ねえ、好き。知ってる。

郗櫲乃

文字の大きさ
1 / 1

1

しおりを挟む
「千草、はい、あーん。」

「やめろって。」

「美味しいのに~」

大学の食堂で、俺、船橋千草と桐生翔は、二人で食事をとっていた。時間的には少し早いが、お昼時は人が多すぎてゆっくり食事なんて出来ないからな。

翔は中高から一緒の友人だ。中高一貫の男子校だった。せっかく顔が良いんだから、女の子と青春でもすれば良いものを、ずっと俺と居る。

その理由は単純。こいつは、俺が好きだから。
ゲイやらホモやらとかいうやつじゃなくて、好きになった奴がたまたま男だったやつだと。

中高一貫の男子校だったし、あるあるなのかもしれないけど。

でも別に俺らは付き合っている訳じゃない。
というか告白もされていない。

じゃあ、なんでそんな話を俺が知っているかって?

こいつが色んな意味でアホだからだ。

「えっと.....と、友達の話なんだけどさー....」

翔は友達が多かったから最初は鵜呑みにして、コイツも男子校という特殊空間に飲まれたか...と色々聞いてやっていたが、色々アドバイスした事を、俺に実践してきた。

しかも、大学も学部も学科も全部ついてきた。

ここまでやられて気づかないほど俺は鈍くは無い。

友達の話イコール自分の話だと言うのはよくある話だしな。

大学に入って以降は知り合いが全然いないのをいい事に、ずっと俺にベッタリだった。

「翔、レポート良いのか?」

「うん?終わってるよ?だから、こうやって千草とのんびり出来るんじゃん。」

「....それもそうか。今日はどうする?」

「........うちで、ゲームしよ」

「分かった。」

別に俺としても、離れる理由はないからずっと一緒に居るんだけど。

時々こうして互いの家の遊びに行くくらいには元々仲が良い。

最近は随分と頻度が減ったけどな。

ああ、でも最近、翔んち行く時はいつも2人きりだな。

....今日もまた2人きりだった。

「今日こそ捕まえようね。」

「ああ。」

二人で肩を寄せ合い、ゲームをするのももういつもの事。
しばらくして、ようやくゲームの中の幻のクリーチャーを捕まえた。

「やったー!!」
「ようやく...!」

なんせおよそひと月も苦労していたからな。

俺たちは喜びでお互いを抱きしめた。

そしてそのまま、翔は俺にもたれかかった。

「.....ねえ、千草。」

「なに?」

「ちゅーして良い?」

「.....どうして?」

「したいから。」

「俺と?」

「うん。」

「....良いよ。」

ムードもへったくれもないファーストキス。

唇だけかと思ったら、翔は舌を入れてきた。
でもお互い初めてだから、下手くそも下手くそ。

でもそれでも、なんだかくすぐったくて。

「あのさ、千草。」

「ん?」

「大好き。愛してる。」

「.....知ってる。」

「....だと思った。」

お互いくすくすと笑った。

「もっとちゅーして良い?」

「良いよ。」

俺らはまた下手くそなキスをした。
そのキスは首筋へとどんどん下がっていく。

「もっとねだったら怒る?」

「怒ると思う?」

「じゃあ、もっと貰うね。」

翔は俺の服を捲り上げた。キスがどんどん下へ下へと降りていく。

2人の欲望は昂っていた。

「っ。翔、触りたい....っ」

「.....今日はダメ。」

「分かった。」

翔は俺の肉棒を口に咥えた。
そして絶頂に達する少し前で止めた。

「?」

「....初めてだから、気持ちよくなかったらごめんね。」

翔は自分の後孔に、俺の肉棒を咥えていた。

「解してたのか?」

「んっ....俺はいつでも準備万端で誘ってたの。んっ....ちょっと、告白のタイミングとかっ、勇気とか、無かっただけだし。」

「そっか。通りで最近ずっと、ここに来ると2人きりが多いと思った。」

「誘うのは絶対俺からが良いって....っ、思って、た、からっ。はぁ.....っ、全部、入った....」

「苦しくないのか?」

「大丈夫っ....!」

翔は俺の上で上下に動き始めた。
喘ぐ翔はかなり扇情的だった。

「っ!あっ、んっ...!は、あっ....ち、ぐさぁ....んんっ」

キスをして抱きしめた。

「ああっ..!んっ、んっ!!....はぁ....」

「くっ....」

翔がイッたみたいだ。すごく締め付けられて、持っていかれそうになった。

翔の痙攣が収まると、ゆるゆるとまた動き出した。

「おい....」

「千草、を、イカせるからっ!」

「っ...!しょ....待って....っ....」

「あっ....はぁ...はぁ....っ....」

そんなに時間は経たずに、翔がまた達してその締め付けで俺も達した。

お互いの呼吸音が部屋に響く。

「やったね....千草のせーえきゲット。」

「....早く出さないと腹壊すぞ。」

「後で。今幸せを噛み締めてんの。」

俺らは抱きしめあったままキスをした。

「また今度、俺が千草を開発するから、良いよね?」

「....好きにしろ。」

「千草ってさ、言葉にしないだけで、すごく表情豊かで可愛いよね。今もだって....俺が大好きって顔してる。」

「......俺はお前のもんだろ。ずっと昔から。」

「知ってる。そんな千草が大好きだよ。」

「........うん。俺も......好き....。」

俺らは再びキスをした。


それからというもの、
無事お付き合いを始めても、元々の距離が近かったから、あんまり変わらない。

体の関係が増えたくらい。

俺はあれ以降、よくズブズブに溶かされるようになった。

翔の気分によって入れる側は変わるけど、物理的な上下は結局変わらない。

自主性を持てって?

なんか、翔といると、翔の好きにしてって思ってしまうんだ。

まあ、そのくらい、翔を信用しているし、愛してるって事なんだけどさ。





END
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

Memory

yoyo
BL
昔の嫌な記憶が蘇って、恋人の隣でおねしょしてしまう話です

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...