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「僕には愛する女性がいる。
今夜ここに来た理由は、貴様とは一切の肉体関係を持つことはない事を伝えに来ただけだ」
「ぇ……」
本日私の旦那様になられた方は、寝室で待つ私の姿を視界に入れると、声高々にそう告げ去っていった。
私という存在が気にくわないのか、それとも言いたいことを言えた喜びや開放感からか、貴族としてはふさわしくない足音が聞こえる中、私は旦那様の言葉を脳内で反芻していた。
足音が聞こえなくなる頃には状況を理解し自然と口端が引き上げられるのを慌てて引き締めると、閉められることなく全開に開けられた扉からひょっこりと侯爵家のメイドが顔を出す。
彼女は私がディオダ侯爵家に嫁ぎにやってきた時、世話役として与えられたメイドのララである。
正直なにもないところでつまづいたりと、前方不注意なところがある彼女が何故他家から嫁ぎに来た私につけられたのか、最初は不思議で仕方がなかったが旦那様となる方と顔を会わせたことで私は納得した。
この男は私が妻となることを気にくわないのだ。だから名ばかりの妻となる私に優秀なメイドを当てる気がないのだ。と。
それでもララは本当に真面目な子だった。
ただドジっ子という特性があるだけで、真面目に一生懸命やろうとする姿は好感が持てる。
それはなにも私だけではない。
ディオダ侯爵家で働く他の使用人やメイド達も同様に感じている感情なのだ。
まるで妹を見ているように、皆が温かいまなざしを向け彼女の成長を促している。
嫌がらせとして彼女を付けただろう旦那様を除き、なんて温かい空間なのだと私は思った。
そして私はいい人を演じた。
いや、これだと語弊があるだろう。
いい人と思われるように懸命に頑張った。この表現が適切だと思う。
でもこれは普通だと思う。いい関係を築きたいのなら傍若無人に振舞うよりも、人に寄り添った振る舞いを心掛けるものだ。
私も今後の生活をいいものにしたくて頑張っただけである。
それが功を奏したのか、式が執り行われる日が直前に迫る頃になると、全ての従業員が私の味方になったのか好意的に接してくれた。
勿論旦那様の両親も私に好意的だった。
つまり旦那様以外のディオダ侯爵家の方々は私を受け入れてくれていたのだ。
私はとても安心できた。これならやっていけるだろうと。
だけど正直何故ここまで皆に_勿論旦那様を除いてである_受け入れられているのかがわからない。
でもそれはまだ嫁ぎに来て一月と経っていない私にはわからないのが当たり前だ。
そして私ウェルアネス伯爵家の長女シエルは、本日正式にクズール・ディオダ侯爵の妻となったことで、内心婚姻を誓った後の初夜をどのように過ごせばいいのかと不満不安で震えていたのだが、旦那様の一言で杞憂に終えたことに一気に安心感を覚えた。
だってそうでしょう。
私を気にくわないと態度に出していた方に体を触れられるだなんて吐き気がするもの。
だけどこれは政略結婚。
領地運営に熱中しすぎた所為で、社交活動を行っていなかった私の父は顔が広くない。
ならば妻となる私の母が社交界で人脈づくりをすればよかったのではないかと思うところだが、私の母は私と三歳年の離れた弟を産んで亡くなってしまった。
祖母も祖父も、そして母方の実家もいくらウェルアネス伯爵家が領地を持っていたとしてもそれはただの田舎の土地だということで、積極的に関わろうとはしなかった。
父も助けを求めようとも思わなかったのか、それとも妻を亡くしたことで気を紛らわせたかったのか、そのまま領地運営に力を注いだ。
つまり誰も社交活動を行わない為に人脈に恵まれず、領地で品質のいい食材や薬草、そして鉱石が取れても販路の拡大が出来なかったのだ。
販路の拡大が出来なければ宝の持ち腐れ。
私達や領民の生活は問題なしに送れるかもしれないが、父は満足しなかった。
頑張ってきた領民の成果を、そして領地の功績を広めたかったのだろう。
その為私の実家ウェルアネス伯爵と投資家であり至るところに人脈があるディオダ侯爵家が縁付くことが、私の実家にはメリットが生まれると考えられてこの婚姻が進められることとなった。
ならディオダ侯爵家にはどのようなメリットがあるのかというと、ディオダ侯爵家は先ほども言った通り投資家である。
だが先々……まぁ昔の侯爵当主様が優秀で、その時に莫大な富を築いたのだ。
今では当時の侯爵様のような事業展開が出来る才能あふれた者が現れず、それでも投資で財を減らすことなく今までやってきたという。
つまりは現状維持を保ってきたのだ。
だが今の当主、つまり私の旦那様が継ぐことに不安に思った前侯爵様夫婦が「せめて貧しくなっても飢え死にしないように」と動き、ウェルアネス伯爵家へと縁談を申し込んだのだ。
そんな能力がない男を私の婚約者に父は選んだのかと怒りも沸いてくるが、貴族の家族関係なんてそんなもの。
虐げられることはなかったし、必要な教育や身の回りのものを与えられて育てられのだから感謝はするが、これとそれは別の話だと縁談の話をされた時に言い募ろうかと思ったがやめた。
家族の代わりに私を愛してくれた使用人たち、そして慕ってくれた領民達を考え、私も領地にとってメリットを取ったのだ。
父から愛情を感じたことはないが、その父が領地の事は心から真面目に取り組んでいることを知っているから。
「お、奥様……、大丈夫、ですか??」
扉からひょっこりと顔を出したララが私を心配げに見つめ尋ねた。
その様子は耳をしょんぼりと下に垂らした小動物のようである。
恐らく彼女は私が傷ついていると思っているのだろう。
旦那様によく思われていない事は顔を合わせた時点から感じ取っていたこと。
そして初夜を済ませられない事は私に取っては寧ろ喜ばしいことだが、眉を下げて私を見つめるララに私は思わずくすりと笑い、中に入るように促した。
ララが部屋へと入ると、他にもいたのか二人のメイド達が姿を現す。
キャンリーとサシャだ。
ララ一人が私の世話係としてつけられたが、流石に式を披露する日だけはララ一人では無謀というもの。
それは旦那様も理解しているのか、追加で二人が準備をしてくれた。勿論執事経由である。
「申し訳ございません。奥様…」
頭を下げる二人につられるようにララも慌てて頭を下げる。
「頭をあげて。貴方たちが謝ることなんてないのだから」
「しかし奥様…」
「それより、旦那様には“愛する人”がいるとのことだけど、どういうことか教えていただきたいの。
だから扉を閉めて、私とお話しをしない?」
三人はハッとして扉を閉めると、隣接している隣の部屋から羽織るものを持ってきてくれた。
いくら私の事が気にくわないといっても、この部屋は夫婦の寝室。
この寝室を中心に左右にそれぞれ部屋があり、今ララが上着を取りに入った部屋が私だけの部屋だ。
勿論反対側は旦那様のお部屋だろうけれど、その部屋に旦那様はいない。
何故なら先ほど足音を盛大に立てながら出ていったばかりだからだ。
きっと執務室か、それか他の階の部屋にでも向かったのだろう。
私と顔を会わせたくないといわんばかりの態度を考えると、同じ階にはいないと容易に想像できる。
手渡された上着を羽織り私はそのままベッドの上で、三人は各自用意した椅子に座り向き合う形で座った。
最初に話を切り出したのはララだった。
「あ、あの、旦那様が愛する人がいるということは事実なんです…」
ぎゅっとメイド服を握り申し訳なさそうに告げるララ。
…取り調べをしているつもりではない為もう少し気を楽にしてもらいたいが、あの旦那様の元で働いている常識人には辛いものがあるのだろう。
罪悪感という辛さが。
「そうなのね。だけど、何故旦那様は心に誓った方と婚姻せず、私と誓ったのかしら?
わかったら教えていただきたいのだけど…」
私の問いに答えたのはララよりもしっかり者な印象のある二人だ。
「それは先々代侯爵様が反対されているからです。
先代侯爵夫人は侯爵様の気持ちを優先させたかったらしいのですが、あまり気が進まない女性だったらしく………悩んでいるところに先々代様が一喝されました。
“認めた人じゃなければ後継者は別の人にする”と」
つまりは息子が好いた女性ならとお義母様は考えたけれど、実際に会ってみると好ましくなく渋っていたところに、お祖父さまが拒否を示したという事ね。
反対されるということは、女性の家柄が侯爵家にとってメリットがない、もしくは女性になにかしらの問題があるということと考えられる。
どちらもという可能性もあるわね。と大変失礼なことを考えながら私は頷いた。
「…そう。まぁ、親戚の子から優秀な人物を引き入れることはありがちだものね」
侯爵家は一人息子と聞いていた為、私はそう答えた。
「でも私たちは先々代侯爵様と同意見なのです。
もっともどのような理由で反対をしているのかまではわかりませんが、それでも私達メイドたちをまるで物のように扱うあの方には尽くしたくもありません!」
(あら、つまりは女性の性格面で許可がなされなかったのね)
この世には“似た者同士は引き寄せられる”という古くから言い伝えのように残っている言葉がある。
例えあの旦那様のお陰でなくなった初夜であろうが、そもそもまともな人なら政略結婚であろうが表面上だけでも取り繕うとするものをあの男はまるっと放棄した。
そんな男に引っ掛かった女、いえ、近寄った女性だって似たもの同士である可能性の方が高いだろうと私は考える。
「だから私達、先々代侯爵様も納得し、先代侯爵夫人が安堵した奥様となる方に期待しました!」
「奥様には不快な思いをさせてしまうと思いましたが、一番仕事が出来ないララを世話係としてつけたことで、奥様の人となりを把握することができました!」
「え」
「そして奥様が素晴らしい人だと私達も知ることが出来たんです!」
「人生で大切な結婚式が控えているのにあのララのドジっぷりに対して取り乱すこともせず、手を差し伸べフォローするなんて普通じゃできませんから!」
「え?!」
鼻息荒く興奮気味の二人に困惑するララの様子を見て、私は思わず声を漏らす。
ちなみに最初に声を漏らしたのは私で、次に驚愕しながら声を出したのはララだ。
「………つまり、ララが私の世話係を任されたのは旦那様の指示ではなく、あなた達から試された、ということかしら?」
「私の仕事の腕が認められたんじゃないの!?」
そう問う私とララに二人は顔を青ざめさせた。
勿論私の質問に対して、だろう。
同じメイドであるララに二人が下手に出る必要はないからだ。
いくら私の世話係にララが任命されたからといって、二人が補助として加わったことで序列というものはないと三人の態度を見てそう思う。
「「も、申し訳ございません!」」
頭を下げる二人はその後に「違うんです!旦那様の指示だったのは本当です!でも先々代侯爵様が反対しなかったのは、私達と同じように考えているからだったので…!」と続けられた言葉に私は、ふぅと息を吐き出す。
「別に怒ってはいないわ。新しく来た私を警戒するのは当たり前のことだし、先々代侯爵様が認められない程の方の後に来たなら更に警戒してしまうものだもの。
それよりもあなたたちのおかげで状況を整理できたわ」
「とんでもございません!」
「これしきのことで感謝されるなど!」
顔を赤らませてぶんぶんと首を振る二人に私はくすりと笑った。
「一つ頼みがあるの」
そういうと「なんでしょうか!?」と食い気味に尋ねる二人に私は答える。
「精霊書を用意してもらえるかしら?」
「…精霊書、ですか…?」
キョトンと目を瞬かせるキャンリーとサシャに私は頷く。
ララは……、いまだにショックを受けている状態だ。
涙目で「私だって仕事できるもん」と小さく呟いている。
「私と旦那様は白い結婚となるのだけれど、そうなると色々と制約を設けておかないと面倒ごとが生れてしまうでしょう?
ただの口約束だと破棄することも容易だけれど、この精霊書ならそれも出来なくなる」
この世には精霊というものが存在する。
人や動物だけに限らず、草木や大地にも精霊は宿り、恵みを与えてくれる偉大な存在。
だがそんな精霊が目に見えない人間は多い。
その為に精霊という存在を信じていない者もかつていたが、この精霊書や精霊石などの存在でそれもなくなった。
精霊書というのは、精霊が育てたといわれる巨大樹から作り出した紙のことである。
ちなみに巨大樹はこの国にとって御神体のようなものであり、その巨大樹を管理しているのは神殿である。
つまり神殿に行けば、誰でも精霊書を手に入れることが出来るのだ。
先程精霊の存在を知らしめることになった理由に精霊書をあげたが、この精霊書でかわした内容は精霊に誓うという意味が込められている。
精霊に誓った内容を破れば、精霊からもたらされる恵みの加護を失ってしまう。
平民であれば飢え死にするほど路頭に迷い、貴族であれば爵位返上迄追い込められる。場合によっては死が訪れることもあるのだ。
それほどの効力がある精霊書は信頼を得る為にここぞという大事な取引の場で使われる以外利用されることはない。
つまり“誰でも手に入れることが出来る精霊書”を気軽に使おうと思う人はいないほどに効力をもつ精霊書は、精霊が実際に存在しているということを意味していた。
(…精霊書を使わなくても、“精霊がいる最中”での約束ごとなら精霊書と同じだけの効力があるけれど)
精霊が人を悪人だと決める理由は精霊自身の価値観による。
幼い子供が大人に泣かされていれば子供を泣かした大人を悪者だと精霊は考えるが、一方で体格差のある大人同士による一方的な暴力が行われた場合、勝者を悪者と考えない場合があるのだ。
それが大人の男女でも精霊の判断は曖昧である。
(至った経緯を精霊に訴えれば少しは違うかもしれないけれど…)
だがそんなことは精霊を見えない人間にはできるわけがないし、第一精霊が耳を傾けるのは一人だけ。
だけど、お互いが納得して決めた約束ならば話は違う。
決めた約束事を守らない事は悪だと精霊は考えているためだ。
(いずれにしても精霊書という物が目に見えてあれば、旦那様も容易に約束事を破らないはず)
そんな精霊書を口にした私は「いいアイディアでしょ」と笑ったのだった。
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