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新たなトラブル
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「なんだか、僕たちのせいで善蔵さんたちに火の粉がかかったみたいで、なんだか罪悪感があります」
「待て待て。俺は関係ないぞ!……というのは冗談だが、それが関係あるかどうかは微妙だよな。完全に関係ないとも言い切れない面も確かにある」
金田さんは冗談を交えつつも冷静にこの状況を分析しようとしている。
「つまり直接の原因ではないとしても、なんらかのきっかけになった可能性はあると?」
「ああ。知らないうちに、トリガーをひいてしまったのかもしれないな。それが具体的にどうつながるのかまでは分からないが」
昨日から金田さんとこうやって議論していると、自分の思考もだんだんと整理されてくる。話し相手としては金田さんはちょうどいい存在なのかもしれない。
午前中の間ずっと、時折かまどにも見に行ったりしながら、善蔵さんたちを待っていたのだが、ついに正午過ぎてもなんの音沙汰もなかった。
「もうそろそろリミットだな」
「そうですね。何かメモでも残して退散しましょうか」
僕は、善蔵さんたちが戻ってきたらすぐに読めるように、家の中央に、破りとったノートの切れ端を置いた。僕たちの今後の計画についてざっとメモ書きしてある。読んだだけではあまりよく分からないかもしれないが、今後の交渉の一歩目にはなるだろう。
僕と金田さんは、後ろ髪を引かれつつ、その地をあとにした。この二日間ほとんど無為に過ごしたことになるな、と思った。
「あっ! 健太君!」
元の集落まで戻った僕らを待ち構えていたのは、桂坂さんの切羽詰った悲鳴のような声だった。普段の桂坂さんとは明らかに様子が異なる。
「どうしたの? そんなに慌てて」
桂坂さん以外にも、安食さん、料子さん、それに釣りキチさんまで家の外に出て、一様に不安げな表情をしている。一体何があったというのか?
「林さんたちが戻ってこないんだ」
僕の問いかけに、悲壮な声音で釣りキチさんが答えた。
「どういうことです?」
金田さんもこれは尋常ならざる事態だと悟ったのか、真剣な顔で問い直す。
そのあと、桂坂さんが僕たちに説明してくれた内容をまとめるとざっとこういうことだ。
「この世界に来たばかりで、まだ周囲のことが分からないから、この辺を回ってみたい」と鈴木楓さんが言い出したらしい。それを聞いた栗本君も「僕も」と賛同した。「じゃあ、俺が案内するよ!」と林さんが名乗りを上げて、今日二人を案内して回ることになったらしい。その話を聞いて興味を示した海原君も一緒に出かけることになり、四人は森の中に出発したという。それが今日の午後一の話だ。
「待て待て。俺は関係ないぞ!……というのは冗談だが、それが関係あるかどうかは微妙だよな。完全に関係ないとも言い切れない面も確かにある」
金田さんは冗談を交えつつも冷静にこの状況を分析しようとしている。
「つまり直接の原因ではないとしても、なんらかのきっかけになった可能性はあると?」
「ああ。知らないうちに、トリガーをひいてしまったのかもしれないな。それが具体的にどうつながるのかまでは分からないが」
昨日から金田さんとこうやって議論していると、自分の思考もだんだんと整理されてくる。話し相手としては金田さんはちょうどいい存在なのかもしれない。
午前中の間ずっと、時折かまどにも見に行ったりしながら、善蔵さんたちを待っていたのだが、ついに正午過ぎてもなんの音沙汰もなかった。
「もうそろそろリミットだな」
「そうですね。何かメモでも残して退散しましょうか」
僕は、善蔵さんたちが戻ってきたらすぐに読めるように、家の中央に、破りとったノートの切れ端を置いた。僕たちの今後の計画についてざっとメモ書きしてある。読んだだけではあまりよく分からないかもしれないが、今後の交渉の一歩目にはなるだろう。
僕と金田さんは、後ろ髪を引かれつつ、その地をあとにした。この二日間ほとんど無為に過ごしたことになるな、と思った。
「あっ! 健太君!」
元の集落まで戻った僕らを待ち構えていたのは、桂坂さんの切羽詰った悲鳴のような声だった。普段の桂坂さんとは明らかに様子が異なる。
「どうしたの? そんなに慌てて」
桂坂さん以外にも、安食さん、料子さん、それに釣りキチさんまで家の外に出て、一様に不安げな表情をしている。一体何があったというのか?
「林さんたちが戻ってこないんだ」
僕の問いかけに、悲壮な声音で釣りキチさんが答えた。
「どういうことです?」
金田さんもこれは尋常ならざる事態だと悟ったのか、真剣な顔で問い直す。
そのあと、桂坂さんが僕たちに説明してくれた内容をまとめるとざっとこういうことだ。
「この世界に来たばかりで、まだ周囲のことが分からないから、この辺を回ってみたい」と鈴木楓さんが言い出したらしい。それを聞いた栗本君も「僕も」と賛同した。「じゃあ、俺が案内するよ!」と林さんが名乗りを上げて、今日二人を案内して回ることになったらしい。その話を聞いて興味を示した海原君も一緒に出かけることになり、四人は森の中に出発したという。それが今日の午後一の話だ。
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