14 / 56
第十四話:不敬
しおりを挟む
竜胆が言った通り、凶鬼などの襲来は一切ないまま玖藻祭は最終日まで滞りなく進められ、大盛況に終わった。
今年は気候も穏やかで天気にも恵まれ、日奈子長公主の噂も相まって人出は過去最高だったらしい。
斎宮の代理に選ばれた娘がどんなものか、皆一目見たかったのだろう。
そして、見た者全員が言葉を失い、ただただ祈りをささげたという。
あふれ出る祈りの力に抱擁され、すっかり虜になってしまったようだ。
「では、わたしたちは陛下にでも報告に行きますか」
「あら! やっと私もあのおぼっちゃんとお話しできるのね」
「不敬すぎる……。そういういい方はダメですよ、流石に」
「だって、偉そうなんだもの」
「実際、偉いんです。この国で最上位に位置する存在ですから」
「まぁ、そうか。どっちの姿で挨拶するべき? 竜胆ちゃん? 竜胆くん?」
「竜胆ちゃんでお願いします。皇帝陛下はかつて戦場に出ていたこともあるお方。竜胆くんの姿で出て行ったら、すぐに禍ツ鬼だと指摘されてしまいますよ」
「それは困る。でも、この神職の装束飽きちゃった……」
とても切ない顔。竜胆はわたしの提案で女性のふりをすることとなり、さらには本当に女性の姿かたちで過ごすことになってしまった。
多少は希望を聞いてあげてもいいのかもしれないなと思った。
「……じゃぁ、一着だけ、ドレスを買ってあげますから。それでいいですか?」
「きゃぁああ! ありがとう翼禮! わたし、超大人しくするって誓う!」
「はいはい……」
ただ、ドレスは一日で出来るようなものではない。
今日のところはいつもの装束で主上に報告へ行き、その帰りに採寸しに洋装屋に行くことになる。
「どんなドレスがいいんですか?」
「もちろん、流行りのバッスル・スタイルドレスがいい!」
「……あの、お尻部分が盛り上がった布たっぷりの?」
「そう! 可愛いわよねぇ」
「いったいどこでそんな情報を仕入れてくるんですか……」
「ああ、玖藻神社の巫女さんたちとおしゃべりしたときに教えてもらったのよ」
「いつの間に……」
街行く人たちを見ていれば、どんな服装が流行っているのかはなんとなくはわかるのだが、わたしには服装について共通の趣味を持つ友人はいないため、竜胆の人間関係構築力には脱帽だ。
「でも、ドレスってコルセットとかいう拷問器具みたいな下着をつけなきゃいけないんですよね?」
「そうらしいわね! 楽しみだわ。かかって来いって感じ」
「ああ、なるほど……」
友人たちと同じだ。御洒落には我慢も必要なんだという。
わたしのように『楽で動きやすくて洗濯しやすくてすぐ乾く服が好き』というのとは次元が違うらしい。
杖に跨り内裏へ向かうと、獣化種族の凄腕大工組による工事がだいぶ進んでいた。
「わぁ、もう骨組みが出来ているじゃない!」
「流石ですね。宮大工の資格ももっている職人のみなさんですから。骨組みの段階からとても美しいです」
「それにみんな素敵ね……」
竜胆はうっとりとした表情で大工たちを眺めている。
「ああいう屈強な方々がお好みなんですか?」
「もちろん。性別関係なく、私はガタイの良い人が好きよ。私自身があんまり筋肉あるほうじゃないから、単に羨ましいのよね」
「なるほど」
「翼禮はどんなひとが好み?」
「ううん……。穏やかな老犬のようなひとですかね」
「うん、全然共感できない」
「よく言われます」
共感してもらったことは人生で一度もない。でも本心なのだから仕方がない。
「穏やかな老人じゃだめなの?」
「年齢はなるべく近い方がいいな、と思っているので。老犬というのは雰囲気のことですよ、雰囲気」
「へぇ……。そのまま育っていってね、翼禮」
「な、どういう意味ですかそれ」
「いいのいいの」
竜胆の満足そうな顔に少々の不満を感じながらも、主上を待たせるわけにはいかないので、ゆっくりと降下して紫宸殿へと降り立った。
簀子縁にあらわれたわたしたちを見つけた主上は、自ら近づいてきてくれた。
「おお、翼禮。それと……、竜胆だな。このあいだは満足に挨拶できなくて済まなかった」
「いえいえ、陛下。このようにお声がけいただき、恐悦至極にございます」
「うむ。楽にしろ。で、どうだった、玖藻祭は」
「滞りなく。陛下のお心遣いのおかげです」
「またそんな思ってもないことを。正直に言っていいと何度も……」
「今回は正直な感想です。陛下は妹君である日奈子様のためによく尽くされました。素晴らしい行いです」
「そ、そうか。なら、素直に受け取っておこう」
主上は嬉しそうに口元を隠しながら照れている。
「こちらが報告書です。何かご不明な点がありましたら陰陽省まで……」
「ああ、そうそう。所属を変えておいたぞ」
「……え」
主上は建築予定図を広げ、ある建物を指さした。
「いまはまだ完成していないが、麗景殿だったところを翼禮の仕事場として改装するから、好きに使うといい。竜胆のように、これからも仲間が増えるかもしれないだろう? 陰陽省は肩身が狭そうだし。かといって警察署はまた取り締まる対象が違うからな」
「あ、ありがとうございます……」
「内装に注文があれば、急なんだが明後日までに職人に伝えてほしい。なにしろ、新しく作る後宮の設備が思っていたよりも豪奢になりそうで……。時間が足りないのだ」
「わ、わかりました。内装は特に希望はありません。必要な家具の類は使いやすいものを自分で用意しますので……」
「じゃぁ、それにかかった費用をあとでまとめて書類にして提出してくれ。経費で払う」
「あ、はい……」
「じゃぁ、こちらからは翼禮への頼み事はないから、三日間くらいゆっくりするといい。私も工事にかかりっきりだからな。仕事をふってやれなくてすまん」
「あ、では東の太門の様子を見に行ってもいいでしょうか。もちろん、今日と明日は休みます」
「仕事熱心だなぁ。わかった。じゃぁ、東の太門は任せよう。報告はいつも通り書類で」
「はい。かしこまりました」
「うん。ゆっくりしろよ」
「ありがとうございます。では、失礼いたします」
わたしと竜胆は深く頭を下げ、再び杖に乗って空へと飛び立った。
「え、あれ? 良い奴じゃん」
「不敬」
「おっと、ごめんごめん。良い人だね、陛下」
「多分、妹の日奈子様のことが丸く収まったからだと思いますよ。陛下は姉妹を大事にしていらっしゃいますから」
「そのようだね。ご両親はいないの?」
「ああ、そこはまた複雑で。かつての大長公主様、つまり、先帝の叔母である月草の君が養母だったようです。今は特例として太皇太后という位に付き、隠居しておられます」
「へぇ……。太皇太后って、皇帝の祖母の中でも后だった人に贈られる称号よね?」
「そうです。陛下にとっては母親同然なので本当は皇太后という称号にしたかったようですが、年齢的にその地位がもたらす責務に身体がもたないということで、太皇太后になったようです」
「ものすごい高い地位よね?」
「そうですね」
「どういうことなの? 今の皇帝陛下って……、何者なの?」
「ううん、どうなんでしょうね」
「気にならないの?」
「平和に暮らせれば別に」
一瞬、目を逸らしてしまった。
主上とその周辺の人物ついて秘密裏に調べているなど、口には出せない。
「ふぅん。ふぅん」
「なんですか?」
忘れてしまいそうになるが、竜胆は禍ツ鬼だ。わたしの何百倍もの時間を生きている。
隠しても、わずかな表情の違いから読み取られてしまうだろう。
「なんでもなぁい。早くブティック行こ!」
「ああ、はいはい」
春の気候は本当におだやかだ。
人生も、こうであればいいのに、と、想わずにはいられない。
今年は気候も穏やかで天気にも恵まれ、日奈子長公主の噂も相まって人出は過去最高だったらしい。
斎宮の代理に選ばれた娘がどんなものか、皆一目見たかったのだろう。
そして、見た者全員が言葉を失い、ただただ祈りをささげたという。
あふれ出る祈りの力に抱擁され、すっかり虜になってしまったようだ。
「では、わたしたちは陛下にでも報告に行きますか」
「あら! やっと私もあのおぼっちゃんとお話しできるのね」
「不敬すぎる……。そういういい方はダメですよ、流石に」
「だって、偉そうなんだもの」
「実際、偉いんです。この国で最上位に位置する存在ですから」
「まぁ、そうか。どっちの姿で挨拶するべき? 竜胆ちゃん? 竜胆くん?」
「竜胆ちゃんでお願いします。皇帝陛下はかつて戦場に出ていたこともあるお方。竜胆くんの姿で出て行ったら、すぐに禍ツ鬼だと指摘されてしまいますよ」
「それは困る。でも、この神職の装束飽きちゃった……」
とても切ない顔。竜胆はわたしの提案で女性のふりをすることとなり、さらには本当に女性の姿かたちで過ごすことになってしまった。
多少は希望を聞いてあげてもいいのかもしれないなと思った。
「……じゃぁ、一着だけ、ドレスを買ってあげますから。それでいいですか?」
「きゃぁああ! ありがとう翼禮! わたし、超大人しくするって誓う!」
「はいはい……」
ただ、ドレスは一日で出来るようなものではない。
今日のところはいつもの装束で主上に報告へ行き、その帰りに採寸しに洋装屋に行くことになる。
「どんなドレスがいいんですか?」
「もちろん、流行りのバッスル・スタイルドレスがいい!」
「……あの、お尻部分が盛り上がった布たっぷりの?」
「そう! 可愛いわよねぇ」
「いったいどこでそんな情報を仕入れてくるんですか……」
「ああ、玖藻神社の巫女さんたちとおしゃべりしたときに教えてもらったのよ」
「いつの間に……」
街行く人たちを見ていれば、どんな服装が流行っているのかはなんとなくはわかるのだが、わたしには服装について共通の趣味を持つ友人はいないため、竜胆の人間関係構築力には脱帽だ。
「でも、ドレスってコルセットとかいう拷問器具みたいな下着をつけなきゃいけないんですよね?」
「そうらしいわね! 楽しみだわ。かかって来いって感じ」
「ああ、なるほど……」
友人たちと同じだ。御洒落には我慢も必要なんだという。
わたしのように『楽で動きやすくて洗濯しやすくてすぐ乾く服が好き』というのとは次元が違うらしい。
杖に跨り内裏へ向かうと、獣化種族の凄腕大工組による工事がだいぶ進んでいた。
「わぁ、もう骨組みが出来ているじゃない!」
「流石ですね。宮大工の資格ももっている職人のみなさんですから。骨組みの段階からとても美しいです」
「それにみんな素敵ね……」
竜胆はうっとりとした表情で大工たちを眺めている。
「ああいう屈強な方々がお好みなんですか?」
「もちろん。性別関係なく、私はガタイの良い人が好きよ。私自身があんまり筋肉あるほうじゃないから、単に羨ましいのよね」
「なるほど」
「翼禮はどんなひとが好み?」
「ううん……。穏やかな老犬のようなひとですかね」
「うん、全然共感できない」
「よく言われます」
共感してもらったことは人生で一度もない。でも本心なのだから仕方がない。
「穏やかな老人じゃだめなの?」
「年齢はなるべく近い方がいいな、と思っているので。老犬というのは雰囲気のことですよ、雰囲気」
「へぇ……。そのまま育っていってね、翼禮」
「な、どういう意味ですかそれ」
「いいのいいの」
竜胆の満足そうな顔に少々の不満を感じながらも、主上を待たせるわけにはいかないので、ゆっくりと降下して紫宸殿へと降り立った。
簀子縁にあらわれたわたしたちを見つけた主上は、自ら近づいてきてくれた。
「おお、翼禮。それと……、竜胆だな。このあいだは満足に挨拶できなくて済まなかった」
「いえいえ、陛下。このようにお声がけいただき、恐悦至極にございます」
「うむ。楽にしろ。で、どうだった、玖藻祭は」
「滞りなく。陛下のお心遣いのおかげです」
「またそんな思ってもないことを。正直に言っていいと何度も……」
「今回は正直な感想です。陛下は妹君である日奈子様のためによく尽くされました。素晴らしい行いです」
「そ、そうか。なら、素直に受け取っておこう」
主上は嬉しそうに口元を隠しながら照れている。
「こちらが報告書です。何かご不明な点がありましたら陰陽省まで……」
「ああ、そうそう。所属を変えておいたぞ」
「……え」
主上は建築予定図を広げ、ある建物を指さした。
「いまはまだ完成していないが、麗景殿だったところを翼禮の仕事場として改装するから、好きに使うといい。竜胆のように、これからも仲間が増えるかもしれないだろう? 陰陽省は肩身が狭そうだし。かといって警察署はまた取り締まる対象が違うからな」
「あ、ありがとうございます……」
「内装に注文があれば、急なんだが明後日までに職人に伝えてほしい。なにしろ、新しく作る後宮の設備が思っていたよりも豪奢になりそうで……。時間が足りないのだ」
「わ、わかりました。内装は特に希望はありません。必要な家具の類は使いやすいものを自分で用意しますので……」
「じゃぁ、それにかかった費用をあとでまとめて書類にして提出してくれ。経費で払う」
「あ、はい……」
「じゃぁ、こちらからは翼禮への頼み事はないから、三日間くらいゆっくりするといい。私も工事にかかりっきりだからな。仕事をふってやれなくてすまん」
「あ、では東の太門の様子を見に行ってもいいでしょうか。もちろん、今日と明日は休みます」
「仕事熱心だなぁ。わかった。じゃぁ、東の太門は任せよう。報告はいつも通り書類で」
「はい。かしこまりました」
「うん。ゆっくりしろよ」
「ありがとうございます。では、失礼いたします」
わたしと竜胆は深く頭を下げ、再び杖に乗って空へと飛び立った。
「え、あれ? 良い奴じゃん」
「不敬」
「おっと、ごめんごめん。良い人だね、陛下」
「多分、妹の日奈子様のことが丸く収まったからだと思いますよ。陛下は姉妹を大事にしていらっしゃいますから」
「そのようだね。ご両親はいないの?」
「ああ、そこはまた複雑で。かつての大長公主様、つまり、先帝の叔母である月草の君が養母だったようです。今は特例として太皇太后という位に付き、隠居しておられます」
「へぇ……。太皇太后って、皇帝の祖母の中でも后だった人に贈られる称号よね?」
「そうです。陛下にとっては母親同然なので本当は皇太后という称号にしたかったようですが、年齢的にその地位がもたらす責務に身体がもたないということで、太皇太后になったようです」
「ものすごい高い地位よね?」
「そうですね」
「どういうことなの? 今の皇帝陛下って……、何者なの?」
「ううん、どうなんでしょうね」
「気にならないの?」
「平和に暮らせれば別に」
一瞬、目を逸らしてしまった。
主上とその周辺の人物ついて秘密裏に調べているなど、口には出せない。
「ふぅん。ふぅん」
「なんですか?」
忘れてしまいそうになるが、竜胆は禍ツ鬼だ。わたしの何百倍もの時間を生きている。
隠しても、わずかな表情の違いから読み取られてしまうだろう。
「なんでもなぁい。早くブティック行こ!」
「ああ、はいはい」
春の気候は本当におだやかだ。
人生も、こうであればいいのに、と、想わずにはいられない。
0
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
雪嶺後宮と、狼王の花嫁
由香
キャラ文芸
後宮に降る雪は、呪いではなく嘆きだった。
巫女として献上された少女セツナは、
封じられた狼王の“花嫁”としての前世を思い出す。
人と妖、政と信仰の狭間で、
彼女が選ぶのは従属ではなく均衡。
雪嶺を舞台に描く、異種婚姻×後宮伝承譚。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる