7 / 216
第1章:前世の記憶の入口~西の砦の攻防とサファイアの剣の継承~
第6話:西の森からの脱出
しおりを挟む
ザッザクッザッ!
衣服の裾が落ち葉でこすれる。
メアリは小さなアンとキャロルの手を引き、西の屋敷までの隠し道を進んでいた。
パキッパキッ!
ビクリッ!
落ち葉と共に折れた小枝を踏む音が耳に入ると進んできた隠し道を振り返り、一瞬立ち止まる。
ドキンッ!ドキンッ!ドキンッ!
『・・・・だっ・・・・誰もいない・・・・』
メアリは黙ったまま自身の手を握りしめ歩みを進める2人の女児に動揺を悟られない様に必死に気丈に振舞っていた。
小枝の折れる音に反応し、歩みを止めたが後ろに誰もいないことを確かめると再び隠し道を登り出した。
「メアリ様!こちらでございます!」
声のする方を見る。前方からメアリを見つけたシュバイルが手を振り声を上げていた。
シュバイルの姿を目にするとメアリは身体中に血が巡る感覚を覚える。山小屋を出てから呼吸をすることすら忘れていた事に気付き、大きく息を吸った。
「シュバイル様!よかった!
アン様とキャロル様もこちらにおいでです!」
メアリはシュバイルに駆け寄ると自身の足が震えているのを感じた。
ザッザアァァァァ!
シュバイルが隠し道を滑り降りてくる。
シュバイルとサントは隠し道を西の屋敷から山小屋へ向かいメアリと2人の女児を救出する様エリオスから指示を受けていた。
シュバイルとサントはセルジオ騎士団第一隊長エリオスの配下従士であり、エリオスが最も信頼する従士であった。
2人は万が一に備え、山小屋までの道を二手に分かれて進んだ。シュバイルは西の屋敷から山小屋へ向け隠し道を真っ直ぐに進み、サントは隠し道を外れ隠し道と並行している獣道を進んだ。隠し道中腹で合流する手はずになっていた。
丁度、合流地点となる先にメアリの姿を見つけたのだった。
シュバイルがメアリに駆け寄る。
「ようございました!間に合いました!
第三の堤でエリオス様がお待ちです。ささっ、こちらへ!」
シュバイルはメアリの手を握りしめていたアンとキャロルを両腕に抱き上げる。
キャロルは山小屋からずっと恐怖を堪えていたのだろう。シュバイルに抱き上げられると泣きながらシュバイルの首に右側からしがみついた。
「うわぁぁぁん!うわぁぁぁんっ!
シュバイル様っ!恐かったの!私、とても怖かったのぉ!」
シュバイルは自身の首にしがみつくキャロルに額を寄せ、なだめる。
「左様でございましょうとも!キャロル様、よくぞご無事でっ!」
「うわぁぁぁぁんっ!」
キャロルはせきを切った様にシュバイルにしがみつきながら泣きじゃくる。
シュバイルは左腕に抱えるアンへも優しく声をかけた。
「アン様、どこぞ痛めてはおられませんか?
この季節の山道は小枝が多く、切り傷をおいやすいのです。
大事ございませんか?」
アンは顔を覗きこむシュバイルの首に両腕を回し、声も出せずにふるふると震えていた。
メアリはアンとキャロルをシュバイルに任せたと同時に腰が抜けた様にその場に崩れ落ちる。
シュバイルに抱えられるアンとキャロルをほっとした思いで眺めていると後ろからサントが優しく手を差し出した。
「メアリ様、さっ、私におつかまり下さい」
「サント様!あなた様もいらしてくださったのですか!」
獣道を進んだサントも合流地点の先にメアリの姿を見つけたが、シュバイルがメアリに駆け寄るのを見て取ると辺りの様子を確認し、合流した。
メアリは安堵の涙が溢れ出す。サントの手を取り、震える足に力を込め立ち上がった。
サントはメアリの腕を支え、ゆっくりと立ち上がらせると優しい眼差しを向ける。
「メアリ様、もう大事ございません。
このままエリオス様がお待ちの第三の堤までご一緒致します。
セルジオ様とはお会いになれましたか?」
サントはそれとなくセルジオの所在を確認する。
メアリは山小屋で見たままをサントへ伝えた。
「はい、騎馬の騎士が8人、
山小屋へ入ってきた所をセルジオ様に逃れさせて頂きました」
メアリの言葉にシュバイルとサントは顔を見合わせた。
シュバイルがメアリに尋ねる。
「先鋒隊が山小屋に?
それでセルジオ様はいかがなさいましたか?」
メアリはセルジオに助けられた経緯をシュバイルとサントの顔をしっかりと見ながら話した。
「クルミを拾っておりました所、
馬の嘶きと大勢の人が近づく気配がしました。
アン様とキャロル様をお連れし、すぐさま山小屋へ入り、
裏手口近くで隠れておりました所、
山小屋の中に騎馬の騎士が3人入ってまいりました」
「目を閉じ息を潜め、見つかってしまうと思った瞬間、
セルジオ様の声が山小屋の外より聴こえ、
そっと物陰から外を見ましたらセルジオ様が
騎士のお1人を後ろ手に捕えられてみえました。
外にも5人の騎士が見えました。
セルジオ様は我らを見つけると合図を送られ
山小屋の裏手口から逃しました。その後は解りません・・・・」
メアリは正直にありのままを話した。
シュバイルはメアリが責任を感じない様に答える。
「それは!
セルジオ様の頼もしいお姿を直に拝見され、
さぞや胸が高鳴った事でありましょう」
シュバイルの言葉にメアリは顔を上げその表情を見る。シュバイルは優しく微笑んでいた。シュバイルは表情とは裏腹に焦りを覚える。
『これは!早くエリオス様へお伝えせねばならん!』
シュバイルはメアリへ微笑みを向けるとアンとキャロルを抱えたまま下ってきた隠し道を登りだした。
メアリはよろよろとしながらシュバイルの後に続く。
その姿にシュバイルはサントへ指示をした。
「サント、メアリ様を抱えて差し上げろ!」
「はっ!メアリ様、失礼を致しますっ!」
サントはメアリを軽々と抱え、シュバイルの歩調に合わせ進んだ。メアリは歩む事すらできない自身を恥じ顔を覆う。
「メアリ様、ご案じめさるな。
メアリ様が一番恐ろしい思いをされた。
よくぞ、セルジオ様がどなたよりも大切に想われている
オーロラ様のお2人のお子達をご無事で連れられた。
我らはメアリ様を誇りに思いますぞ」
サントがメアリを慮り力強く言う。
『ありがとうございます』
顔を覆いながら心の中でその思いにメアリは答える。
メアリはセルジオの無事を強く願った。
『セルジオ様、どうかご無事でいて下さいませっ!』
エリオスはエステール伯爵家領内を西へ向け行軍し、騎士団城塞、西の屋敷の南門からフェイユ河の堤へ進んだ。三つの堤を同時に切るため、三手に分けそれぞれの堤を開く準備をさせていた。
「エリオス様、第一、第二、第三とも堤を開く用意が整いました」
エリオスは第三の堤で指揮を執っていた。第三の堤は西の森に最も近くサフェス湖から流れ出るフェイユ河の下流に位置している。
フェイユ河の流れが起こす風にセルジオと同じ金色に輝く髪がなびいている。堤を切る準備が整った知らせを受けるとエリオスは号令をかけた。
「あい分かった!堤は第三から開ける。
第三を開けた後、第二、第一と順次開ける。
おのおの持ち場にて待機。合図は『鹿の声』とするっ!」
シュタイン王国では鹿は神の化身と崇められ、その鳴き声は『神の声』と言われていた。そのため、戦場での合図を音とする時、『神の合図』として使われていた。
エリオスは第三の堤から更に下流に位置する西の森へ視線を向ける。
『シュバイルとサントはメアリと会えたであろうか?』
エリオスは第三の堤を切る前に2人がメアリとアン、キャロルを伴い戻ってくれる事を強く願っていた。
ガチャッ!
エリオスは重装備の鎧を身に付けた自身の胸元に左手を置いた。幼い頃から身に付けているセルジオとオーロラと揃いの首飾り『月の雫』に願いを込める。
『月の雫よ!どうか、セルジオ様をっ!
メアリとアン様、キャロル様をっ!お守り下さいっ!』
目を閉じ西の森へ向け祈りを捧げるのであった。
衣服の裾が落ち葉でこすれる。
メアリは小さなアンとキャロルの手を引き、西の屋敷までの隠し道を進んでいた。
パキッパキッ!
ビクリッ!
落ち葉と共に折れた小枝を踏む音が耳に入ると進んできた隠し道を振り返り、一瞬立ち止まる。
ドキンッ!ドキンッ!ドキンッ!
『・・・・だっ・・・・誰もいない・・・・』
メアリは黙ったまま自身の手を握りしめ歩みを進める2人の女児に動揺を悟られない様に必死に気丈に振舞っていた。
小枝の折れる音に反応し、歩みを止めたが後ろに誰もいないことを確かめると再び隠し道を登り出した。
「メアリ様!こちらでございます!」
声のする方を見る。前方からメアリを見つけたシュバイルが手を振り声を上げていた。
シュバイルの姿を目にするとメアリは身体中に血が巡る感覚を覚える。山小屋を出てから呼吸をすることすら忘れていた事に気付き、大きく息を吸った。
「シュバイル様!よかった!
アン様とキャロル様もこちらにおいでです!」
メアリはシュバイルに駆け寄ると自身の足が震えているのを感じた。
ザッザアァァァァ!
シュバイルが隠し道を滑り降りてくる。
シュバイルとサントは隠し道を西の屋敷から山小屋へ向かいメアリと2人の女児を救出する様エリオスから指示を受けていた。
シュバイルとサントはセルジオ騎士団第一隊長エリオスの配下従士であり、エリオスが最も信頼する従士であった。
2人は万が一に備え、山小屋までの道を二手に分かれて進んだ。シュバイルは西の屋敷から山小屋へ向け隠し道を真っ直ぐに進み、サントは隠し道を外れ隠し道と並行している獣道を進んだ。隠し道中腹で合流する手はずになっていた。
丁度、合流地点となる先にメアリの姿を見つけたのだった。
シュバイルがメアリに駆け寄る。
「ようございました!間に合いました!
第三の堤でエリオス様がお待ちです。ささっ、こちらへ!」
シュバイルはメアリの手を握りしめていたアンとキャロルを両腕に抱き上げる。
キャロルは山小屋からずっと恐怖を堪えていたのだろう。シュバイルに抱き上げられると泣きながらシュバイルの首に右側からしがみついた。
「うわぁぁぁん!うわぁぁぁんっ!
シュバイル様っ!恐かったの!私、とても怖かったのぉ!」
シュバイルは自身の首にしがみつくキャロルに額を寄せ、なだめる。
「左様でございましょうとも!キャロル様、よくぞご無事でっ!」
「うわぁぁぁぁんっ!」
キャロルはせきを切った様にシュバイルにしがみつきながら泣きじゃくる。
シュバイルは左腕に抱えるアンへも優しく声をかけた。
「アン様、どこぞ痛めてはおられませんか?
この季節の山道は小枝が多く、切り傷をおいやすいのです。
大事ございませんか?」
アンは顔を覗きこむシュバイルの首に両腕を回し、声も出せずにふるふると震えていた。
メアリはアンとキャロルをシュバイルに任せたと同時に腰が抜けた様にその場に崩れ落ちる。
シュバイルに抱えられるアンとキャロルをほっとした思いで眺めていると後ろからサントが優しく手を差し出した。
「メアリ様、さっ、私におつかまり下さい」
「サント様!あなた様もいらしてくださったのですか!」
獣道を進んだサントも合流地点の先にメアリの姿を見つけたが、シュバイルがメアリに駆け寄るのを見て取ると辺りの様子を確認し、合流した。
メアリは安堵の涙が溢れ出す。サントの手を取り、震える足に力を込め立ち上がった。
サントはメアリの腕を支え、ゆっくりと立ち上がらせると優しい眼差しを向ける。
「メアリ様、もう大事ございません。
このままエリオス様がお待ちの第三の堤までご一緒致します。
セルジオ様とはお会いになれましたか?」
サントはそれとなくセルジオの所在を確認する。
メアリは山小屋で見たままをサントへ伝えた。
「はい、騎馬の騎士が8人、
山小屋へ入ってきた所をセルジオ様に逃れさせて頂きました」
メアリの言葉にシュバイルとサントは顔を見合わせた。
シュバイルがメアリに尋ねる。
「先鋒隊が山小屋に?
それでセルジオ様はいかがなさいましたか?」
メアリはセルジオに助けられた経緯をシュバイルとサントの顔をしっかりと見ながら話した。
「クルミを拾っておりました所、
馬の嘶きと大勢の人が近づく気配がしました。
アン様とキャロル様をお連れし、すぐさま山小屋へ入り、
裏手口近くで隠れておりました所、
山小屋の中に騎馬の騎士が3人入ってまいりました」
「目を閉じ息を潜め、見つかってしまうと思った瞬間、
セルジオ様の声が山小屋の外より聴こえ、
そっと物陰から外を見ましたらセルジオ様が
騎士のお1人を後ろ手に捕えられてみえました。
外にも5人の騎士が見えました。
セルジオ様は我らを見つけると合図を送られ
山小屋の裏手口から逃しました。その後は解りません・・・・」
メアリは正直にありのままを話した。
シュバイルはメアリが責任を感じない様に答える。
「それは!
セルジオ様の頼もしいお姿を直に拝見され、
さぞや胸が高鳴った事でありましょう」
シュバイルの言葉にメアリは顔を上げその表情を見る。シュバイルは優しく微笑んでいた。シュバイルは表情とは裏腹に焦りを覚える。
『これは!早くエリオス様へお伝えせねばならん!』
シュバイルはメアリへ微笑みを向けるとアンとキャロルを抱えたまま下ってきた隠し道を登りだした。
メアリはよろよろとしながらシュバイルの後に続く。
その姿にシュバイルはサントへ指示をした。
「サント、メアリ様を抱えて差し上げろ!」
「はっ!メアリ様、失礼を致しますっ!」
サントはメアリを軽々と抱え、シュバイルの歩調に合わせ進んだ。メアリは歩む事すらできない自身を恥じ顔を覆う。
「メアリ様、ご案じめさるな。
メアリ様が一番恐ろしい思いをされた。
よくぞ、セルジオ様がどなたよりも大切に想われている
オーロラ様のお2人のお子達をご無事で連れられた。
我らはメアリ様を誇りに思いますぞ」
サントがメアリを慮り力強く言う。
『ありがとうございます』
顔を覆いながら心の中でその思いにメアリは答える。
メアリはセルジオの無事を強く願った。
『セルジオ様、どうかご無事でいて下さいませっ!』
エリオスはエステール伯爵家領内を西へ向け行軍し、騎士団城塞、西の屋敷の南門からフェイユ河の堤へ進んだ。三つの堤を同時に切るため、三手に分けそれぞれの堤を開く準備をさせていた。
「エリオス様、第一、第二、第三とも堤を開く用意が整いました」
エリオスは第三の堤で指揮を執っていた。第三の堤は西の森に最も近くサフェス湖から流れ出るフェイユ河の下流に位置している。
フェイユ河の流れが起こす風にセルジオと同じ金色に輝く髪がなびいている。堤を切る準備が整った知らせを受けるとエリオスは号令をかけた。
「あい分かった!堤は第三から開ける。
第三を開けた後、第二、第一と順次開ける。
おのおの持ち場にて待機。合図は『鹿の声』とするっ!」
シュタイン王国では鹿は神の化身と崇められ、その鳴き声は『神の声』と言われていた。そのため、戦場での合図を音とする時、『神の合図』として使われていた。
エリオスは第三の堤から更に下流に位置する西の森へ視線を向ける。
『シュバイルとサントはメアリと会えたであろうか?』
エリオスは第三の堤を切る前に2人がメアリとアン、キャロルを伴い戻ってくれる事を強く願っていた。
ガチャッ!
エリオスは重装備の鎧を身に付けた自身の胸元に左手を置いた。幼い頃から身に付けているセルジオとオーロラと揃いの首飾り『月の雫』に願いを込める。
『月の雫よ!どうか、セルジオ様をっ!
メアリとアン様、キャロル様をっ!お守り下さいっ!』
目を閉じ西の森へ向け祈りを捧げるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる