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しおりを挟む——— 結婚したい。そう言えたなら、少しは違った運命に辿り着いていた....いやいや、あの男なら絶対聞こえてないふりしてたな。
「別れて....」
「....。」
うんともすんとも言わない雄一朗に、部屋の合鍵を返してその場から去った。
この後私には引っ越しが控えてある。もう数ヶ月前から始まっていたカウントダウンは、本日を以て終了した。
雄一朗は気付いてなかっただろうけど、少しずつ彼の家から私の私物を運び出していた。
そして彼のものはダンボールに纏めて着払い予定だ。ま、当然の報いだろう。勿論サイズは大きめにしておいた。
同棲してなかったのは幸いだった。彼が泊まりに来た時に振る舞った手料理は、始めこそ褒めてくれたけど、数年付き合えば、お揃いの食器類も何のときめきも無く、そして今やゴミと化した。だけど、物に罪はないのでリサイクルショップに持ち込んでおいた。
きっと次のカップルにリレーされるだろう。買取金額は付かなかったが、まあそんなもんだろう。因みにイエスノー枕も0円だ。
唯一値段がついたのは誕生日に貰った謎の置物だった。どうやらマニア向けに高価で取引される物だったらしい。雄一朗が出張先で急拵えしたものだと知ってるから、問答無用で現金化してやった。
もう思い残すことはない。
帰宅してから最終確認を済ませ業者を待っていると、雄一朗。基、元カレから着信があった。だがしかし私は出なかった。
お別れすると心に決めた時、私の中でのお前の優先順位は落ちた。もう一縷の望みもない。今更『サプラーイズ』なんてクラッカーを鳴らされようと冷めた目でやり過ごせる自信がある。否、そんな器用なこと出来る男じゃない。そんなの長年付き合ってきた私が一番わかってる。
「ありがとうございやした~」
「どうもご苦労様です~」
隣町への引越し単身者パックは、例の置物で相殺された。
これで未練は無い。職場もタイミングよく移動願いを出していたので、徒歩圏内で通えるようになった。
さあ、新しい生活が始まるぞー!先ずは自棄酒か?いや待て、そんなんじゃないな。
普通に飲みに行こう。美味しい料理に美味しいお酒。誰にも邪魔されないひとりの幸せな時間。
もうお会計で割り勘しなくて良い。気を遣って飲む量をセーブしなくても良い。
アハハハハハハー。なんで今までこうしてこなかったんだろー。興奮が冷めない。楽しい。久しく忘れていた感覚。
気付いたら知らない男の肩を組んで二軒目、三軒目とやーやー引きずり、辿り着いた先は私の新居で、何故かベッドで裸で抱き合っていた。
あれ、この人誰だっけ?と記憶を遡ろうとするも、「セックス中に考えごとか....」と私の思考を停止させるくらいどろっと甘く激しいキスが降り注ぐ。そして私のナカをかき乱す指に、腰をガクガク振るわせながら飛沫をあげながら達してしまった。
「——— ぁあ カワイイ。」
目の前で私のが滴る顔面国宝が、危うい表情で纏わり付いた愛液を舐めとった。
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