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算田さんとエンジさん
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本当は僕自身が中学から数学をやり直す必要があるほどだが、僕自身のことは置いといたとしても、宙は今の時期に数学や理科の基本は学んでおいたほうがいいと思う。
「僕は勉強好きなんで、こっちでまさかまた勉強出来るなんて思ってなかったので嬉しいです!」
宙はなんていい子なんだろう。凧の件をみても頭はキレルし、行動力もある。性格も良いとなればもうスーパー少年ではないか。中学時代のぐうたらの僕に、出来た見本として見せてやりたいぐらいだ。
「君もメカニックの勉強してみる?」
そう言いながら、僕の横にいつのまにか並んでいたのはエンジニアの持田円治さんだ。みんな円治さんと呼んでいるが、僕の中ではカタカナのエンジさんのイメージで定着している。工場からそのまま来たため、グレーの作業服で今も歩いている。やや小太りで、顔は醤油顔で、顔もそうだが性格的にも明るくフレンドリーだ。僕の抱いていたエンジニアのイメージとは少し違っている。
「そうですね。僕は根っからの文系なんで、メカ的なことは本当にちんぷんかんぷんなんですよ。やっぱり少し教わったほうがいいですかね?」
「まあ、ここじゃ、自分の知識や技術が頼りになる場面も多いだろうから、知ってるに越したことはないと思うけどね。その気があれば、空いた時間ならいつでも教えてあげるよ」
エンジさんはご親切にそう言ってくれるが、僕はやっぱり難しそうなのでどうしても二の足を踏んでしまう。
「君はやっぱり数学も苦手だった?」
算田さんが僕の顔を見る。
「ええ。学校の数学の点数は悪かったですね。特に計算式とかまで書かせる問題なんてまるでダメでした」
高校時代の成績を思い出したが、とても胸を張って自慢できるようなものではない。数学や理科系は特にボロボロで、時には赤点近くの時もあった。
「まあ、学校の成績と頭の良さはまったく別物だけどさ。特にここなんかじゃ、頭でっかちの知識があるよりも応用力が試されるからね」
「応用力ですか……」
「そう。君は特にリーダーを任せられているぐらいだから、きっとみんなをまとめる力とか判断する力とか、そういうのが秀でてるんだと思うよ。僕は来たばかりでまだよく知らないけどね」
算田さんは、僕を慰めてくれるつもりでもないだろうが、結果的に僕もそれで少し落ち込まなくて済んだ。
「健太さんは素晴らしいリーダーですよ」
「宙、ありがとうな。そんなん言ってくれるのはお前だけだよ」
算田さんとエンジさんはやりとりを見て可笑しそうに笑った。
「僕は勉強好きなんで、こっちでまさかまた勉強出来るなんて思ってなかったので嬉しいです!」
宙はなんていい子なんだろう。凧の件をみても頭はキレルし、行動力もある。性格も良いとなればもうスーパー少年ではないか。中学時代のぐうたらの僕に、出来た見本として見せてやりたいぐらいだ。
「君もメカニックの勉強してみる?」
そう言いながら、僕の横にいつのまにか並んでいたのはエンジニアの持田円治さんだ。みんな円治さんと呼んでいるが、僕の中ではカタカナのエンジさんのイメージで定着している。工場からそのまま来たため、グレーの作業服で今も歩いている。やや小太りで、顔は醤油顔で、顔もそうだが性格的にも明るくフレンドリーだ。僕の抱いていたエンジニアのイメージとは少し違っている。
「そうですね。僕は根っからの文系なんで、メカ的なことは本当にちんぷんかんぷんなんですよ。やっぱり少し教わったほうがいいですかね?」
「まあ、ここじゃ、自分の知識や技術が頼りになる場面も多いだろうから、知ってるに越したことはないと思うけどね。その気があれば、空いた時間ならいつでも教えてあげるよ」
エンジさんはご親切にそう言ってくれるが、僕はやっぱり難しそうなのでどうしても二の足を踏んでしまう。
「君はやっぱり数学も苦手だった?」
算田さんが僕の顔を見る。
「ええ。学校の数学の点数は悪かったですね。特に計算式とかまで書かせる問題なんてまるでダメでした」
高校時代の成績を思い出したが、とても胸を張って自慢できるようなものではない。数学や理科系は特にボロボロで、時には赤点近くの時もあった。
「まあ、学校の成績と頭の良さはまったく別物だけどさ。特にここなんかじゃ、頭でっかちの知識があるよりも応用力が試されるからね」
「応用力ですか……」
「そう。君は特にリーダーを任せられているぐらいだから、きっとみんなをまとめる力とか判断する力とか、そういうのが秀でてるんだと思うよ。僕は来たばかりでまだよく知らないけどね」
算田さんは、僕を慰めてくれるつもりでもないだろうが、結果的に僕もそれで少し落ち込まなくて済んだ。
「健太さんは素晴らしいリーダーですよ」
「宙、ありがとうな。そんなん言ってくれるのはお前だけだよ」
算田さんとエンジさんはやりとりを見て可笑しそうに笑った。
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