔化すように、アレンの体に回していた腕を離して自分の口元を覆う。
「違うわ、今のはアレンが色っぽくて…、それで…」
「ええ。それも“わかって”います。
ですが、それを言う前に私に言わせてください」
「へ?、あ、…うん」
“わかっている?”とは?と疑問に思いながら私はアレンを見上げる。
アレンはあの時と同じよう、片膝をついて私よりも低くなった目線を上げた。
違うところと言えば私が立っているところであろう。
「私アレンはミレーナ・レリスロートを愛しています。
どうか私と結婚してくださいませんか」
その瞬間私は涙が込み上げた。
嬉しくてたまらない。
好きな人からのプロポーズってこんなにも嬉しいんだとそう感じた。
「ミレーナ様、お返事をいただけますか?」
アレンの言葉に私は我に返る。
伸ばされた手を掴み、私は何度も何度も頷いた。
「はい、はい!私もアレンが大好きです!貴方の事を愛しています!
だから私もアレンと結婚したい!結婚しましょう!」
そう告げた瞬間、私は夜に太陽が浮かんでいるかのような光景をみたような気持ちになった。
それぐらいアレンの笑みは美しく目が離せなかったのだ。
「あ、アレン!?」
アレンはその笑みを浮かべたまま、私のウエスト部分を掴み持ち上げ、くるくると回る。
最初は戸惑ったが、嬉しそうに喜ぶアレンを見ているうちに私も一緒に楽しんだ。
従者として教育し成長していくうちに、このようにはしゃぐアレンをもう見れていなかったから、それもあって嬉しかった。
そして私が再び地面に足を付けると、ぎゅうと抱きしめられる。
「はぁ……、やっぱり生の声で聞くのは格別だ……」
「…“生の声”?」
思わず出てしまったといえる、アレンの独り言に私は首を傾げた。
この世界には音声を録音する魔道具はあるが、それは使用用途が明確に定められており、一般的に普及していない魔道具なのである。
その為私の音声を録音して、アレンが聞いているという可能性は限りなく低い。
それなのに、“生の声”というアレンの言葉に疑問を抱いた。
「そういえばアレンは言っていたわね。アレンのい、色っぽい…声に私が反応してしまった時、知ってる、と。
あれはどういう意味なの?それに、私思い返してみたけれど、やっぱりどんな絵本を読み聞かせしたかを尋ねられた時、口に出して答えていなかったわ。
それなのにまるで私の考えていることがわかるかのように、絶妙なタイミングで返したわよね?どうして?」
私はアレンを見上げ、まっすぐに見つめた。
するとアレンはそろそろと目線を逸らす。
「アレン知っている?アナタ疾しいことがあるとき、目線を一度右に逸らしてから左へと向けるのよ」
「そ、それは…知らなかったです…」
「そうよね。私伝えたことないし、そもそも癖というのは自然と出るものだから直すのも時間がかかるわ。
しかもアレンのようにその癖が頻繁に出ないのならば直す機会だって滅多にないからね」
「話してくれる?」と促すと、アレンは観念して答えてくれた。
ちなみに周囲に人の気配がない事は確認済みである。
そもそも爵位を賜ったと言ってもアレンは元平民。
会場内で注目を浴びることになったが、私という低位貴族の娘と共に消えたことで、誰も気にする人はいなくなっただろう。
様子を伺いに来るとすれば、お父様かお母様くらいである。
だから私たちは気兼ねなく話をすることが出来た。
ちなみにいうと、庭園を少し歩き進めたところにお洒落な猫脚のベンチがあったため、私達はそこに並んで座ることにした。
「アレンからの告白に私は真面な返事が出来なかったわ。
呆けたようなバカみたいな言葉しか出てこなくて…、アレンは私からちゃんとした返事を貰えず……きっと不安だったでしょうに……。
それなのに私との将来を考えて魔物という恐ろしい敵に立ち向かってくれた。
爵位を賜って貴族になってくれた。……ありがとう、アレン。
私、ミレーナ・レリスロートはアレン・グレイトのことが大好きです。
アレンの気持ちがまだ私に残っていたら、私と_」
私の言葉はそこで止まった。
それは何故か。
手を引かれ抱きしめられたからだ。アレンに。
力強いアレンの力。
でも私を気遣うその力加減に、私も腕を回してアレンを抱きしめ返す。
顔がアレンの胸に押し付けられて少し息苦しさを感じるが、ドキドキともしかしたら私よりも早い心臓の音が聞こえてきて私は思わず目を閉じた。
「……ミレーナ様、昔私に読み聞かせしてくれた絵本の内容、覚えていますか?」
「え?」
アレンにそう尋ねられた私は思い出す。
まだアレンが言葉がわからない頃、私は様々な絵本をアレンに読み聞かせた。
たくさんの内容ではあったが、共通して言えるのはどれも女の子向けのお話しばかりという点だ。
今思えば男の子だったアレンには物足りなかっただろう。
「…そうですよ。女の子向けの絵本ばかりでした。
そしてミレーナ様は言ってました。“私もプロポーズされてみたいな”と。
……プロポーズは、私のセリフ、ですよ。ミレーナ様」
最後は耳元で囁くように告げられた言葉が、とても情熱的で…言葉を変えればかなり色っぽかったアレンに私は思わず「んっ」と声を上げた。
そして変な声をだしてしまった恥ずかしさのあまり誤魔化すように、アレンの体に回していた腕を離して自分の口元を覆う。
「違うわ、今のはアレンが色っぽくて…、それで…」
「ええ。それも“わかって”います。
ですが、それを言う前に私に言わせてください」
「へ?、あ、…うん」
“わかっている?”とは?と疑問に思いながら私はアレンを見上げる。
アレンはあの時と同じよう、片膝をついて私よりも低くなった目線を上げた。
違うところと言えば私が立っているところであろう。
「私アレンはミレーナ・レリスロートを愛しています。
どうか私と結婚してくださいませんか」
その瞬間私は涙が込み上げた。
嬉しくてたまらない。
好きな人からのプロポーズってこんなにも嬉しいんだとそう感じた。
「ミレーナ様、お返事をいただけますか?」
アレンの言葉に私は我に返る。
伸ばされた手を掴み、私は何度も何度も頷いた。
「はい、はい!私もアレンが大好きです!貴方の事を愛しています!
だから私もアレンと結婚したい!結婚しましょう!」
そう告げた瞬間、私は夜に太陽が浮かんでいるかのような光景をみたような気持ちになった。
それぐらいアレンの笑みは美しく目が離せなかったのだ。
「あ、アレン!?」
アレンはその笑みを浮かべたまま、私のウエスト部分を掴み持ち上げ、くるくると回る。
最初は戸惑ったが、嬉しそうに喜ぶアレンを見ているうちに私も一緒に楽しんだ。
従者として教育し成長していくうちに、このようにはしゃぐアレンをもう見れていなかったから、それもあって嬉しかった。
そして私が再び地面に足を付けると、ぎゅうと抱きしめられる。
「はぁ……、やっぱり生の声で聞くのは格別だ……」
「…“生の声”?」
思わず出てしまったといえる、アレンの独り言に私は首を傾げた。
この世界には音声を録音する魔道具はあるが、それは使用用途が明確に定められており、一般的に普及していない魔道具なのである。
その為私の音声を録音して、アレンが聞いているという可能性は限りなく低い。
それなのに、“生の声”というアレンの言葉に疑問を抱いた。
「そういえばアレンは言っていたわね。アレンのい、色っぽい…声に私が反応してしまった時、知ってる、と。
あれはどういう意味なの?それに、私思い返してみたけれど、やっぱりどんな絵本を読み聞かせしたかを尋ねられた時、口に出して答えていなかったわ。
それなのにまるで私の考えていることがわかるかのように、絶妙なタイミングで返したわよね?どうして?」
私はアレンを見上げ、まっすぐに見つめた。
するとアレンはそろそろと目線を逸らす。
「アレン知っている?アナタ疾しいことがあるとき、目線を一度右に逸らしてから左へと向けるのよ」
「そ、それは…知らなかったです…」
「そうよね。私伝えたことないし、そもそも癖というのは自然と出るものだから直すのも時間がかかるわ。
しかもアレンのようにその癖が頻繁に出ないのならば直す機会だって滅多にないからね」
「話してくれる?」と促すと、アレンは観念して答えてくれた。
ちなみに周囲に人の気配がない事は確認済みである。
そもそも爵位を賜ったと言ってもアレンは元平民。
会場内で注目を浴びることになったが、私という低位貴族の娘と共に消えたことで、誰も気にする人はいなくなっただろう。
様子を伺いに来るとすれば、お父様かお母様くらいである。
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