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電話ボックス
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愛華の仕事の指示は的確だった。慣れないない美代のサポートも、しっかりこなしてくれる良き先輩であった。
部活の時だけじゃなく、校内で出会ったときも周囲に「あたしの自慢の後輩なの!」と、友人たちにも紹介するほど、愛華は美代を気に入っていることを見せびらかした。
美代は嬉しい反面、彼女の持つ香りと、彼女のもう一つの顔が、どうしても好きにはなれなかった。
「勝也ー! みんなー! ドリンクとタオルだよー!」
部活が始まると、愛華は必ず勝也の名前を呼び、彼にだけドリンクとタオルを差し出していた。ほかの人たちには、みんなカゴから取らせているのにだ。
なにより、ドリンクづくりは絶対に、美代にはやらせなかった。
「ドリンクには、ちょっと特別なことしてるの。さすがの美代ちゃんにも、まだ教えられないかな~」
いつもそう言って、美代には洗濯や練習試合のときの審判役に小さな雑務をやらせた。また部活終了時には、床をモップ掛けをすることもあれば、ボールに空気を入れていることもある。しかし、終わりの作業のとき、愛華は「部誌を書かなきゃいけないから」といつも居なくなってしまうのだ。
美代はそれをどことなく不満に思うものの、右も左もわからない状態の今の自分に、文句を言う資格はないと、黙々と作業をする。それは今でも変わらない。
部活の時だけじゃなく、校内で出会ったときも周囲に「あたしの自慢の後輩なの!」と、友人たちにも紹介するほど、愛華は美代を気に入っていることを見せびらかした。
美代は嬉しい反面、彼女の持つ香りと、彼女のもう一つの顔が、どうしても好きにはなれなかった。
「勝也ー! みんなー! ドリンクとタオルだよー!」
部活が始まると、愛華は必ず勝也の名前を呼び、彼にだけドリンクとタオルを差し出していた。ほかの人たちには、みんなカゴから取らせているのにだ。
なにより、ドリンクづくりは絶対に、美代にはやらせなかった。
「ドリンクには、ちょっと特別なことしてるの。さすがの美代ちゃんにも、まだ教えられないかな~」
いつもそう言って、美代には洗濯や練習試合のときの審判役に小さな雑務をやらせた。また部活終了時には、床をモップ掛けをすることもあれば、ボールに空気を入れていることもある。しかし、終わりの作業のとき、愛華は「部誌を書かなきゃいけないから」といつも居なくなってしまうのだ。
美代はそれをどことなく不満に思うものの、右も左もわからない状態の今の自分に、文句を言う資格はないと、黙々と作業をする。それは今でも変わらない。
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