とある騎士の遠い記憶

春華(syunka)

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第3章:生い立ち編2 ~見聞の旅路~

第31話:悪意ある言葉

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林道の細道の先にある湧泉ゆうせんほとりでしばしの休息を取る。

干し肉の臭いが気になり食が進まないセルジオの為にラドフォール公爵家影部隊シャッテンの隊長ラルフは昨夜泊まった商家で鶏肉の香草焼きを準備させていた。

石窯で香草に包み焼かれた鶏肉は香りもさることながら口に含むとホロリと肉がほどけ柔らかく食べやすい。
セルジオ達は湧泉のほとりで少し早めの昼食を摂ることにした。

11月半ばに入り湧泉の畔はひんやりとした冷たい空気が漂う。

パチッパチッパチッ!

稲妻を操るブリーツがヨシュカの集めてきた小枝に手をかざす。パチッパチッと音を立て小さな稲妻が小枝に落ちる。ラルフが風を送るとボッと小枝に勢いよく火が点いた。

「さっ、皆様、たき火にあたって下さい。身体が温まります」

ラルフがライ麦パンを皿代わりに鶏肉の香草焼をほぐして乗せるとたき火の周りに腰かけたセルジオ達に順に手渡していく。

「セルジオ様、
干し肉の香りが気になると伺いましたので、
鶏肉の香草焼を商家で準備して頂きました。柔らかく食べやすいですよ」

肉の様子をまじまじと観ているセルジオにブリーツが説明する。

セルジオはギクリッとした表情をするとブリーツへ礼を言った。

「ブリーツ殿、感謝もうす。
干し肉は・・・・どうしても苦手なのだ・・・・」

「そうですか。
火焔かえんの城塞のカルラ様も干し肉を好まれないのです。
セルジオ様と同じ様に臭いが鼻につきご気分が悪くなると申されていました」

ブリーツが干し肉の臭いが気になるのはセルジオだけではないことを伝えると微笑みを向ける。

「そうなのか!
カルラ様も臭いが気になるのか。私だけではないのだな」

セルジオがホッとした表情をバルドへ向けた。
ヨシュカがその様子にふんっと鼻をならす。

「食べる物に困ったことのない者の言い草だ!!
食べられずに食べる物が手に入らずに獣の様に
しかばねを食らう者もあるというのに!
気楽なものだな!貴族の騎士団はっ!」

「ヨシュカっ!!よさないかっ!」

ヨシュカの言葉にラルフが怒鳴る様にいましめる。

ビクリッ!

ラルフの怒声にヨシュカはビクリッと身体を飛び上がらせるときっとセルジオをにらみ付けた。

「ラルフ!
なぜ、こいつに気を使う事があるっ!本当の事だろう!
そりゃあ、アロイス様は俺たちによくはしてくれるが、
所詮しょせんは住む所も食べる物にも困った事がない貴族の騎士だ」

「こいつらも同じじゃないか!
特にお前っ!みんなにチヤホヤされて気に食わない。
伝説の騎士だか何だか知らないが、
独りじゃ何もできないじゃないか」

「こいつとこの先も共に過ごさねばならないと思うと腹の虫が騒ぎ出すっ!
俺が小枝を集めているのにお前はバルド殿に手当されていただろう!
自分の傷の手当てもできないやつと旅をするなんて俺はごめんだっ!
いくらアロイス様の頼みであってもこいつと一緒にいるのはごめんだっ!」

バサッ!
タタッ・・・・

ヨシュカはライ麦パンと鶏肉の香草焼をラルフの手からひったくると荷馬車の方へ小走りに去っていった。

「ヨシュカっ!!これっ!ヨシュカっ!」

ラルフがヨシュカの背中に声を掛けるが振り向きもしない。
セルジオは何を言われているのか理解できずに去っていくヨシュカの後ろ姿を呆然ぼうぜんと眺めていた。

バルドはセルジオの様子を黙って見ていた。
それはセルジオが初めて自身に向けられた悪意ある言葉だったからだ。

『何を言われているのかもご理解できまい。
直接ご自身がその手を汚したことでなくとも悪意は生まれるのだから』

鶏肉の香草焼を挟んだライ麦パンを両手で掴んだまま動きが止まっているセルジオにラルフが頭を下げた。

「セルジオ様、
ヨシュカの暴言をお許し下さい。
ヨシュカも頭ではわかっているのです」

「言葉にしてもどのような悪態をついても過去には戻れないことも
過去を変えることはできないことも解ってはいるのです。
されど気持ちが抑えられないのです」

「まだまだ、未熟な者でご理解下さい。
ヨシュカは幼い頃、東の隣国シェバラル国の森で、
ブリーツが保護した孤児なのです」

ラルフがブリーツを見る。ブリーツがラルフの言葉を繋いだ。

「・・・・セルジオ様と同じ年頃でした。
身なりはボロボロで、身体中に傷を負い、
動物のしかばねの隣で倒れていました」

「何日も何も食べていなかったのでしょう。
やせ細り、私が見つけた時にはヨシュカは虫の息でした。
動物のしかばねを食べようとしていたのか
小さな手に引き抜いた毛を握っていました」

「保護し水の城塞の孤児院へ連れ帰ったのですが、
最初は言葉もまともに話せず、まるで野生の獣の様で・・・・
陽のある内はうつらうつらと部屋の隅で身を縮めて眠っており、
陽が沈み暗くなると食べ物を探すのです」

「ただただ、腹を満たすためだけに
それが生きる全てであるかのように食べ物だけを探すのです。
孤児院が安全で食べ物を与えてくれる場所だと
理解するのに3ヶ月を要しました」

「身体に触られることを極端に嫌い、
湯浴みの湯を嫌い、野生の獣そのものの様でした。
それまでどのように過ごして来たのかは未だに口にはしません。
覚えていないのか、思い出したくないのかは分りませんが、
我らはヨシュカが話したいと思うまで問わないことにしています」

「ヨシュカの名もラルフと私でつけた名です。
本当の名もあるのか、ないのか、
覚えていないだけなのか、それすらも分りません。
我らに神がもたらした子として育てようと決めました。
ヨシュカの名はそうしてつけた名なのです」

ブリーツはライ麦パンを握りしめブリーツの話を聴いているセルジオの両手をそっと口元へ近づける。

「セルジオ様を見ているとその時の自分を思い出すのでしょう。
ヨシュカはセルジオ様がうらやましいのです。
守護の騎士が3人もお傍近くにいらっしゃり、
しかもその守護の騎士がほまれ高き、
バルド殿とオスカー殿なのですから、
ヨシュカでなくてもうらやましく思う者は
王国内に大勢いるかと思います」

パクリッ

セルジオはブリーツが自身の口元に近づけたライ麦パンをかじる。

「セルジオ様、
シュタイン王国内でも食べたい時に食べることができない者、
食べ物をたやすく手に入れることができない者もいるのですよ」

「騎士団や訓練施設では今の様に干し肉が食べられないと
申されてもなんら支障はありません。食べられる物が他にもありますから」

「たとえ赤子の頃から過酷な訓練を受けていようと
住処すみかがあり、食べ物があり、
皆が同じ様に過ごすことができる。
されど、騎士団や訓練施設の外では
その様にはいかない者も大勢いるのです」

「されば干し肉の臭いが気になり食べられない
などと言葉にされてはなりません。
ヨシュカと同じ様に境遇きょうぐう
異なる者の悪意を生むことになります」

「人の悪意は増幅が早いのです。
一たび膨らむと収束するために何倍もの時も力も必要となります。
悪意に飲み込まれ国がほろぶことは容易たやすいのです。
幾重いくえにも重ねた年月としつき
築き上げた国も亡ぶ時は一瞬です。その事をお忘れになりませんように」

ブリーツの言葉は口調も表情も穏やかではあるが内容は厳しいものだった。
バルドは昨夜の商家で初代セルジオに諭された自身を振り返り、ブリーツの言葉が自身に向けられたもののように感じていた。

セルジオが両手で握るライ麦パンを見つめてポツリと呟く。

「そうか・・・・
食べたくても食べることができない者もいるのだな。
我が叔父セルジオ騎士団の団長がよくよく見聞せよと申されていた。
街や村々の様子、そこで暮らす民のことをよくよく見聞せよと申されていた。
見聞するとは・・・・己の周りの外側に目を向けることなのだな・・・・」

セルジオはブリーツの顔を見る。

「ブリーツ殿、
私はヨシュカに何と伝えればよいのだろう・・・・
今、何か言葉にしようとも見聞も体験もしていない私の言葉は
絵空事えそらごとになってしまうと思う・・・・のだ」

ブリーツは一瞬、驚いた表情を見せ、ラルフと顔を見合わせた。ラルフはふっと笑った様に見えた。

「セルジオ様、
今は何もお話にならないことが最善の策かと思います。
ヨシュカを納得させるにはセルジオ様の行いを見せることしかありません」

「我らラドフォールのシャッテンの者は貴族ではありません。
ヨシュカと同じ様に生まれもわからず、親の顔も知らず、
住処すみかもなく、まともに食べることさえできずにいた者の集まりです」

「ラドフォール騎士団先代団長のウルリヒ様や現団長のアロイス様に拾われ、
住処と食べ物を与えられ、役目までを授けて頂きました。
されば我らの命はアロイス様のものなのです」

「我らの忠誠はその血を持って誓いとします。
血の誓いはいかなることでも違えることはできません。
その様な者だからこそ、あらゆる場所に溶け込むことができるのです」

ラルフはセルジオの深く青い瞳をじっと見る。

「セルジオ様、
誰もがうらやむバルド殿とオスカー殿を守護の騎士とされた方の行いを
ヨシュカや我らだけではなく、シュタイン王国中の者が注視しています。
セルジオ様は本当に青き血が流れるコマンドールの再来なのかと
様々な思惑を持つ者の眼がセルジオ様を観ています」

「セルジオ様はエリオス様と共に今のお役目を果たされる事でしか
皆を納得させることはできないのです。何も申さなくてもよいのです。
これよりの道中の行いで皆に知らしめてやりましょう。
セルジオ様は青き血が流れるコマンドールの再来であると!」

「ラルフ殿、感謝もうす。
承知した。昨夜、同じ事をバルドに言われたのだ・・・・
では、まずはこの手にあるライ麦パンを早く食してしまわねばならぬな!」

セルジオはライ麦パンを頬張ほおばった。

ザバァッ!
ジュジュゥ・・・・
バサッバサッ!

ラルフが湧水をたき火にかけ、丁寧に消火する。火が完全に消えた事を確認すると燃えカスの上に土をかぶせる。森を守る為に消火は念入りにするのだ。

ラルフが今夜の宿泊先である火焔かえんの城塞ふもとの修道院までの道筋を今一度、確認する。
精霊の森であるシュピリトゥス森は光と闇が交差する場所だ。陽が暮れると闇の力が強くなり、人を惑わす妖魔が姿を現す。

「バルド殿、オスカー殿、
先程通ってきました細道から林道へ戻ります。
林の切れ目左手に城門があります。火焔の城塞麓の街の城門です」

「城門を入り、城壁に沿って左手、西へ進んで下さい。
暫くすると葡萄畑が広がります。
葡萄畑を北へ向かう小道の先に修道院が見えます。
皆様が本日、ご到着することは伝えてありますので、ご安心下さい」

バルドはラルフの話に違和感を覚える。予定では今夜はラルフらも修道院に泊まることになっていた。

「ラルフ殿、修道院へは同道下さらないのですか?」

バルドは違和感を覚えた事柄を伝える。

「・・・・はい・・・・
予定では本日は我らも修道院へ同道させて頂くことにしておりました」

ラルフは荷馬車へ目をやる。

「・・・・無礼であることは重々承知しています。
されど・・・・ヨシュカがセルジオ様へ先程の様な思いを
抱いていたとなると・・・・今はセルジオ様のお傍近くから
遠ざけた方がお互いのためかと思い・・・・
明日からの予定としていましたラドフォール公爵家居城へまいります」

「公爵家居城の街で荷の入替・・などもありますので、
火焔の城塞麓の城門までの同道とさせて頂きます。
一週間の後に城門前でお待ちしています。何かありましたらカイを遣わして下さい」

ラルフは申し訳なさそうにバルドへ予定の変更を伝える。

「左様ですか。承知致しました。我らも至らぬことでお詫びいたします」

バルドとオスカーはラルフへ頭を下げる。

ラルフは2人のその姿に驚いた。確かにセルジオの身の安全に考慮して悪意ある言葉を口にしたヨシュカを遠ざけようとした。だが、本心では恵まれた環境で育つセルジオと自身を比べるヨシュカが不憫ふびんでならず、セルジオと同道させたくない思いの方が強かったからだ。

ラルフは慌てる。

「バルド殿っ!オスカー殿っ!頭をお上げください!
我らの勝手で予定を変えたまでのことっ!
バルド殿、オスカー殿にお詫び頂くことなどありません・・・・」

「正直、ヨシュカが不憫ふびんなのです。
今、守護の騎士に守られるセルジオ様のお姿を見せるには忍びなく・・・・
容赦ようしゃ下さい」

ラルフは自身の思いも正直に伝えた。

「ラルフ殿、承知しております。
我らもセルジオ様、エリオス様が赤子の頃より仕えてきました。
ラルフ殿、ブリーツ殿がヨシュカ殿を大切に想われるお気持ちは
痛い程にわかります」

「我らの配慮が足らずヨシュカ殿に不快な思いを抱かせていましました。
このこと我らの落ち度にございます。
ヨシュカ殿を責め立てすることなど毛頭ありません。
どうぞ、ヨシュカ殿のお気持ちが落ちつかれるまでは
我らへの気づかいは無用に存じます」

バルドの言葉にオスカーがうなずく。

「ラルフ殿、
一週間ではヨシュカ殿のお気持ちを鎮めることは
難しいのではありませんか?」

「一度、抱いてしまった嫌悪や怒りはなかなかに鎮められません。
しかもラルフ殿方のお役目がお役目だけに
平常心を失うことはお命を失う事にもなりかねません」

バルドは思案気な顔をするとそれならばとラルフへ新たな道筋を示した。

「ラルフ殿、
次に同道する時をアロイス様との合流の時と致しませんか?
ラドフォール公爵領を抜けるまでは我らだけで大事ございません。
アロイス様とは二月先ふたつき1月半ばに
東のクリソプ男爵騎士団城塞で合流することとなっています」

「二月先までに我らもセルジオ様とエリオス様に
騎士団以外での言葉の選び方、使い方をお伝えします。
ラドフォール公爵領以外ではセルジオ騎士団のマントは纏わずに
各貴族騎士団城塞への滞在時のみと考えていましたので、
身なりも言葉も今から準備ができればより安全に
国内巡回ができるというもの。いかがですか?」

バルドはヨシュカの発した悪意ある言葉をセルジオとエリオスの新たな学びの機会に置き換えたのだ。

ラルフは左手を胸にあて、バルドとオスカーへ騎士の礼をする。

「バルド殿、オスカー殿、感謝します。
あのような暴言をはいたヨシュカをお許し頂いただけでなく、
我らへ歩み寄る様なお心使いに感謝します」

ラルフはバルドとオスカーの過去の功績は直接見聞きしたものではなかったが、負傷し騎士団を退団した後も騎士団と関わり、次の騎士団団長と第一隊長となるセルジオとエリオスの守護の騎士として仕えている力量が分かった気がした。

「いいえ、お互いなのです・・・・共に力を合わせましょう!」

バルドとオスカーも左手を胸にあて、ラルフへ騎士の礼をした。

セルジオとエリオスは3人の様子を馬に乗る支度をしながらチラチラと見ていた。
意気投合する3人の姿が湧泉の水面を照らす光を背にキラキラと輝いて見えるとセルジオは思うのだった。


【春華のひとり言】

今日もお読み頂きありがとうございます。

ラドフォール騎士団第二の城塞、火焔の城塞麓の修道院まであと一歩の所まできました。

自らの行いだけが悪意を生むものではないと知ったセルジオ。

道中、同行者が増えた事で人間関係模様が多彩となっていきます。

出発前に叔父のセルジオ騎士団団長から見聞の目的を告げられた回は

第3章 第5話 壮途に就く:出立の日

ラドフォール騎士団火焔の城塞を治めるアロイスの妹、カルラの襲撃の回は

第3章 第18話 ラドフォール騎士団6:青き血の目覚め

となります。

明日もよろしくお願い致します。

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