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ことりさんと わたしと ピアノ

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「ピアノなんてつまんない」



おんなのこは ピアノをひくことを
やめてしまう





「なんで ひくことを
やめちゃうの?」





まどからとんできた ことりが
そっと ピアノにとまる





「だって うまくひけないんだもん
すぐしっぱい しちゃうし
しっぱいすると はずかしいから いや」





「うまくひけなくても いいんだよ」





「どうして?」





「ひけば わかるよ
ちょっとだけ ひいてみて」





ふしぎそうに おんなのこは
ぽん と けんばんを たたく



すると ことりが からだをかたむける





また ぽろん と けんばんを たたく



こんどは ことりが はねをひろげる





おんなのこが クスッと わらう





「おもうように ひいてみて
ぼくが おどるから!」





おんなのこの ピアノのおとに あわせて
ことりがおどる





うまくひけないのに なんだか 
おんなのこは えがおになる





「いま、どんなきもち?」





「うきうきして わくわくしてる!」





ことりは うれしそうに
おどりながら うたいだす





おんなのこの わらうこえ 
ことりのうたうこえ ピアノのおと
いろんな おとが へやいっぱいにひろがる







「どうだった?」





「すっごく たのしいよ
うまくひけなくても ピアノって
こんなに たのしいんだね!」





おんなのこは にっこり わらう





「またきてくれる?」





「もちろん!」







ことりは ひとつ うなずいて
そらへと かえっていった

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