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山菜さん
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「それマジなの!」
「はい。厳密にいうと瞬間移動とタイムスリップの両方ですけど」
「タイムスリップですって! じゃあ、今ここは何時代なのよ?」
「いや、タイムスリップって言っても、ほんの20日ほど先の未来に来ただけなんですけど」
僕はなんだか説明するのが面倒くさくなってきた。
「今日はエイプリルフール……じゃないわね。みんなして私を騙そうとしているわけでもなさそうね」
「話は家に戻ってからにしましょう」
桂坂さんがいいタイミングで声をかける。僕は、この近くに集落があって、僕たちがそこに住んでいることを簡単に説明した。
「ふうん。じゃあ、そこに行きましょ」
とりあえず納得した山菜さんは、僕たち三人についてくるような形で家に向かった。
「そういえば、宙の試みは失敗だったな」
集落に向かう途中で、僕は宙に声をかけた。
「ええ。やっぱり無理みたいですね。それはそうと……それってテントですか?」
宙は僕に返答した後、山菜が抱えているものを見て、山菜さんに尋ねた。
「そうよ。二人用のテント。ロープやペグ、ハンマーとか道具も揃ってるからすぐに使えるわよ」
「そうなんだ。山菜さんは、キャンプでもしてたの?」
山菜さんの荷物や服装からは「重装備」という言葉が連想された。
「まあね。仲の良い山友達とキャンプに来てたの。ちょうどテント設営して始めようかっていう時に、私だけこんなことに」
残された友達は大丈夫なのだろうか。
「あ、ポニーテールの私と同じくらいの背格好の女の子見なかった? 黄色いジャケット着てるんだけどなあ……」
「見てないですね……というか、たぶん別れ別れになってしまったと思います。山菜さんはこちらの世界に来たけど、彼女は元の世界にそのまま居る可能性が高いです」
「なんでそんなことが分かるのよ。どこか近くの別の場所に一緒に飛ばされてきたかもしれないじゃない!」
「みんな家族とか友人と別れて、一人でこちらの世界に飛ばされてきてるんです。もちろん、この世界の遠く離れたまったく別の場所に飛ばされてるってこともあり得なくはないですが」
「さっきから異世界、異世界って言ってるけど、どこが異世界なのよ。この森って見たところ普通の森じゃん?」
山菜さんは、ある意味当然の疑問を口にした。
「異世界って言ったのは、たとえです。でもこの世界は色々おかしいことがいっぱいあるんです」
僕はいつまでも森を出られないことや動物がいないことなど、今までに判明しているおかしな現象を詳らかに説明した。
「ふうん。なるほどねえ」
山菜さんもようやく納得してくれた。
「そういえば……」
山菜さんが言葉を繋ごうとした時、集落にたどり着いた。
「はい。厳密にいうと瞬間移動とタイムスリップの両方ですけど」
「タイムスリップですって! じゃあ、今ここは何時代なのよ?」
「いや、タイムスリップって言っても、ほんの20日ほど先の未来に来ただけなんですけど」
僕はなんだか説明するのが面倒くさくなってきた。
「今日はエイプリルフール……じゃないわね。みんなして私を騙そうとしているわけでもなさそうね」
「話は家に戻ってからにしましょう」
桂坂さんがいいタイミングで声をかける。僕は、この近くに集落があって、僕たちがそこに住んでいることを簡単に説明した。
「ふうん。じゃあ、そこに行きましょ」
とりあえず納得した山菜さんは、僕たち三人についてくるような形で家に向かった。
「そういえば、宙の試みは失敗だったな」
集落に向かう途中で、僕は宙に声をかけた。
「ええ。やっぱり無理みたいですね。それはそうと……それってテントですか?」
宙は僕に返答した後、山菜が抱えているものを見て、山菜さんに尋ねた。
「そうよ。二人用のテント。ロープやペグ、ハンマーとか道具も揃ってるからすぐに使えるわよ」
「そうなんだ。山菜さんは、キャンプでもしてたの?」
山菜さんの荷物や服装からは「重装備」という言葉が連想された。
「まあね。仲の良い山友達とキャンプに来てたの。ちょうどテント設営して始めようかっていう時に、私だけこんなことに」
残された友達は大丈夫なのだろうか。
「あ、ポニーテールの私と同じくらいの背格好の女の子見なかった? 黄色いジャケット着てるんだけどなあ……」
「見てないですね……というか、たぶん別れ別れになってしまったと思います。山菜さんはこちらの世界に来たけど、彼女は元の世界にそのまま居る可能性が高いです」
「なんでそんなことが分かるのよ。どこか近くの別の場所に一緒に飛ばされてきたかもしれないじゃない!」
「みんな家族とか友人と別れて、一人でこちらの世界に飛ばされてきてるんです。もちろん、この世界の遠く離れたまったく別の場所に飛ばされてるってこともあり得なくはないですが」
「さっきから異世界、異世界って言ってるけど、どこが異世界なのよ。この森って見たところ普通の森じゃん?」
山菜さんは、ある意味当然の疑問を口にした。
「異世界って言ったのは、たとえです。でもこの世界は色々おかしいことがいっぱいあるんです」
僕はいつまでも森を出られないことや動物がいないことなど、今までに判明しているおかしな現象を詳らかに説明した。
「ふうん。なるほどねえ」
山菜さんもようやく納得してくれた。
「そういえば……」
山菜さんが言葉を繋ごうとした時、集落にたどり着いた。
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