魔物好きゲイテイマーの異世界転生記

タスク

文字の大きさ
69 / 108
第3章 シュルトーリア

スキル確認④

しおりを挟む
「さっきのが威圧スキルだよな?」

俺は森の中を歩きながらガルドに先ほどオークと俺を動けなくした殺気の籠った威圧感について確認する。

「(うむ、どうやらそのようだ。先ほどは無意識だったが思い返せば確かにスキルの感覚があった。)」
「あの時の俺と同じ自動発動か。意志と行動でスキルは自動的に発動するって言ってたからな。」

あの時のガルドはオーク達に相当怒ってたからな。

「(あの時の俺と同じと言うのはなんの事だ?)」
「あぁ~……。今晩話すよ。」
「(ふむ、夫である我に隠し事か?)」
「そんなんじゃないよ。夜になったら家でちゃんと話すから。」

家と言うのはディメンジョンルームの事だ。今後はディメンジョンルームで生活するしディメンジョンルームだと長いから家と言うようにする。

「(そうか。)」
「(そう言えばガルドさんは何であんなに怒ってたんですか?)」

今教えてもらえないのが残念なのか、ガルドがしゅんとなっているとロアが気を使ったのか話題を反らす。

「そう言えば凄かったな。 『我が妻に何をすると言った!』って。俺、何を言われてたんだ?」
「(む、むぅ……。)」

気になったので聞いてみるがガルドは一度唸って黙り込んでしまった。

「どうした?」
「(むぅ……。どうしても言わなくては駄目か?)」
「(あー、ガルド隠し事!)」
「(いや、そういう訳ではない……。その、な。)」

ガルドはどうもらしくない歯切れの悪い言い方で続ける。

「(奴等は我妻の事を『孕みもしない雄がだぶち込みたくなる』だの『雌と違って簡単には壊れない』だの『村中で休みなく腹が裂ける程輪姦す』だの。これよりも酷い事も言っていた。)」

なかなか過激だが腹が裂ける程は萌えるな。俺のスキルなら簡単には裂けないし裂ける前に吸収できるけど。

『(むぅ、妻はそんな風ににされたかったのか……。)」
「おっと、念話で漏れてたか。ちょっと気になっただけで誰でも良いからされたい訳じゃないよ。」
「(そうか。)」

ガルドはそう言うと顎を擦り、思案顔で顔を反らした。

そのまま探索を続けるとグレイバウンドの臭いを嗅ぎ取り、そちらに向かう。

向こうもこちらに気が付いたのか、向こうから駆け寄ってくる。そこで俺たちは足を留めて迎撃することにした。

「(向かってくるのは6匹ですね。)」 
「それじゃあガルドとロアで左右から仕掛けろ。出来れば1、2匹間を抜けさせてこっちに回してくれ。)」

二人に指示を出して陣形を整えると直ぐにグレイハウンドが目視できた。

 「来たぞ!」

俺が剣を構えると先頭を走っていたグレイハウンドが吠える。すると後続が別れ、ロアに3匹、ガルドに2匹が向かい、こちらに吠えた1匹が向かってくる。

あいつが群のリーダーか。

グレイハウンドが数歩手前から跳躍し、俺に飛びかかってくる。

俺はそれを横に躱し、着地を狙って剣を突き出した。

「キャウン!」

切っ先が腹部に刺さると同時に甲高い悲鳴が上がる。

そのまま下に切り裂くように振り抜くと傷から内蔵がこぼれ落ち、グレイハウンドはその上に倒れた。

ひとつため息をついてガルドとロアを見ると、すでに5つの死体が転がっていた。 

「流石……。」

バラムも同じように瞬殺できそうだし、自分の戦闘能力を鍛える必要ないんじゃないかと思ってしまう。

俺は6匹から右耳を切り取って袋に詰めると死体と一緒に収納に放り込んだ。

「よし、グレイバウンドの討伐依頼はこれで完了だ。オーク肉の納品もさっきのオークを解体してもらって納品すればいいから依頼は完了だな。」
「(それではあとは我のスキル確認だな。)」
「あぁ、オークが直ぐに見つかれば良いんだけどな。……そう言えば近くにオークの集落があるのか?」

 俺は先ほどガルドが言っていたオーク達の言葉を思い出す。

「(村中で、と言っていたからな。少なくともそれなりの数が集まった村があるだろ。)」
「それが見つかれば良いんだが。」

集落を潰せれば大量のオーク肉と魔石、ギルドに認められれば集落討伐報酬も出るかもしれない。

「(じゃあ、オークが集まった臭いを探せば良いんですね。)」
「そうだな、あとは2、3匹でも構わない。今度は殺さずに、ガルドに支配させて村の場所を聞き出しても構わないからな。」 
「わかりました。」

そう言って臭いを探るロアを先頭に探索を再開すると思いの外直ぐに集落が見つかった。

茂みから様子を伺うと中央に大きめの小屋が一つ、その周囲にボロい小屋が五つ建っている。

「(中央の小屋に集落のリーダーが居そうだな。)」

最近は念話でも声に出すようにしていたが、流石にオーク達に見つかると面倒なので声には出さない。

「(うむ、間違いないだろう。)」
「(作戦はどうするか、みんなで正面から行っても負けないとは思うけど。)」

正直負ける心配はもうしていない。

手分けして攻めて死体が分散するより相手がこちらの1箇所に向かって着てくれた方が後片付けが楽になると思うくらいだ。

「(ふむ、そうだな……。ここは我一人に任せてくれぬか?)」
「(えぇ~ガルド一人でやるの?バラムも行きたいのに。)」
「(少し考えがあってな。次の機会にはバラム殿に譲ろう。)」
「(ぶ~。じゃあ我慢するけど、次はバラムだからね。)」
「(あぁ、約束しよう。)」

バラムとの話が纏まりガルドがこちらを見る。

「(では行ってくる。)」
「(あっ、ちょっと待った。)」
「(折角だから、俺のスキルも試させてくれ。何分くらいもつかわからないけどガルドに強化魔法をかける。)」
「(わかった、頼む。)」
Mモンスターパワーライズ。Mモンスターディフェンスライズ。」 

ガルドに手をかざして囁くように唱えると掌から光の粒子がガルド流れて吸い込まれる。掌から出る光が止まり、ガルドを見るとうっすらと光の膜がガルドを覆っているのがわかる。

「(済んだな。では今度こそ行ってくる。)」

ガルドがフンッと力強く鼻息を吐くと周囲の枝を体で折って音を立てながら堂々と集落に向かった。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

同性愛者であると言った兄の為(?)の家族会議

海林檎
BL
兄が同性愛者だと家族の前でカミングアウトした。 家族会議の内容がおかしい

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

処理中です...