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第3章 シュルトーリア
浴室完成
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木材を全て矢に作り変え、日が沈む前に街に戻ってきた。ツェマーマン工房に入り、ディメンジョンルームを開くとツェマーマン達が楽しそうに談笑していた。
「お疲れ様です。」
「おう、来たか。塗装したところも乾いているし完成したぞ。」
「塗装はもう乾いたんですか?」
俺が浴室に目を向けるとそこには今朝とは違い、ニスを塗ったような艶のある壁になっていた。
「あぁ、内側には浴室の保温性を高めるために防腐性の素材と一緒に火属性の素材を溶剤に混ぜたからな乾燥も早い。外側は塗装の後風魔法で乾かした。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「それじゃあ、全体を確認して問題なければ残金の支払いをしてくれ。」
「はい。」
ツェマーマンに促され、浴室の中を確認するとほぼ希望通りの作りになっていた。
「浴槽と洗い場の排水口はここだ。この排水口の先でパイプが繋がって排水槽に水を溜めるようになっている。それからあっちに床下と排水槽の点検用の扉を取り付けた。」
そう言って歩き出すツェマーマンについていくと床下収納の扉の様な物が取り付けられていた。取ってを引き、扉を開けると中には排水槽の上に降りられるようになっており、そこから床下に降りられるようになっていた。排水槽の上部には排水槽の中に降りられる扉もあった。
これは注文した時の話にはなかった物だが用意してもらうと重要な物だと分かる。
「これは注文した時の話にはなかった物ですよね。わざわざありがとうございます。」
「なに、気にするな。これは作ってる最中に気が付いたものだからな。」
そう言って浴室の外に出るツェマーマンに付いて、今度はキッチンに向かった。
「ここの洗い場も浴室の床下の排水槽に繋がってる。隣は作業台だ。それから一番外側。ディメンジョンルームの壁際に排水槽に水を排出する弁も取り付けてある。」
そう言われて確認するとディメンジョンルームの壁際に設置された作業台のすぐ脇に捻るタイプの蛇口の取っての様な物が付けられていた。
「これを捻ると排水槽の水が出てくる。川辺とか水を流しても問題ない所で小まめに水を抜くようにしろよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「よし、それじゃあ問題ないな。工房に戻って精算するぞ。」
「はい。」
ツェマーマンに促され、工房に戻ると依頼書に施工完了のサインをして残金の金貨15枚を支払った。
「確かに受け取った。」
「それとこれを。」
俺はそう言って追加で金貨3枚を取り出した。
「なんだ、これは?」
ツェマーマンが眉間に皺を寄せると鋭い目つきでこちらを睨みつけた。
「俺は自分の仕事と技術に誇りを持っているし、その仕事に見合うだけの金は貰った。確かにうちは資金繰りにこまっちゃいるが施しで追加で金を貰うほど落ちぶれちゃいないぞ。」
「心付けのつもりです。結果として今全額を払うことができましたけど、金貨5枚をツケにしてくれました。それに設計の時に無かった重要な点検用の設備も付けてくれました。他にも俺の都合で作業ができなくて完成が遅れましたし、素材の効果を移す溶剤も教えてもらいました。そういった諸々を含めたお礼です。」
そういうとツェマーマンの眉間の皺がスッと消え、ばつの悪そうに視線を逸らした。
「そういうことか。その……すまん、ありがとうよ。しかし、それでも金貨3枚は貰い過ぎだ。1枚でいい。」
そう言ってツェマーマンは金貨を1枚だけ取って残りをこちらに押し返した。
「わかりました。本当にお世話になりました。」
「あぁ、こっちも仕事を任せてもらって感謝している。なにかあればまた来い。」
「はい。それじゃあまた。」
そう言ってツェマーマンの工房を後にしていつもの場所でディメンジョンルームに入った。
食事を終え、お待ちかねの入浴タイムだ。俺は浴室に入ると給湯の魔道具とインゴットを取り出し、浴槽の縁に固定した。給湯の魔道具に魔石を2つ嵌めると勢いよくお湯が流れた。
「よしよし。あとは魔石一つずつでどのくらいお湯が溜まるかだな。簡単な魔法だから燃費はいいはずだけど浴槽のサイズがデカいからな。」
そのまましばらく様子を見ながら放置する。
「た、溜まらねぇ……。」
30分程放置したが全く溜まっていなかった。床下を確認したが漏れている様子もの無く、単純にお湯の供給量が少ないのが原因だと分かる。
「仕方ない。作り足すか。」
俺はインゴットを取り出し。同じ給湯の魔道具を3つ作り、最初の魔道具と並べて設置してお湯を流し始めた。
「これで秒間1リットルあるか無いかくらいか?あれ?もしかしてこの風呂を溜めるの絶望的?」
仮に秒間1リットルとして風呂が溜まる時間を計算する。
「ガルド、ロア、ダブが一緒に入るから満タンに入れる必要はない。それでも半分くらいは必要だよな。浴槽が6m×4m深さが俺の肩位だから1.5mくらいか?6×4×1.5で33.6㎥か?1㎥1000ℓだから33600ℓ。半分でいいとして16800ℓか?秒間1リットルだから16800秒。これを60秒で割ると……。280分でさらに60分で割ると4.666……。ほぼ4時間半じゃねぇか!」
俺は思わず計算に使っていたペンを叩きつけた。
「完全に失敗だ。でも今更解体するわけにも行かないし。はぁ~、給湯の魔道具を作り直すか。」
給湯の魔道具から魔石を抜くとわずかに溜まったお湯を抜いて、落ち込んだまま眠ることになった。
「お疲れ様です。」
「おう、来たか。塗装したところも乾いているし完成したぞ。」
「塗装はもう乾いたんですか?」
俺が浴室に目を向けるとそこには今朝とは違い、ニスを塗ったような艶のある壁になっていた。
「あぁ、内側には浴室の保温性を高めるために防腐性の素材と一緒に火属性の素材を溶剤に混ぜたからな乾燥も早い。外側は塗装の後風魔法で乾かした。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「それじゃあ、全体を確認して問題なければ残金の支払いをしてくれ。」
「はい。」
ツェマーマンに促され、浴室の中を確認するとほぼ希望通りの作りになっていた。
「浴槽と洗い場の排水口はここだ。この排水口の先でパイプが繋がって排水槽に水を溜めるようになっている。それからあっちに床下と排水槽の点検用の扉を取り付けた。」
そう言って歩き出すツェマーマンについていくと床下収納の扉の様な物が取り付けられていた。取ってを引き、扉を開けると中には排水槽の上に降りられるようになっており、そこから床下に降りられるようになっていた。排水槽の上部には排水槽の中に降りられる扉もあった。
これは注文した時の話にはなかった物だが用意してもらうと重要な物だと分かる。
「これは注文した時の話にはなかった物ですよね。わざわざありがとうございます。」
「なに、気にするな。これは作ってる最中に気が付いたものだからな。」
そう言って浴室の外に出るツェマーマンに付いて、今度はキッチンに向かった。
「ここの洗い場も浴室の床下の排水槽に繋がってる。隣は作業台だ。それから一番外側。ディメンジョンルームの壁際に排水槽に水を排出する弁も取り付けてある。」
そう言われて確認するとディメンジョンルームの壁際に設置された作業台のすぐ脇に捻るタイプの蛇口の取っての様な物が付けられていた。
「これを捻ると排水槽の水が出てくる。川辺とか水を流しても問題ない所で小まめに水を抜くようにしろよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「よし、それじゃあ問題ないな。工房に戻って精算するぞ。」
「はい。」
ツェマーマンに促され、工房に戻ると依頼書に施工完了のサインをして残金の金貨15枚を支払った。
「確かに受け取った。」
「それとこれを。」
俺はそう言って追加で金貨3枚を取り出した。
「なんだ、これは?」
ツェマーマンが眉間に皺を寄せると鋭い目つきでこちらを睨みつけた。
「俺は自分の仕事と技術に誇りを持っているし、その仕事に見合うだけの金は貰った。確かにうちは資金繰りにこまっちゃいるが施しで追加で金を貰うほど落ちぶれちゃいないぞ。」
「心付けのつもりです。結果として今全額を払うことができましたけど、金貨5枚をツケにしてくれました。それに設計の時に無かった重要な点検用の設備も付けてくれました。他にも俺の都合で作業ができなくて完成が遅れましたし、素材の効果を移す溶剤も教えてもらいました。そういった諸々を含めたお礼です。」
そういうとツェマーマンの眉間の皺がスッと消え、ばつの悪そうに視線を逸らした。
「そういうことか。その……すまん、ありがとうよ。しかし、それでも金貨3枚は貰い過ぎだ。1枚でいい。」
そう言ってツェマーマンは金貨を1枚だけ取って残りをこちらに押し返した。
「わかりました。本当にお世話になりました。」
「あぁ、こっちも仕事を任せてもらって感謝している。なにかあればまた来い。」
「はい。それじゃあまた。」
そう言ってツェマーマンの工房を後にしていつもの場所でディメンジョンルームに入った。
食事を終え、お待ちかねの入浴タイムだ。俺は浴室に入ると給湯の魔道具とインゴットを取り出し、浴槽の縁に固定した。給湯の魔道具に魔石を2つ嵌めると勢いよくお湯が流れた。
「よしよし。あとは魔石一つずつでどのくらいお湯が溜まるかだな。簡単な魔法だから燃費はいいはずだけど浴槽のサイズがデカいからな。」
そのまましばらく様子を見ながら放置する。
「た、溜まらねぇ……。」
30分程放置したが全く溜まっていなかった。床下を確認したが漏れている様子もの無く、単純にお湯の供給量が少ないのが原因だと分かる。
「仕方ない。作り足すか。」
俺はインゴットを取り出し。同じ給湯の魔道具を3つ作り、最初の魔道具と並べて設置してお湯を流し始めた。
「これで秒間1リットルあるか無いかくらいか?あれ?もしかしてこの風呂を溜めるの絶望的?」
仮に秒間1リットルとして風呂が溜まる時間を計算する。
「ガルド、ロア、ダブが一緒に入るから満タンに入れる必要はない。それでも半分くらいは必要だよな。浴槽が6m×4m深さが俺の肩位だから1.5mくらいか?6×4×1.5で33.6㎥か?1㎥1000ℓだから33600ℓ。半分でいいとして16800ℓか?秒間1リットルだから16800秒。これを60秒で割ると……。280分でさらに60分で割ると4.666……。ほぼ4時間半じゃねぇか!」
俺は思わず計算に使っていたペンを叩きつけた。
「完全に失敗だ。でも今更解体するわけにも行かないし。はぁ~、給湯の魔道具を作り直すか。」
給湯の魔道具から魔石を抜くとわずかに溜まったお湯を抜いて、落ち込んだまま眠ることになった。
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