使役したい召喚獣と、使役されたくない召喚士ちゃん

Lesewolf

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第五章 モントシャイン学園・???編

第27話 いくぜぇ! 怖くないんだああ

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 放課後。旧校舎へ向かおうとしていると、ロジャーとワッツが声をかけてきた。

「おいステラ、旧校舎へ行くのか? あ、危ないだろ」
「ロジャーさん、ワッツさん。でも、どうしても確かめたいことがあるのです」
「なんだよそれ……。危ないから、お、俺も一緒にいってやるよ」
「ありがとうございます。ミミィを誘ったら、興味がないと返されてしまいました」

 ステラは嬉しそうに微笑んだが、ロジャーはガクガクと震えていた。大丈夫なのか、ロジャーよ。

 バラの庭園を抜けると、旧校舎が目の前に広がった。古めかしいゴシック調の建物は、どうみても学園には見えなかった。神殿か何かのような、お城のようにも見える。

 不意に草を踏む音が聞こえ、ブルーとロジャーは慌てて振り返った。

「せ、セレーネ⁉」
「あら、ぞろぞろとどうしたのです?」
「こ、こんばんは……」

 そこには、同じクラスのセレーネと、セレーネの使役している召喚獣で妖精型のランがいた。ランは心配そうにブルーとロジャーを交互にみつめた。

「どうしたじゃねーよ。お前らも、幽霊を見に来たのか?」
「え? 幽霊?」
「知らないのか? 旧校舎に出るっていう、幽霊の話だよ」
「あんた、そんなもの信じているの? バカバカしい」
「んなっ‼ なんだよ、見たってやつがいるんだよ。ふわふわと光が浮かんでいるのが見えたり、呪文みたいなのが聞こえたりって……」

 セレーネはステラを見つめた。びびっているブルーとロジャーはそっちのけだ。ステラは特に怖がっている様子もなければ、面白がっている様子もない。

「ステラさんも幽霊を見に?」
「うーん、困りごとがあれば、聞いたほうがいいかなと思いまして」
「あなた、お人よしすぎるわ」
「そうでしょうか……」

 ワタワタするランが間に入った。

「まあまあ……。ステラさんは、幽霊が怖くないのですね」
「そうですね。本当にいるかどうかはわかりませんけれど」
「そうね、それについては同感よ。じゃ、私たちはこれで……」

 そういうと、二人はバラの庭園に入っていった。残された四人は旧校舎を見上げた。夕日がかげっており、もうすぐ夜になろうとしている。

 そのとき、さっと何か黒い影が横切るのを、ブルーとロジャーは目撃した。

「ギャー!」
「うるせーな、ブルー! びびらせるな!」
「え、どこですか?」

 キョロキョロするステラとワッツだったが、それらしき影など見えない。

「かかかかかかかか帰ろう、ステラ!」

 涙目でうろたえるブルーに対し、ステラはゆっくりと頷いた。

「そうしましょうか。ご飯の時間ですし」
「おいおい、ご飯の心配かよ」
「ロジャーさんとワッツさんも、ご飯に行きませんか?」
「え。そ、そうだな。お前がどうしてもっていうなら……」

 ロジャーはステラへ手を差し出した。

「ほら。もうだいぶ暗いし」
「ありがとうございます、ロジャーさん」

 手をつなぐ二人の後ろを、ワッツにしがみついたブルーが歩いていく。

「ブルーさん、ちょっと苦しいです」
「怖くない、怖くない、怖くない……」
「ブルーさん、大丈夫ですよ! 何もいませんでしたから!」

 ワッツは必死でブルーをなだめていた。

 ◇◇◇


 次の日も、ステラとブルーは旧校舎へ向かった。バラの庭園の出口に差し掛かると、そこにはランが一人でたたずんでいた。

「ランさん、どうしたのです?」
「あ、ステラさん。いえ、別に何も……」

 ランは旧校舎を一度だけ見つめると、トボトボと庭園を後にしていった。

「どうしたのでしょう。ランさん……」
「そういえば、今日の授業でも居眠りしてたって、先生に怒られてたな」
「珍しいですね、真面目で責任感の強いランさんが……」
「お化けに怖がって、眠れなかったんじゃないか?」
「ふふ。ブルーと同じでね」
「ステラ、ひどい……」

 笑いながら旧校舎へたどり着いた。周囲には誰もいない。旧校舎は白い材質で出来ており、不気味に聳え立っていた。

「何もないですね」
「そうだな。やっぱり幽霊なんていなかったんだ」
「残念です」
「ステラだけな……」
「じゃあ、ご飯に行きましょうか。ロジャーさんも呼んでいましたし」
「そうだな! 飯飯!」

 二人はそう言うと、仲良く旧校舎を後にした。バラの庭園を抜けるたびに、ブルーは周囲への警戒を怠らなかった!

― びびりまくりのブルー。幽霊なんて本当にいるのかな? つづく! ―
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