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犯人は誰か?
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「ですよね」
食材管理は料子さんに任せていたので、他のメンバーは状況をしっかり把握していたわけではないが、料子さんが勘違いしているとか嘘をついているとかは考えにくい。
「だとすれば……誰かが食材を隠した……いや、盗んだってことかな……」
林にさんがつぶやく。
「誰が?」
安食さんが林さんに即座に問いかけた。
「そりゃ、わからねえ。この中のメンバーかもしれないし、外部の人間かもしれねえ」
「ちょっと待って。僕たちが出発する前には食材はあったんですよね? そうなると、僕らが水汲みに行ってる間の出来事ってことになりますよね?」
海原君が同意を求めるように皆を見渡す。
「優子さん、僕たちがいない間、誰か訪ねてきましたか?」
急に話を振られた桂坂さんは少し戸惑っているようだったが「いえ、誰も」と首を振った。
「それなら犯人は優子さんしかいないじゃないですか!」
海原君の言葉に一同はっとした感じが伝わってきた。僕もそれは考えていた。しかし、あえてそれを指摘するのは避けていたというか、説明しにくいのだが、指摘してはいけないみたいなブレーキが自分の心の中でかかっているのを意識していた。それは桂坂さんに対する個人的感情が関係しているのだろうか?
「私、知りません!」
桂坂さんは当然否定した。もし桂坂さんがやったとしたなら、誰が見ても真っ先に犯人呼ばわりされそうな状況を自ら作るだろうか、という疑問は確かにある。
「でも、外部から侵入してないとすれば、優子さんしか可能性がありません」
海原君はなおも追求する。
「私はほとんど金田さんの看病をしてたんです。タオルをしぼり直したりして、少しの間は場を離れたりはしましたけど、私は食材を盗むなんて絶対にしませんよ!」
「でも」
「まあまあ。海原君もちょっと冷静になって」
料子さんがなだめる。
「ただいま~」
緊迫した雰囲気の中、気のない挨拶をして顔を出したのは釣りキチさんだった。やっと戻ってきたのだ。絶妙のタイミングだ。これで一旦、みんな落ち着いて考えられる。
「あの……もう一人、可能性のある人が」
いきなり陽子さんが遠慮がちに切り出し、みんなの視線が一斉に集まる。
「誰?」
僕の問いに陽子さんが答える。
「それは……金田さんです」
意外な名前が出た。桂坂さんがすぐに反応する。
「金田さんはずっと寝てたんですよ」
「もしかして寝てるふりだったのかも。桂坂さんが目を離した隙に、食材を隠すことは不可能ではないのでは?」
食材管理は料子さんに任せていたので、他のメンバーは状況をしっかり把握していたわけではないが、料子さんが勘違いしているとか嘘をついているとかは考えにくい。
「だとすれば……誰かが食材を隠した……いや、盗んだってことかな……」
林にさんがつぶやく。
「誰が?」
安食さんが林さんに即座に問いかけた。
「そりゃ、わからねえ。この中のメンバーかもしれないし、外部の人間かもしれねえ」
「ちょっと待って。僕たちが出発する前には食材はあったんですよね? そうなると、僕らが水汲みに行ってる間の出来事ってことになりますよね?」
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「それなら犯人は優子さんしかいないじゃないですか!」
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「私、知りません!」
桂坂さんは当然否定した。もし桂坂さんがやったとしたなら、誰が見ても真っ先に犯人呼ばわりされそうな状況を自ら作るだろうか、という疑問は確かにある。
「でも、外部から侵入してないとすれば、優子さんしか可能性がありません」
海原君はなおも追求する。
「私はほとんど金田さんの看病をしてたんです。タオルをしぼり直したりして、少しの間は場を離れたりはしましたけど、私は食材を盗むなんて絶対にしませんよ!」
「でも」
「まあまあ。海原君もちょっと冷静になって」
料子さんがなだめる。
「ただいま~」
緊迫した雰囲気の中、気のない挨拶をして顔を出したのは釣りキチさんだった。やっと戻ってきたのだ。絶妙のタイミングだ。これで一旦、みんな落ち着いて考えられる。
「あの……もう一人、可能性のある人が」
いきなり陽子さんが遠慮がちに切り出し、みんなの視線が一斉に集まる。
「誰?」
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「それは……金田さんです」
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