44 / 56
第四十四話:四季
しおりを挟む
「昼飯が出来たぞ。良い天気だから滝が見える場所で食べようじゃないか」
「ありがとうございます」
「ふぅ。一休みだな」
わたしと竜胆は本の山から解放され、肩や首をバキボキと鳴らしながら外へと出た。
良い香りが漂っている。
「肉を食え! とにかく、肉だ」
あらゆる調理法で魅惑的な味付けを施された肉料理が、所狭しと並べられた円形のテーブル。
香りだけで白米が食べられそうだ。
「蒸し野菜もたんまりあるからな。白米はおかわり無限だ!」
午前中は脳味噌をフル回転させながら資料を読み漁った。
今はもう、食事のことしか考えられないほどお腹が空いていた。
「いただきます!」
「いただきまーす!」
「召し上がれ!」
箸が止まらない。目も止まらない。
これを食べたら次はあれを食べてまたそれを食べてあっちを飲んで……。
照りのある肉や湯気を上げている野菜が満腹中枢を破壊していく。
これならいくらでも食べられてしまいそうだ。
「うんうん! 二人とも言い食べっぷりだな!」
「とっても美味しいです」
「胡仙はなんでも上手だよね。私も見習いたいよ」
「竜胆は食に無頓着だからな。服よりも食べ物を買え」
「ば、バレてる……」
わたしたちは和やかな雰囲気の中いつもの何倍もの食事を摂った。
机の上には空の皿と蒸籠が積み重なり、ちょっとしたオブジェ位の迫力がある。
「八人前を食べきるとはね」
「残す計算だった?」
「いや、食べると思っていたよ」
「でしょ? 私、胡仙が作ってくれたご飯は残したことないもの」
「そうだったな」
胡仙は机に並ぶ空の食器を見て嬉しそうに頷いた。
「翼禮もよく食べるんだな」
「任務に出てしまうといつも食事は後回しにしてしまうので、こういうがっつり食べられるときは貴重な気がして。いつもより食べてしまいます」
「あはははは! その気持ちはわかる」
「ごちそうさまでした」
「うむ。作った甲斐があるというものだ」
三人で一緒に食器を洗い、片付けた後はまた資料探しに戻った。
「翼禮は日常では仙術を使わないのか?」
「ああ、いや、使うこともありますよ」
「皿を洗う時、手でやっていたから、ちょっと興味があってな」
「それは母にそう言われているからです。自分の手足以上に信頼できる道具は無い、と。人様の品物に触れるときには、一番信用しているもので扱うほうがいいかな、と思いまして」
胡仙は少し照れたように笑うと、わたしを見ながら優しく微笑んだ。
「翼禮のお母上と気が合いそうだ。その心遣い、とても嬉しいよ」
「ふふふ。よかったです」
まだまだ目を通していない本や木簡がたくさんある。
わたしたちは手分けして地下五階まである図書館を行き来し、失われた言語で書かれた文章のありかのヒントを探った。
その時、ドタドタと階段を降りてくる音が館内に響いた。荒い息遣いも聞こえてくる。
「ふ、ふふ、ふ、胡仙様ぁぁぁああ!」
「どうしたどうした。そんなに慌てるなんて珍しいな」
「四季族が内戦になりそうなんです!」
「……夏家と秋家か」
「はいぃぃいぃ」
胡仙は急いで図書館を出ると、大きな会議室の有る三階へと走っていった。
わたしと竜胆もただ事ではないと感じ、その後を追った。
「どうなさったんですか?」
会議室に入り、華丹国の地図を広げる胡仙の顔は険しい。
「四季族というのはもともと屍来族という、華丹国王族に仕えてきた闇の一族だった」
胡仙は地図に印をつけながら話し続けた。
「華丹国内の争いがひと段落ついたとき、影の存在として大きく貢献した屍来族は、当時の国王から新たな役職と家名を得た。それが四季族であり、代表となる四家の春家、夏家、秋家、冬家がそれぞれ取り仕切っている。彼らは様々な種族や民族を家族に迎え、それぞれを大きな家へと成長させていった。そんな中、それが原因で土地の権利についていざこざが起こり始めたのだ」
そう言うと、胡仙は弟子たちにいくつか品物を持ってこさせた。
「簡単に言うと、国境線の書き換えのようなことだな。例えば、春家の土地だと主張していた場所から、冬家にちなんだ遺物が出土し、それに習って土地の境が変更になる、といった感じだ」
胡仙は品物を箱から出し、地図上に並べた。
「これはかなり複雑でデリケートな問題なのだ。四家は本当に様々な民族を家族として取り入れてきたことで、それぞれの民族が持っていた神域や固有の文化や伝統、土地も支配下においてきた。そのせいで、領地の問題が現在まで続いているというわけだ」
「大変ですね……」
「そうなのだ。もう、歴史学者や地質学者、考古学者、古生物学者、法人類学者まで巻き込んでの騒動だからな。奎星楼にもたびたび依頼が来るのだが……。のらりくらりと交わしていたらこうだ。ついに戦争を始めようとするとは……」
「夏家と秋家が仲が悪いんですか?」
「ああ。春家と冬家は何世代か前に婚姻関係を結び、土地に関しても平和的な解決を続けている。だが、夏家と秋家は……。取り入れた種族も好戦的なのが多くてな。今でも華丹国の軍事では強い権力を持っている。どうしようもない馬鹿どもだ、まったく」
胡仙は地図に戦地となった時に巻き込まれてしまいそうな市民が住む地域を書き込み、大きく溜息をついた。
「すまない、翼禮、竜胆。今度ばかりは放っては置けない事態になってしまった。だから……」
申し訳なさそうに顔を下げ、溜息をつく胡仙の姿に胸が痛んだ。
わたしは考えることもなく、選択した。簡単なことだ。
「手伝います。もちろん」
「そうだよ、胡仙。私たち強いんだよ。とってもね」
同調してくれた竜胆は、わたしの選択を偉く気に入ったようで、とてもニコニコとしている。
「で、でも、烏羽玉の母親の調査が……」
「大丈夫です。烏羽玉も手酷い怪我で今は何もできないでしょうし」
「そうそう。翼禮が切り刻んだからね」
「その言い方はちょっと猟奇的すぎませんか」
「でも、合ってるよ」
「ぐぬぬ……」
わたしと竜胆の提案にどこかほっとしたように胡仙は微笑んだ。
「ありがとう、二人とも。是非、力を貸してくれ」
「はい!」
「腕が鳴るね」
わたしと竜胆はさっそく胡仙から四季族について教えを受けた。
何も知らないまま行って余計にこじらせることになったら本末転倒だ。
ただ、どう話し合っても埒が明かない場合、最終的には武力でどうにかするつもりだ。
わたしの一族は、そうやって生きてきたのだから。
「ありがとうございます」
「ふぅ。一休みだな」
わたしと竜胆は本の山から解放され、肩や首をバキボキと鳴らしながら外へと出た。
良い香りが漂っている。
「肉を食え! とにかく、肉だ」
あらゆる調理法で魅惑的な味付けを施された肉料理が、所狭しと並べられた円形のテーブル。
香りだけで白米が食べられそうだ。
「蒸し野菜もたんまりあるからな。白米はおかわり無限だ!」
午前中は脳味噌をフル回転させながら資料を読み漁った。
今はもう、食事のことしか考えられないほどお腹が空いていた。
「いただきます!」
「いただきまーす!」
「召し上がれ!」
箸が止まらない。目も止まらない。
これを食べたら次はあれを食べてまたそれを食べてあっちを飲んで……。
照りのある肉や湯気を上げている野菜が満腹中枢を破壊していく。
これならいくらでも食べられてしまいそうだ。
「うんうん! 二人とも言い食べっぷりだな!」
「とっても美味しいです」
「胡仙はなんでも上手だよね。私も見習いたいよ」
「竜胆は食に無頓着だからな。服よりも食べ物を買え」
「ば、バレてる……」
わたしたちは和やかな雰囲気の中いつもの何倍もの食事を摂った。
机の上には空の皿と蒸籠が積み重なり、ちょっとしたオブジェ位の迫力がある。
「八人前を食べきるとはね」
「残す計算だった?」
「いや、食べると思っていたよ」
「でしょ? 私、胡仙が作ってくれたご飯は残したことないもの」
「そうだったな」
胡仙は机に並ぶ空の食器を見て嬉しそうに頷いた。
「翼禮もよく食べるんだな」
「任務に出てしまうといつも食事は後回しにしてしまうので、こういうがっつり食べられるときは貴重な気がして。いつもより食べてしまいます」
「あはははは! その気持ちはわかる」
「ごちそうさまでした」
「うむ。作った甲斐があるというものだ」
三人で一緒に食器を洗い、片付けた後はまた資料探しに戻った。
「翼禮は日常では仙術を使わないのか?」
「ああ、いや、使うこともありますよ」
「皿を洗う時、手でやっていたから、ちょっと興味があってな」
「それは母にそう言われているからです。自分の手足以上に信頼できる道具は無い、と。人様の品物に触れるときには、一番信用しているもので扱うほうがいいかな、と思いまして」
胡仙は少し照れたように笑うと、わたしを見ながら優しく微笑んだ。
「翼禮のお母上と気が合いそうだ。その心遣い、とても嬉しいよ」
「ふふふ。よかったです」
まだまだ目を通していない本や木簡がたくさんある。
わたしたちは手分けして地下五階まである図書館を行き来し、失われた言語で書かれた文章のありかのヒントを探った。
その時、ドタドタと階段を降りてくる音が館内に響いた。荒い息遣いも聞こえてくる。
「ふ、ふふ、ふ、胡仙様ぁぁぁああ!」
「どうしたどうした。そんなに慌てるなんて珍しいな」
「四季族が内戦になりそうなんです!」
「……夏家と秋家か」
「はいぃぃいぃ」
胡仙は急いで図書館を出ると、大きな会議室の有る三階へと走っていった。
わたしと竜胆もただ事ではないと感じ、その後を追った。
「どうなさったんですか?」
会議室に入り、華丹国の地図を広げる胡仙の顔は険しい。
「四季族というのはもともと屍来族という、華丹国王族に仕えてきた闇の一族だった」
胡仙は地図に印をつけながら話し続けた。
「華丹国内の争いがひと段落ついたとき、影の存在として大きく貢献した屍来族は、当時の国王から新たな役職と家名を得た。それが四季族であり、代表となる四家の春家、夏家、秋家、冬家がそれぞれ取り仕切っている。彼らは様々な種族や民族を家族に迎え、それぞれを大きな家へと成長させていった。そんな中、それが原因で土地の権利についていざこざが起こり始めたのだ」
そう言うと、胡仙は弟子たちにいくつか品物を持ってこさせた。
「簡単に言うと、国境線の書き換えのようなことだな。例えば、春家の土地だと主張していた場所から、冬家にちなんだ遺物が出土し、それに習って土地の境が変更になる、といった感じだ」
胡仙は品物を箱から出し、地図上に並べた。
「これはかなり複雑でデリケートな問題なのだ。四家は本当に様々な民族を家族として取り入れてきたことで、それぞれの民族が持っていた神域や固有の文化や伝統、土地も支配下においてきた。そのせいで、領地の問題が現在まで続いているというわけだ」
「大変ですね……」
「そうなのだ。もう、歴史学者や地質学者、考古学者、古生物学者、法人類学者まで巻き込んでの騒動だからな。奎星楼にもたびたび依頼が来るのだが……。のらりくらりと交わしていたらこうだ。ついに戦争を始めようとするとは……」
「夏家と秋家が仲が悪いんですか?」
「ああ。春家と冬家は何世代か前に婚姻関係を結び、土地に関しても平和的な解決を続けている。だが、夏家と秋家は……。取り入れた種族も好戦的なのが多くてな。今でも華丹国の軍事では強い権力を持っている。どうしようもない馬鹿どもだ、まったく」
胡仙は地図に戦地となった時に巻き込まれてしまいそうな市民が住む地域を書き込み、大きく溜息をついた。
「すまない、翼禮、竜胆。今度ばかりは放っては置けない事態になってしまった。だから……」
申し訳なさそうに顔を下げ、溜息をつく胡仙の姿に胸が痛んだ。
わたしは考えることもなく、選択した。簡単なことだ。
「手伝います。もちろん」
「そうだよ、胡仙。私たち強いんだよ。とってもね」
同調してくれた竜胆は、わたしの選択を偉く気に入ったようで、とてもニコニコとしている。
「で、でも、烏羽玉の母親の調査が……」
「大丈夫です。烏羽玉も手酷い怪我で今は何もできないでしょうし」
「そうそう。翼禮が切り刻んだからね」
「その言い方はちょっと猟奇的すぎませんか」
「でも、合ってるよ」
「ぐぬぬ……」
わたしと竜胆の提案にどこかほっとしたように胡仙は微笑んだ。
「ありがとう、二人とも。是非、力を貸してくれ」
「はい!」
「腕が鳴るね」
わたしと竜胆はさっそく胡仙から四季族について教えを受けた。
何も知らないまま行って余計にこじらせることになったら本末転倒だ。
ただ、どう話し合っても埒が明かない場合、最終的には武力でどうにかするつもりだ。
わたしの一族は、そうやって生きてきたのだから。
0
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
【短編】記憶を失っていても
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
7年以上前の記憶のない平民出身のラチェルは、6年前に娘のハリエットを生んでからグリオス国のアンギュロスの森付近の修道院で働きながら暮らしていた。
そんなある日ハリエットは見たことのない白銀色の大樹を見つけたと、母ラチェルに話すのだが……。
これは記憶の全てを失ったラチェル──シェシュティナが全てを取り戻すまでのお話。
※氷雨そら先生、キムラましゅろう先生のシークレットベビー企画開催作品です( ´艸`)
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる