俺たちの恋事情

郗櫲乃

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アレからは昼食をよく一緒に取るようになった。
ティムの友人も一緒にだが。
愉快な仲間たちばかりで楽しい連中だ。

女たらしに食に目がない奴、厳ついムキムキマッチョとか、な。

「今度、大規模なマッチングパーティーがあるんだ。皆独身だろ?行かないか?」

さすが女たらし。たらしこみすぎて振られまくって結果独身。そういった情報が早い。

俺はそういう所苦手だから行きたくないな。

「俺はパ__」

「行こう。な、ルクス。」

「え、いや、俺は...」

「よっし決定だな。」

行きたくない.....すっごく嫌だ。なんで今回はこいつこんな強引なんだよ。

その夜ティムから連絡が来た。

『パーティーの件、ごめん。嫌がってたのに。でも、君に自信をつける良い機会かと思って。絶対に誰かと仲良くならないといけない訳じゃないし、困ったらいつでも俺の元に居ていいから。』

『許さん。バァカ。余計なお節介め。お前のそばから離れてやんないぞ。』

『ごめんて、分かった。それで良い。良い感じの服持ってる?持ってないならお詫びにコーディネートさせて欲しいな。』

『仕方ない。許そう。』

『やった! ありがとう!じゃあ、次の週末な!』

『分かった。』

ふん....大規模なパーティーなら食事はさぞ豪勢なんだろうな。それ目当てってことにするしかねえ。

週末またティムと二人で出かけるのか。
...............あれ...?なんか、デートみたいじゃね...?

いや、考えすぎ。色々引っ張られすぎ。

今回はあいつが悪いからお詫びは当たり前だ。
うん。気にするな。よし。



いざ週末。
待ち合わせして行くのはオシャレな服屋

「うーん、そうだな....細身のパンツはマストで....」

いくつかハシゴして納得のいく組み合わせを探すティム。
こだわりすぎて俺は疲れた。

「よし、これなら良いんじゃないか?かっこいいも可愛いも両立したスタイル。1番君らしさが表せていると思うんだがどうだろう!」

「お前がそういうならそうなんだろう。俺は服のセンス皆無だからな。あまりにも変すぎなければお前のセンスに全投げだ。」

「じゃあきまり!ごめんな、疲れさせて。ご飯食べてゆっくり休んでから帰ろう!」

「うん、そうして。」

近くのレストランに入ってゆっくり休んだ。

お金は払うって言ったけど、ほとんどティムが払った。

くっ....男だ.......


パーティー当日。俺たちはまとまって会場に行く。
なかなか大きい会場だった。

いざパーティーが始まると男女ともに顔の良い人達は大人気だ。

「あ...」

俺以外のメンバーにも女性が集まっている。

意図せずとも俺は孤立した。

.......帰りたい。何が自信をつける良い機会だよ。

現実を突きつけられただけじゃんか。

俺は中途半端で男でも女でもない。可愛くもかっこよくもない。人に...好かれることもない。

抜け出しても良いかな....

「あ、あの!!」

「?」

「失礼ですが、あなたは、男性....ですか?」

「....いえ、両性です。」

「.....!! そうですか! あ、あの....良かったら少しお話...」

「あら、あなた両性?じゃあ、子どもを作れるわね!てっきりボーイッシュな女性かと思ったわ。うちの親から孫を早くってうるさくって。あなたみたいな可愛い人に孕まされるなら本望!私とお試しに付き合わない?」

「え!?」

「あの、僕が先に...!」

二人で口論が始まった。
そのすきに他の人もやってくる。

「自分、こういう者です。」
「あのー、素敵な人だなと....」
「君可愛いね」

「えっと、その....」

なんだよこの状況....出会いに貪欲といえば聞こえは良いのかもしれないが、手当り次第か!?

ちょっと....に、逃げる。

「あっ!」

人だかりの隙間を縫って、ティムの元へ駆け込んだ。

「ルクス?」

「逃げてきた。」

「逃げ....ああ、良かったじゃん、人気者。」

「人気者....?」

いや、見境がないだけだろあれは。

「色んな人と出会うことが目的だから、そりゃ色んな人に話しかけるけど、流石に眼中に無い人には話しかけないでしょうよ。皆、多少なりとも君が伴侶に良さそうと思ったから、話しかけてるんだよ。」

「うっ.....」

「君が思ってる以上に、君は魅力的だって、分かったろ?」

「.............ふん...わからん...。」

やっぱり、苦手だ。こんな場所。







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