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家出令嬢のお受験①
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とうとう、この日がやってきた。
王立学園入学試験日!
メリアナは公爵家の紋章が入った馬車に揺られながら、最後の座学を詰め込みに詰め込んでいた。
隣で、侍女のリーナは主人の最後の悪あがきを邪魔しないように静かに控えていた。
やれることはやった。
気掛かりがあるとすれば、基礎魔力の計測が最後にできなかったことなんだけど、、、。
基礎魔力の計測は大掛かりで基本的には7歳になる子を集めて計測する機会がある。
それ以外だと神殿に大金を払って頼むか、学園での入学試験や勤め先へ就職をするとき等と機会が決まっている。
メリアナは、神殿への依頼をギリギリのところで申請したが、他にも入試を控えている貴族たちが予約していたため、遅れて行動したメリアナは入試当日に間に合わなかったのだ。
最後に自分の実力がわかる瞬間が入試日ってところは不安だけれど、座学は自信あるし、あとは師匠と切磋琢磨した日々を思い出して挑むのみ!
メリアナは新たな世界への門出に少し緊張していたが概ね楽しんでいる様子であった。
「お嬢様、到着です、準備はできましたか?」
リーナが少し緊張した様子でメリアナに声かける。
メリアナは少し微笑んで微笑んで、ええ、行きましょうと答え、馬車を優雅に後にした。
俺は、とんでもない化け物を生み出してしまったのかもしれない。
お久しぶりです、シード・ライアット 18歳、独身です。
ゴリラ上官の命令で、孫娘のお守り、、、いや、入試までの期間家庭教師を任されたため、上官命令は絶対!な騎士団の規律上断ることが不可能であったため渋々!仕方なく!受け入れた。はずであった。
はじめは、【教養コース】入学を確実にするための他座学の詰め込みかと思ったが、後半年切っているこの状況で【騎士コース】へと転科するとの賜りやがった。
なめんじゃねえよと言いたかったところであったが、そこも上官命令、万能だな、この言葉、、、
まあ、広い心で見てやったわけよ。
ちょくちょく、オリジナルの筋トレ法、を編み出し実践するところ以外はいたって努力家な印象があったしな。
しかし、こんな結果になるとは思っていなかった。
魔法師実践試験会場の離れた閲覧席から見ているあいつは頬に手を当てて、あくまでも優雅に首を傾げている。
『あら、どうしたのかしら?』なんて言葉が今に聞こえてきそうだ。
この後のことを考えると、シードは憂鬱になって来るのであった。
ときは遡り、座学試験終了後、実践試験会場へとメリアナは足を運んでいた。
周りを見渡すと、素晴らしい、大胸筋や上腕二頭筋、大臀筋(変な意味ではありませんよ!)を持つ殿方が多い中、少ないながらにも女性の受験者もまばらに存在していた。
皆、それぞれ素晴らしく引き締まった体をお持ちで、やはり、王国の美とはこうあるべきではないかとメリアナは強く思い直した。
一方メリアナも、体格は良い方ではないが、ここ数ヶ月の訓練で華奢すぎる腕には適度な筋肉が、薄すぎる大胸筋には均整の取れた筋肉がゆったりとついている。
自身の努力の証を夜な夜な姿見の前で眺めては顔を綻ばせていた。
会場には大型の水晶が設置されており、大人二人分ほどもあるそれは、向こうを見渡せるくらいに透き通っていた。
この球体に魔力を込めることで自身の魔の種類と、基礎魔力数値が出る仕組みとなっている。
メリアナの前にいた受験生はすでに呼ばれており、はやる胸を押さえ、ゆっくり深呼吸を行った。
大丈夫よ、メリアナ。
ここまでの訓練、筋肉は裏切らないわ!
そう言って家族観覧席に目をやると、お祖父様と師匠が座っていた。
見ていてください!お祖父様!師匠!
二人と行った訓練が目を閉じると蘇ってくるようだ。
師匠とのランニング、お祖父様との滝行、師匠との柔軟トレーニング、お祖父様と一緒の野営での魔物狩り、、、
どれも素晴らしい経験だった。
「メリアナ・リード」
厳かな声で、呼ばれたメリアナは短く「はい」と返事をして立ち上がる。
周囲からは「えっ、メリアナ・リードって教養コースの主席候補って言われてなかった?」「王妃最有力候補が何でここに?」と声が沸くが、当の本人には聞こえていない。
試験官に水晶に魔力を込めるように言われたメリアナは今までの思い出を胸にありったけの魔力を込めた。
「基礎魔力80!」
試験官の動揺した声に釣られ、声の漣は大きく、広がって行った。
あら、どうしたのかしら、と手を頬に当てメリアナは優雅に首を傾げた。
とにかく、基礎魔力が平均超えていて安心しましたわ。
次の生徒の番となったため、足取り軽やかに、あくまでも優雅に、自分の席へと戻っていった。
王立学園入学試験日!
メリアナは公爵家の紋章が入った馬車に揺られながら、最後の座学を詰め込みに詰め込んでいた。
隣で、侍女のリーナは主人の最後の悪あがきを邪魔しないように静かに控えていた。
やれることはやった。
気掛かりがあるとすれば、基礎魔力の計測が最後にできなかったことなんだけど、、、。
基礎魔力の計測は大掛かりで基本的には7歳になる子を集めて計測する機会がある。
それ以外だと神殿に大金を払って頼むか、学園での入学試験や勤め先へ就職をするとき等と機会が決まっている。
メリアナは、神殿への依頼をギリギリのところで申請したが、他にも入試を控えている貴族たちが予約していたため、遅れて行動したメリアナは入試当日に間に合わなかったのだ。
最後に自分の実力がわかる瞬間が入試日ってところは不安だけれど、座学は自信あるし、あとは師匠と切磋琢磨した日々を思い出して挑むのみ!
メリアナは新たな世界への門出に少し緊張していたが概ね楽しんでいる様子であった。
「お嬢様、到着です、準備はできましたか?」
リーナが少し緊張した様子でメリアナに声かける。
メリアナは少し微笑んで微笑んで、ええ、行きましょうと答え、馬車を優雅に後にした。
俺は、とんでもない化け物を生み出してしまったのかもしれない。
お久しぶりです、シード・ライアット 18歳、独身です。
ゴリラ上官の命令で、孫娘のお守り、、、いや、入試までの期間家庭教師を任されたため、上官命令は絶対!な騎士団の規律上断ることが不可能であったため渋々!仕方なく!受け入れた。はずであった。
はじめは、【教養コース】入学を確実にするための他座学の詰め込みかと思ったが、後半年切っているこの状況で【騎士コース】へと転科するとの賜りやがった。
なめんじゃねえよと言いたかったところであったが、そこも上官命令、万能だな、この言葉、、、
まあ、広い心で見てやったわけよ。
ちょくちょく、オリジナルの筋トレ法、を編み出し実践するところ以外はいたって努力家な印象があったしな。
しかし、こんな結果になるとは思っていなかった。
魔法師実践試験会場の離れた閲覧席から見ているあいつは頬に手を当てて、あくまでも優雅に首を傾げている。
『あら、どうしたのかしら?』なんて言葉が今に聞こえてきそうだ。
この後のことを考えると、シードは憂鬱になって来るのであった。
ときは遡り、座学試験終了後、実践試験会場へとメリアナは足を運んでいた。
周りを見渡すと、素晴らしい、大胸筋や上腕二頭筋、大臀筋(変な意味ではありませんよ!)を持つ殿方が多い中、少ないながらにも女性の受験者もまばらに存在していた。
皆、それぞれ素晴らしく引き締まった体をお持ちで、やはり、王国の美とはこうあるべきではないかとメリアナは強く思い直した。
一方メリアナも、体格は良い方ではないが、ここ数ヶ月の訓練で華奢すぎる腕には適度な筋肉が、薄すぎる大胸筋には均整の取れた筋肉がゆったりとついている。
自身の努力の証を夜な夜な姿見の前で眺めては顔を綻ばせていた。
会場には大型の水晶が設置されており、大人二人分ほどもあるそれは、向こうを見渡せるくらいに透き通っていた。
この球体に魔力を込めることで自身の魔の種類と、基礎魔力数値が出る仕組みとなっている。
メリアナの前にいた受験生はすでに呼ばれており、はやる胸を押さえ、ゆっくり深呼吸を行った。
大丈夫よ、メリアナ。
ここまでの訓練、筋肉は裏切らないわ!
そう言って家族観覧席に目をやると、お祖父様と師匠が座っていた。
見ていてください!お祖父様!師匠!
二人と行った訓練が目を閉じると蘇ってくるようだ。
師匠とのランニング、お祖父様との滝行、師匠との柔軟トレーニング、お祖父様と一緒の野営での魔物狩り、、、
どれも素晴らしい経験だった。
「メリアナ・リード」
厳かな声で、呼ばれたメリアナは短く「はい」と返事をして立ち上がる。
周囲からは「えっ、メリアナ・リードって教養コースの主席候補って言われてなかった?」「王妃最有力候補が何でここに?」と声が沸くが、当の本人には聞こえていない。
試験官に水晶に魔力を込めるように言われたメリアナは今までの思い出を胸にありったけの魔力を込めた。
「基礎魔力80!」
試験官の動揺した声に釣られ、声の漣は大きく、広がって行った。
あら、どうしたのかしら、と手を頬に当てメリアナは優雅に首を傾げた。
とにかく、基礎魔力が平均超えていて安心しましたわ。
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