逢魔が時。それは人と人ならざるモノたちが出逢う時

岡本梨紅

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電話ボックス

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 美代と勝也が付き合いだしたことは、なぜかまたたに学校に広まってしまった。

「ちょっと美代! あんた、どういうこと!?」

 友人たちも話を聞きつけたのか、美代に詰め寄る。

「えっと、この間、勝也先輩から告白されて……」
「きゃー! うっそー!」
「う、うん」

 友人のテンションの高さについて行けず、美代は引き気味になりながらうなずく。

「でも、よかったね。美代、勝也先輩のこと好きでバスケ部のマネージャーになったんだもんね」
「先輩のバスケをしてる姿が好きなの。まぁ、今は全部、好きだけど」
「もうっ! 惚気のろけを聞かせてくれなくていいったら! とにかく、おめでとう!」
「ありがとう」

 美代は照れたように笑った。

 美代は懸念けねんしていることがあった。それは、勝也は学校一の人気者。同級生の女子や先輩女子たちに、いじめられるのではないかと。しかし、

「勝也くんと、付き合ってんのってあなた?」
「は、はい」
「そう……。なにか困ったことがあったら言って。手助けしてあげるから」
「へ?」
「そうそう。特に星宮さんには、注意してね。特に最近、荒れてるから」
「あ、ありがとうございます!」

 先輩たちに声をかけられても、美代のことを案じる言葉ばかりで、いじめられることはなかった。

「美代ちゃん。帰ろう」
「はい、勝也先輩」
「仲がいいすね! 先輩!」
「お幸せに~」
「うるせぇぞ! おまえら!」

 ひやかしてくる仲間たちに勝也は怒るが、その顔は真っ赤になっている。それを見て、美代はクスクスと笑う。

(思わぬ展開で、勝也先輩とお付き合いできるようになって、本当に幸せだなぁ)

 美代は隣を歩く勝也を見て思う。周りからもひどいことされるどころか、祝福される始末。これからこの幸せはずっと続くのだと思うと、嬉しさで心がいっぱいになる。

 そう。あの時までは、この幸せは続くものだと思っていたんだ……。
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