1 / 4
1. 次の生徒会長は、選挙じゃなくて殺し合いで決めよう。
しおりを挟む
俺のことが嫌いな奴は大勢いるだろうが、俺が嫌いな奴は一人だけだ。
そいつは何でも見通したような目をして。
俺と同じ顔をして笑うんだ。
「貴方の××××顔、だーい好き」
って。
私立天上下学園。
異能力を持った人間を筆頭に、獣人、物の怪、魔術師、地球外生命体、果ては天使や悪魔、神すらもが通う超常学園だ。
幼稚園から大学院、更には夜間科、通信科まであり、通う生徒の年齢も顔ぶれも様々。まさにゆりかごから墓場まで。いや、墓場を超えて死者になってもなお通う生徒もいるほどである。
そんな超巨大教育機関である天上下学園には、長い長い歴史がある。
どれくらい長いかと言えば、一般的に想像される『歴史ある学校』の、『想像』を絶するレベルだと思ってくれて構わない。
つまり、想像するのも無駄なくらい、どこまでも長く、果てしない歴史ということだ。
今回は、その長い長い歴史の中の、427期の話。
注釈を添えておくが、1期が1年とは限らない。何故なら天上下学園の1期とは、生徒会長の代替わりによって変化するものだから。
もしかしたらそれは1秒、そう、即位後1秒で殺された生徒会長がいたのかもしれないし、地球の誕生と破壊を何度か繰り返した程の年月、学園を治め続けた生徒会長がいるのかもしれない。
だから427期がいつなのか、いくら想像しても無駄な、とある「今」の話。
スマホがあり、タピオカ屋がある、とある「今」の話。
その長い長い歴史のある天上下学園でも、最悪と名高い、暴君が生徒会長として君臨していた「427期」の話だ。
「次の生徒会長は、選挙じゃなくて殺し合いで決めよう。あー、バトルロワイアルってやつ?」
と472期生徒会長、外道院清人が言ったのは、白昼堂々生徒会室で履歴書を描きながらのことであった。
外道院清人。種族、人間。天上下大学4年文学科所属の21歳。
天上下学園の生徒会長は、学年、所属、年齢、種族を問わず、全校生徒の中から一人が就き、天上下学園の全ての教育機関を支配する。
そしてその着任方法は時代によって異なる。
この外道院は、一つ前の生徒会、426期の生徒会役員の全てを排し、その地位を得た。
全てを排し、というのは、退学なんて生易しいものではない。前生徒会役員同士に殺し合いをさせ、全滅させる、という残虐非道極まりない方法である。
なんとも憎たらしいことに、外道院自身は誰にも直接手を下していない、という事実が、一層彼の外道ぶりを象徴づけている。
そんな外道院だが、彼とて大学四年生。現在就活中の身である。卒業まであと数か月だと云うのに内定を一つも得ていないことに対し、特に焦りを感じている風ではないが、生徒会内でそれを茶化す者は誰一人としていない。
それもそのはず。
427期生徒会役員は、否、427期の全生徒そして教師を含む学園関係者は皆、外道院に大切な存在を人質に捕られているのだから。
下手なことを言おうものなら、人質がどうなるとも知れない。外道院に逆らうなど、もっての外。
いつもは異能力者達が自由意志で暴れまわる天上下学園だが、こと427期に置いては人質という実態の伴った、完全なる独裁政権が徹底しているのである!
「おい~~、どう思うよ、バトロワ?」
気怠そうな、どーでもよさそうな。しかし無視も反論も許さないと言った威圧的な雰囲気で、視線は履歴書に向いたまま、生徒会役員に問いかける外道院。
その空気を鋭敏に感じ取った庶務の男子生徒が、食い入るように同意する。
「バトロワ! 素晴らしいですねバトロワ! 最高の案だと思います!」
「そっかぁ。じゃあお前出ろよ」
「えっ」
思わず間抜けな声が出た。
外道院と、目が合った。
緊張。ヒュッと喉の奥が空虚に鳴る。
「その間抜けな面に免じて……お前のエントリー決定な」
目前の外道院がニィと笑う。愉快で仕方ないというように。三日月に弧を描いた口からは、並びの悪い歯が覗いていた。
「……えっと、それは、その、俺の、俺、が、次期生徒会長を決める、戦いに、出るって、ことですか?」
奥歯が噛み合わない。ガタガタと鳴るそれを必死に押しとどめて、庶務は声を出した。
外道院は、より一層笑みを深くする。
「そうだよ。そうだよ。なんだそれ。お前、まさかそれ、壊れたサルのぬいぐるみの真似かなんかか? 奥歯ガタガタ言わせてさ。へたくそにもほどがあるだろ~!」
キャッキャッと甲高い声を上げて、笑う外道院。
(玩具だ)
庶務は、思う。
外道院にとって、生徒は皆、玩具なのだ。
「バトロワのルールは簡単。次期生徒会長を目指して、候補たちは殺しあう。逃げたら人質が死ぬ。壊れる。失われる。会長になれなかったらお前らは死ぬ。以上。サルでも分かる簡単さだろ?」
庶務の頭には、一人の女子生徒が浮かんだ。
それは彼の彼女であり、最も大切な存在。そして、外道院の人質となっている存在。
(真理奈が、真理奈が死ぬ、殺される……!)
自分はいい、せめて、真理奈だけは……。
「も、もし……おっ、俺がそのバトロワに出たら、ひ、人質は解放してくれるんですか……?」
自分が死んでも、彼女さえ無事なら、いい。それなら、バトロワに出る価値がある。
庶務は一辺の勇気を胸に、外道院に尋ねた。
「もし? もしじゃねぇんだよ。俺がエントリー決定っつったんだから、お前は出るんだよ」
「もっ、申し訳ございません!」
「まぁ、いい。まぁいいさ。あーね、そうね、じゃあバトロワが終わったら、出場者の人質を解放してやるよ。参加賞代わりだ」
「っ……!!!」
言葉にならない感動のようなものを、庶務は感じた。
やっと、やっと解放される。彼女が自由になる。
(俺は……俺のしょぼい能力じゃ、バトルロワイアルは生き残れない。だけど、真理奈さえ。真理奈さえ生きてくれるなら……)
「嘘は、よくないと思うよ、清人君」
震えながらも、どこか凛とした声が、生徒会室に響いた。
「心音ェ……。俺に意見するってことがどういうことか分かってんのかぁ?」
「わ、分かってるよ。でも、嘘はよくないよ、清人君!」
天上下心音。427期の副会長で、外道院清人の幼馴染だと言われている。
もし今、この学園で外道院に物申せる存在がいるとするならば、天上下心音、彼女だけだろう。それは、彼女の異能力、そして外道院の異能力が関係する。
「どこが嘘だって言うんだぁ? 言ってみろよ」
「き、清人君の異能力……『人質』は、対象の大切な存在を人質に捕る能力。人質として捕られた存在に対しては、自由に操作できる。それこそ、壊したり、無くしたり……殺したり。でも、それだけじゃない」
「………」
続きを促すかのように黙る外道院。
庶務にとっても、心音の言ってることは事実だった。彼も、この能力で彼女を人質に捕られている。実際に、自由に操れることの証明として、目の前で彼女の右腕と左腕を、玩具のパーツのように手も触れずに引っこ抜かれたのを、彼は目の当たりにしている。
(でも、それだけじゃないのか?)
「人質を捕った対象が死んだら……人質も、失われる。永遠に。だから」
「だったら俺が、俺が死んだら、真理奈も死ぬって言うのかよ!?」
心音は、庶務から目をそらし、唇をきゅっと結び、口を閉ざす。
代わりに口を開けたのは外道院だった。
「そーそー。そのとーーーり! あれ、言ってなかったっけ? 周知の事実だと思ってたわ。と、いうわけで庶務君、バトルロワイアルが終わったら、参加賞として人質は解放するけど、お前が死んだら人質もいねーから。生徒会長になったらいんじゃね?」
あまりにも気楽。あまりにも他人事。
カラカラと笑って、外道院は残酷な事実を告げる。
咄嗟に、先輩である書記と会計を見るが、二人とも目をそらす。
(なんだよ、なんだよ……それ。じゃあ、バトルロワイアルなんて出ても、俺も、真理奈も救われないってことかよ)
全てが音を立てて崩れ落ちる。
バトルロワイアルなんかに出たら、もう、後がない。全てが、無くなってしまうのだ。
目の前が真っ暗になった彼は、心音が近づいていることにも気づかなかった。
「しょ、庶務君。まだ、諦めちゃだめだよ。きっと、きっと何か方法があるはずで……」
庶務を気遣う心音。
肩に優しく置かれた手を、庶務は振り払った。
「方法って何だよ! そもそもお前が、アンタが俺の大事な者を、あいつに告げ口したからこうなったんだろうが!!!!」
「そ、それは……」
心音は、何も言えなかった。
それは、庶務の心が痛いほど伝わってくるから。分かるからこそ、自分が何も言える権利がないのだと、痛感してしまうから。
天上下心音。
彼女は、他人の心を読む能力、『他心智證通』を持っている。
彼女の能力によって、外道院は相手の大切なものを知り、人質に捕るのだ。
(コイツさえ、コイツさえいなければ! 真理奈が人質にとられることなんてなかったんだ!)
けれど、庶務は知っている。
彼女もまた、外道院の被害者であることを。外道院に人質をとられ、命じられるまま仕方なく能力を発動させていることを。
彼女も、自分と同じ立場であることを、知っている。
庶務もまた、外道院の余興で、命じられるままに、他の生徒達に危害を加えたことがあるのだから。
間違ってる。
間違ってると分かってる。
それでも、やり切れない思いが、心音を責めずにはいられない。
「傑作だぜぇ―ッ! 庶務、お前心が汚れてんのか? 心音を責めるなんて酷い奴だよ! 責めるなら俺だろぉがよ! ……まぁ俺を責めたら人質殺すけどな」
「~~~~ッ! お前……外道院ッッッ!」
何かが切れる音がした。
『地獄の門』。
それが、彼の異能力の名。
庶務の振りかぶった拳が、外道院へと到達する!
(捉えた!)
庶務は武術家ではない。体育会系ですらない。だから、拳一つで外道院を倒せるはずがない。そんなことは分かってる。
だが。
『地獄の門』の炎は、触れた対象を、瞬時に火だるまにする。
そしてその炎は、自身が解除を念じない限り、対象を焼き尽くすまで消えることはない!
「……で?」
外道院が言った。
いつまでたっても火だるまになることも、いや、ライターほどの火すら着火することもなく、外道院が言った。
「何、で……?」
「悪いなぁ。俺ぁ、ちょぉ~っと人より、燃えにくい体質でさぁ」
「う、嘘だっ!」
愚直にも、再度その拳を外道院に振り上げようとしたところで、庶務は、自身を止める存在に気づいた。
「もう、やめてください……!」
心音が涙を流しながら、後ろから抱き着いたのだ。
瞬間、さながらマッチに火がつくように、一瞬にして心音が発火する。
「分かってます。……分かってますから……」
火だるまになっても、心音は離さない。外道院への拳を納めるよう、懇願する。流れた涙は炎がかき消していく。
戸惑い。そして、心音を殺してしまうかもしれない焦りが、庶務を正気に戻した。
拳を降ろし、心音を焼き尽くす炎が、ふっと消える。
「心音先輩……ごめん、俺……!」
心音はふっと笑って、倒れこんだ。早めに鎮火したとはいえ、全身に火傷を負っている。
「私、のことは、気にしないで……」
「っ! 誰か、書記さん、会計さん、心音先輩を保健室に……」
「あっ、うん!」「心音ちゃん、大丈夫!?」
今まで呆然と事の成り行きを見ているしかなかった書記と会計だが、仲間の負傷に、すぐさま駆け寄る。
しかし。
「おいおい、勝手なことをされちゃあ、困るんだよ。命令できるのは、俺。お前らの命を握ってるのも俺なんだよ? じゃあね、一旦皆落ち着いて、正座をしてみようか」
外道院の言葉で、書記達の動きがピタリと止まる。
「そんなことより、心音先輩が」
「そんなことより?」
外道院の表情が、消える。
「そんなことより。なるほど。そんなことより。この427期天上下学園において、俺の言葉より大事なことがあるのかぁ。知らなかった、知らなかった。知らなかったよ俺は。だからあれだね。うん。お前の人質……なんだったかな、まぁいいや。そいつがどうなっても俺も知ったこっちゃねぇわ。そもそもお前、俺を殺そうとしたよね? もう慈悲はいらないね?」
淡々と、死刑宣告をしてくる。
僅かに、抑えきれない苛立ちが、語りを早める。
(終わった)
庶務は死ぬ。自身の未来を確信した。
それはつまり、真理奈の死も意味する。
それだけは。それだけは……!
「真理奈だけは、助け」
コンコン
庶務の懇願は、一つのドアを叩く音に中断させられた。
「おっ、来たか~。入っていいぞ」
外道院の言葉に、躊躇いがちに開かれた生徒会室の扉から現れたのは、一人の女子生徒だった。
「真理奈!?」
「っ! 庶務くん……」
真理奈は一瞬庶務に目を向けるも、すぐに外道院へと視線を戻す。
ぶるぶると震えながらも、外道院の近くへと歩いていく。
「ちゃんと5分以内に来たね。感心感心」
「はっ、はい。命令、通りに。……あの、外道院会長。どうしてアタシを呼んだんですか……?」
「それはね、この庶務君がお前に用事があるんだってさ」
「えっ?」
身に覚えのない庶務が聞き返すも、外道院はニコニコと上機嫌に笑うだけだ。
真理奈は不安そうに庶務を見る。
(何を? 何を言えばいいんだ……? 外道院は、何を俺に求めてる? 何をしたら正解なんだ……?)
必死に頭を動かす。自分の頭に火がついたように、熱い。
何秒たっただろうか、それとも何分たっただろうか。時間間隔が分からなくなるくらい、必死に考えても、答えがでない。
庶務は、心から思ったことを、口に出した。
「……俺は、君を守るよ。外道院に人質にされても、絶対に俺が君を守るよ」
「庶務くん……」
真理奈の頬が染まる。それを見て、庶務もまた、顔を赤く染めた。
「いやいや、違うでしょ。真実は、ちゃんと言わなきゃだろ? 『これから俺は死ぬから、君も巻き沿いで死ぬけど、許してくれ』だろ?」
「………………………………は?」
「………………………………えっ」
耳を疑った。外道院の言葉が、脳に浸透してこない。聞こえてる。だけど、理解、できない。理解、したくない。
「うーん、聞こえてねぇようだからもう一回言ってやるよ。『これから俺は死ぬから、人質に捕られてる君も巻き沿いで死ぬけど、俺たち愛しあってるし、許してくれ』だろ?」
「清人君!」
「死にかけは黙ってな?」
外道院は、書記らに命じて、心音を別室に連れていく。心音は抵抗するものの、二人の異能力者の前では手も足も出ない。そのまま生徒会室から姿を消した。
そんな一連の騒動も、庶務には遠いことに思えた。
(死ぬのか。俺は)
外道院が死ぬと言うのだから、自分は死ぬのだろう。
そして、真理奈も一緒に、死ぬのだろう。
外道院には自身の異能力も通じない。そしてここで自分が逃げたところで、人質の真理奈が死に、後で自分が殺されるだけだ。
なら、誠心誠意、真実を述べて、謝った方が、いいのかもしれない。
自分の意思が、弱まっていくのを感じる。外道院の言葉に、ずぶずぶと溺れていく。
「……これから、俺は。外道院に殺される。俺の、大切なものは真理奈だから。君も、一緒に死ぬ。許してくれ。……とは言わない。ごめん。本当に、ごめん……」
庶務は頭を下げた。
頭を下げることしか、できなかった。
「……な、何よ、それ」
真理奈の震えた声が、庶務の頭上から降り注ぐ。
「何で、何でアタシも死ななきゃいけないの? どういうこと!?」
「お前も知らなかったのかぁ。俺の能力『人質』は、対象が死んだら、対象の人質も死ぬようになってんの。だから庶務君が死んだら、庶務君に大切に思われてるお前も死ぬの」
「はぁ!? 意味わかんない! 勝手に、勝手に大切に思われて……アタシが死ぬ!? 迷惑にも程があんだろ!!! 今すぐ大切に思うのをやめろ! アタシを嫌いになってよ!」
「ま、真理奈……?」
「アンタ、勘違いしてるみたいだけど、アタシが好きなのは桐谷君だから! アンタの片思いに勝手にアタシを巻き込まないでくんない!? 迷惑、迷惑、ほんと迷惑!!!! 死んで。一人で死んで!!! アタシを嫌いになって死んでよ!!!!」
「お、おい……真理奈、どうし、たんだ?」
こんな真理奈、見たこと無い。
何度か痴話げんかもしたけど、こんな怒り方をする子じゃなかった。
(誰だ、この女は、誰だ……?)
件の外道院は、ソファーに深く腰掛け、どこから用意したのか、コーラとポップコーンを片手に、まるで映画でも観るかのように鑑賞している。
「あー、人間って死ぬ前だとねー、出ちゃうからねー、本性」
「真理奈、嘘だ……嘘だと言ってくれ」
庶務は力なく呟いた。しかし、目の前の女子生徒は口汚くヒステリックに騒ぐばかり。
「あ、そこの真理奈ちゃんが好きなのはマジでお前じゃないよ。だってお前じゃ人質に獲れなかったもん」
「嘘、だ」
高校から付き合って、2年。放課後、遊びに行ったり、文化祭を一緒に回ったり。様々な思い出が浮かんでは消え、浮かんでは消え。あれは、あれは嘘だったのか?
「庶務君、まだ信じてないな? 証明してやんよ」
パンッ
と。乾いた音がした。
庶務は、外道院のコーラが開いた音だと思った。だけど、コーラは開いていなかった。
目の前の、真理奈に穴が開いていた。
「ほらね。お前は死なない。多分どっかでキタニ? 君が死んだ」
黒光りする拳銃を片手に、外道院は言った。
「まり、な……?」
真理奈は動かない。
「そんなもんだよ。恋だの愛だの、嘘ばっかだ。知らんけど。まぁ、これで分かっただろ? 信じられるものは自分だけ。大切なのは自分だけ。そうすりゃこんなことにはならなかった。お前達の過ちは、俺が生徒会長になったってことが一番証明してるよな。愚かだねぇ」
真理奈は動かない。
「じゃあ庶務君。お前も殺そう。と思ったけど、人質の無い奴を殺しても楽しくないから、また大切なものを作ってきな? それとももう懲りたかね」
クックッと笑う外道院。
気に入ったC級映画を観た後のような、満足そうな顔。
それが、庶務の見た最後の外道院だった。
そいつは何でも見通したような目をして。
俺と同じ顔をして笑うんだ。
「貴方の××××顔、だーい好き」
って。
私立天上下学園。
異能力を持った人間を筆頭に、獣人、物の怪、魔術師、地球外生命体、果ては天使や悪魔、神すらもが通う超常学園だ。
幼稚園から大学院、更には夜間科、通信科まであり、通う生徒の年齢も顔ぶれも様々。まさにゆりかごから墓場まで。いや、墓場を超えて死者になってもなお通う生徒もいるほどである。
そんな超巨大教育機関である天上下学園には、長い長い歴史がある。
どれくらい長いかと言えば、一般的に想像される『歴史ある学校』の、『想像』を絶するレベルだと思ってくれて構わない。
つまり、想像するのも無駄なくらい、どこまでも長く、果てしない歴史ということだ。
今回は、その長い長い歴史の中の、427期の話。
注釈を添えておくが、1期が1年とは限らない。何故なら天上下学園の1期とは、生徒会長の代替わりによって変化するものだから。
もしかしたらそれは1秒、そう、即位後1秒で殺された生徒会長がいたのかもしれないし、地球の誕生と破壊を何度か繰り返した程の年月、学園を治め続けた生徒会長がいるのかもしれない。
だから427期がいつなのか、いくら想像しても無駄な、とある「今」の話。
スマホがあり、タピオカ屋がある、とある「今」の話。
その長い長い歴史のある天上下学園でも、最悪と名高い、暴君が生徒会長として君臨していた「427期」の話だ。
「次の生徒会長は、選挙じゃなくて殺し合いで決めよう。あー、バトルロワイアルってやつ?」
と472期生徒会長、外道院清人が言ったのは、白昼堂々生徒会室で履歴書を描きながらのことであった。
外道院清人。種族、人間。天上下大学4年文学科所属の21歳。
天上下学園の生徒会長は、学年、所属、年齢、種族を問わず、全校生徒の中から一人が就き、天上下学園の全ての教育機関を支配する。
そしてその着任方法は時代によって異なる。
この外道院は、一つ前の生徒会、426期の生徒会役員の全てを排し、その地位を得た。
全てを排し、というのは、退学なんて生易しいものではない。前生徒会役員同士に殺し合いをさせ、全滅させる、という残虐非道極まりない方法である。
なんとも憎たらしいことに、外道院自身は誰にも直接手を下していない、という事実が、一層彼の外道ぶりを象徴づけている。
そんな外道院だが、彼とて大学四年生。現在就活中の身である。卒業まであと数か月だと云うのに内定を一つも得ていないことに対し、特に焦りを感じている風ではないが、生徒会内でそれを茶化す者は誰一人としていない。
それもそのはず。
427期生徒会役員は、否、427期の全生徒そして教師を含む学園関係者は皆、外道院に大切な存在を人質に捕られているのだから。
下手なことを言おうものなら、人質がどうなるとも知れない。外道院に逆らうなど、もっての外。
いつもは異能力者達が自由意志で暴れまわる天上下学園だが、こと427期に置いては人質という実態の伴った、完全なる独裁政権が徹底しているのである!
「おい~~、どう思うよ、バトロワ?」
気怠そうな、どーでもよさそうな。しかし無視も反論も許さないと言った威圧的な雰囲気で、視線は履歴書に向いたまま、生徒会役員に問いかける外道院。
その空気を鋭敏に感じ取った庶務の男子生徒が、食い入るように同意する。
「バトロワ! 素晴らしいですねバトロワ! 最高の案だと思います!」
「そっかぁ。じゃあお前出ろよ」
「えっ」
思わず間抜けな声が出た。
外道院と、目が合った。
緊張。ヒュッと喉の奥が空虚に鳴る。
「その間抜けな面に免じて……お前のエントリー決定な」
目前の外道院がニィと笑う。愉快で仕方ないというように。三日月に弧を描いた口からは、並びの悪い歯が覗いていた。
「……えっと、それは、その、俺の、俺、が、次期生徒会長を決める、戦いに、出るって、ことですか?」
奥歯が噛み合わない。ガタガタと鳴るそれを必死に押しとどめて、庶務は声を出した。
外道院は、より一層笑みを深くする。
「そうだよ。そうだよ。なんだそれ。お前、まさかそれ、壊れたサルのぬいぐるみの真似かなんかか? 奥歯ガタガタ言わせてさ。へたくそにもほどがあるだろ~!」
キャッキャッと甲高い声を上げて、笑う外道院。
(玩具だ)
庶務は、思う。
外道院にとって、生徒は皆、玩具なのだ。
「バトロワのルールは簡単。次期生徒会長を目指して、候補たちは殺しあう。逃げたら人質が死ぬ。壊れる。失われる。会長になれなかったらお前らは死ぬ。以上。サルでも分かる簡単さだろ?」
庶務の頭には、一人の女子生徒が浮かんだ。
それは彼の彼女であり、最も大切な存在。そして、外道院の人質となっている存在。
(真理奈が、真理奈が死ぬ、殺される……!)
自分はいい、せめて、真理奈だけは……。
「も、もし……おっ、俺がそのバトロワに出たら、ひ、人質は解放してくれるんですか……?」
自分が死んでも、彼女さえ無事なら、いい。それなら、バトロワに出る価値がある。
庶務は一辺の勇気を胸に、外道院に尋ねた。
「もし? もしじゃねぇんだよ。俺がエントリー決定っつったんだから、お前は出るんだよ」
「もっ、申し訳ございません!」
「まぁ、いい。まぁいいさ。あーね、そうね、じゃあバトロワが終わったら、出場者の人質を解放してやるよ。参加賞代わりだ」
「っ……!!!」
言葉にならない感動のようなものを、庶務は感じた。
やっと、やっと解放される。彼女が自由になる。
(俺は……俺のしょぼい能力じゃ、バトルロワイアルは生き残れない。だけど、真理奈さえ。真理奈さえ生きてくれるなら……)
「嘘は、よくないと思うよ、清人君」
震えながらも、どこか凛とした声が、生徒会室に響いた。
「心音ェ……。俺に意見するってことがどういうことか分かってんのかぁ?」
「わ、分かってるよ。でも、嘘はよくないよ、清人君!」
天上下心音。427期の副会長で、外道院清人の幼馴染だと言われている。
もし今、この学園で外道院に物申せる存在がいるとするならば、天上下心音、彼女だけだろう。それは、彼女の異能力、そして外道院の異能力が関係する。
「どこが嘘だって言うんだぁ? 言ってみろよ」
「き、清人君の異能力……『人質』は、対象の大切な存在を人質に捕る能力。人質として捕られた存在に対しては、自由に操作できる。それこそ、壊したり、無くしたり……殺したり。でも、それだけじゃない」
「………」
続きを促すかのように黙る外道院。
庶務にとっても、心音の言ってることは事実だった。彼も、この能力で彼女を人質に捕られている。実際に、自由に操れることの証明として、目の前で彼女の右腕と左腕を、玩具のパーツのように手も触れずに引っこ抜かれたのを、彼は目の当たりにしている。
(でも、それだけじゃないのか?)
「人質を捕った対象が死んだら……人質も、失われる。永遠に。だから」
「だったら俺が、俺が死んだら、真理奈も死ぬって言うのかよ!?」
心音は、庶務から目をそらし、唇をきゅっと結び、口を閉ざす。
代わりに口を開けたのは外道院だった。
「そーそー。そのとーーーり! あれ、言ってなかったっけ? 周知の事実だと思ってたわ。と、いうわけで庶務君、バトルロワイアルが終わったら、参加賞として人質は解放するけど、お前が死んだら人質もいねーから。生徒会長になったらいんじゃね?」
あまりにも気楽。あまりにも他人事。
カラカラと笑って、外道院は残酷な事実を告げる。
咄嗟に、先輩である書記と会計を見るが、二人とも目をそらす。
(なんだよ、なんだよ……それ。じゃあ、バトルロワイアルなんて出ても、俺も、真理奈も救われないってことかよ)
全てが音を立てて崩れ落ちる。
バトルロワイアルなんかに出たら、もう、後がない。全てが、無くなってしまうのだ。
目の前が真っ暗になった彼は、心音が近づいていることにも気づかなかった。
「しょ、庶務君。まだ、諦めちゃだめだよ。きっと、きっと何か方法があるはずで……」
庶務を気遣う心音。
肩に優しく置かれた手を、庶務は振り払った。
「方法って何だよ! そもそもお前が、アンタが俺の大事な者を、あいつに告げ口したからこうなったんだろうが!!!!」
「そ、それは……」
心音は、何も言えなかった。
それは、庶務の心が痛いほど伝わってくるから。分かるからこそ、自分が何も言える権利がないのだと、痛感してしまうから。
天上下心音。
彼女は、他人の心を読む能力、『他心智證通』を持っている。
彼女の能力によって、外道院は相手の大切なものを知り、人質に捕るのだ。
(コイツさえ、コイツさえいなければ! 真理奈が人質にとられることなんてなかったんだ!)
けれど、庶務は知っている。
彼女もまた、外道院の被害者であることを。外道院に人質をとられ、命じられるまま仕方なく能力を発動させていることを。
彼女も、自分と同じ立場であることを、知っている。
庶務もまた、外道院の余興で、命じられるままに、他の生徒達に危害を加えたことがあるのだから。
間違ってる。
間違ってると分かってる。
それでも、やり切れない思いが、心音を責めずにはいられない。
「傑作だぜぇ―ッ! 庶務、お前心が汚れてんのか? 心音を責めるなんて酷い奴だよ! 責めるなら俺だろぉがよ! ……まぁ俺を責めたら人質殺すけどな」
「~~~~ッ! お前……外道院ッッッ!」
何かが切れる音がした。
『地獄の門』。
それが、彼の異能力の名。
庶務の振りかぶった拳が、外道院へと到達する!
(捉えた!)
庶務は武術家ではない。体育会系ですらない。だから、拳一つで外道院を倒せるはずがない。そんなことは分かってる。
だが。
『地獄の門』の炎は、触れた対象を、瞬時に火だるまにする。
そしてその炎は、自身が解除を念じない限り、対象を焼き尽くすまで消えることはない!
「……で?」
外道院が言った。
いつまでたっても火だるまになることも、いや、ライターほどの火すら着火することもなく、外道院が言った。
「何、で……?」
「悪いなぁ。俺ぁ、ちょぉ~っと人より、燃えにくい体質でさぁ」
「う、嘘だっ!」
愚直にも、再度その拳を外道院に振り上げようとしたところで、庶務は、自身を止める存在に気づいた。
「もう、やめてください……!」
心音が涙を流しながら、後ろから抱き着いたのだ。
瞬間、さながらマッチに火がつくように、一瞬にして心音が発火する。
「分かってます。……分かってますから……」
火だるまになっても、心音は離さない。外道院への拳を納めるよう、懇願する。流れた涙は炎がかき消していく。
戸惑い。そして、心音を殺してしまうかもしれない焦りが、庶務を正気に戻した。
拳を降ろし、心音を焼き尽くす炎が、ふっと消える。
「心音先輩……ごめん、俺……!」
心音はふっと笑って、倒れこんだ。早めに鎮火したとはいえ、全身に火傷を負っている。
「私、のことは、気にしないで……」
「っ! 誰か、書記さん、会計さん、心音先輩を保健室に……」
「あっ、うん!」「心音ちゃん、大丈夫!?」
今まで呆然と事の成り行きを見ているしかなかった書記と会計だが、仲間の負傷に、すぐさま駆け寄る。
しかし。
「おいおい、勝手なことをされちゃあ、困るんだよ。命令できるのは、俺。お前らの命を握ってるのも俺なんだよ? じゃあね、一旦皆落ち着いて、正座をしてみようか」
外道院の言葉で、書記達の動きがピタリと止まる。
「そんなことより、心音先輩が」
「そんなことより?」
外道院の表情が、消える。
「そんなことより。なるほど。そんなことより。この427期天上下学園において、俺の言葉より大事なことがあるのかぁ。知らなかった、知らなかった。知らなかったよ俺は。だからあれだね。うん。お前の人質……なんだったかな、まぁいいや。そいつがどうなっても俺も知ったこっちゃねぇわ。そもそもお前、俺を殺そうとしたよね? もう慈悲はいらないね?」
淡々と、死刑宣告をしてくる。
僅かに、抑えきれない苛立ちが、語りを早める。
(終わった)
庶務は死ぬ。自身の未来を確信した。
それはつまり、真理奈の死も意味する。
それだけは。それだけは……!
「真理奈だけは、助け」
コンコン
庶務の懇願は、一つのドアを叩く音に中断させられた。
「おっ、来たか~。入っていいぞ」
外道院の言葉に、躊躇いがちに開かれた生徒会室の扉から現れたのは、一人の女子生徒だった。
「真理奈!?」
「っ! 庶務くん……」
真理奈は一瞬庶務に目を向けるも、すぐに外道院へと視線を戻す。
ぶるぶると震えながらも、外道院の近くへと歩いていく。
「ちゃんと5分以内に来たね。感心感心」
「はっ、はい。命令、通りに。……あの、外道院会長。どうしてアタシを呼んだんですか……?」
「それはね、この庶務君がお前に用事があるんだってさ」
「えっ?」
身に覚えのない庶務が聞き返すも、外道院はニコニコと上機嫌に笑うだけだ。
真理奈は不安そうに庶務を見る。
(何を? 何を言えばいいんだ……? 外道院は、何を俺に求めてる? 何をしたら正解なんだ……?)
必死に頭を動かす。自分の頭に火がついたように、熱い。
何秒たっただろうか、それとも何分たっただろうか。時間間隔が分からなくなるくらい、必死に考えても、答えがでない。
庶務は、心から思ったことを、口に出した。
「……俺は、君を守るよ。外道院に人質にされても、絶対に俺が君を守るよ」
「庶務くん……」
真理奈の頬が染まる。それを見て、庶務もまた、顔を赤く染めた。
「いやいや、違うでしょ。真実は、ちゃんと言わなきゃだろ? 『これから俺は死ぬから、君も巻き沿いで死ぬけど、許してくれ』だろ?」
「………………………………は?」
「………………………………えっ」
耳を疑った。外道院の言葉が、脳に浸透してこない。聞こえてる。だけど、理解、できない。理解、したくない。
「うーん、聞こえてねぇようだからもう一回言ってやるよ。『これから俺は死ぬから、人質に捕られてる君も巻き沿いで死ぬけど、俺たち愛しあってるし、許してくれ』だろ?」
「清人君!」
「死にかけは黙ってな?」
外道院は、書記らに命じて、心音を別室に連れていく。心音は抵抗するものの、二人の異能力者の前では手も足も出ない。そのまま生徒会室から姿を消した。
そんな一連の騒動も、庶務には遠いことに思えた。
(死ぬのか。俺は)
外道院が死ぬと言うのだから、自分は死ぬのだろう。
そして、真理奈も一緒に、死ぬのだろう。
外道院には自身の異能力も通じない。そしてここで自分が逃げたところで、人質の真理奈が死に、後で自分が殺されるだけだ。
なら、誠心誠意、真実を述べて、謝った方が、いいのかもしれない。
自分の意思が、弱まっていくのを感じる。外道院の言葉に、ずぶずぶと溺れていく。
「……これから、俺は。外道院に殺される。俺の、大切なものは真理奈だから。君も、一緒に死ぬ。許してくれ。……とは言わない。ごめん。本当に、ごめん……」
庶務は頭を下げた。
頭を下げることしか、できなかった。
「……な、何よ、それ」
真理奈の震えた声が、庶務の頭上から降り注ぐ。
「何で、何でアタシも死ななきゃいけないの? どういうこと!?」
「お前も知らなかったのかぁ。俺の能力『人質』は、対象が死んだら、対象の人質も死ぬようになってんの。だから庶務君が死んだら、庶務君に大切に思われてるお前も死ぬの」
「はぁ!? 意味わかんない! 勝手に、勝手に大切に思われて……アタシが死ぬ!? 迷惑にも程があんだろ!!! 今すぐ大切に思うのをやめろ! アタシを嫌いになってよ!」
「ま、真理奈……?」
「アンタ、勘違いしてるみたいだけど、アタシが好きなのは桐谷君だから! アンタの片思いに勝手にアタシを巻き込まないでくんない!? 迷惑、迷惑、ほんと迷惑!!!! 死んで。一人で死んで!!! アタシを嫌いになって死んでよ!!!!」
「お、おい……真理奈、どうし、たんだ?」
こんな真理奈、見たこと無い。
何度か痴話げんかもしたけど、こんな怒り方をする子じゃなかった。
(誰だ、この女は、誰だ……?)
件の外道院は、ソファーに深く腰掛け、どこから用意したのか、コーラとポップコーンを片手に、まるで映画でも観るかのように鑑賞している。
「あー、人間って死ぬ前だとねー、出ちゃうからねー、本性」
「真理奈、嘘だ……嘘だと言ってくれ」
庶務は力なく呟いた。しかし、目の前の女子生徒は口汚くヒステリックに騒ぐばかり。
「あ、そこの真理奈ちゃんが好きなのはマジでお前じゃないよ。だってお前じゃ人質に獲れなかったもん」
「嘘、だ」
高校から付き合って、2年。放課後、遊びに行ったり、文化祭を一緒に回ったり。様々な思い出が浮かんでは消え、浮かんでは消え。あれは、あれは嘘だったのか?
「庶務君、まだ信じてないな? 証明してやんよ」
パンッ
と。乾いた音がした。
庶務は、外道院のコーラが開いた音だと思った。だけど、コーラは開いていなかった。
目の前の、真理奈に穴が開いていた。
「ほらね。お前は死なない。多分どっかでキタニ? 君が死んだ」
黒光りする拳銃を片手に、外道院は言った。
「まり、な……?」
真理奈は動かない。
「そんなもんだよ。恋だの愛だの、嘘ばっかだ。知らんけど。まぁ、これで分かっただろ? 信じられるものは自分だけ。大切なのは自分だけ。そうすりゃこんなことにはならなかった。お前達の過ちは、俺が生徒会長になったってことが一番証明してるよな。愚かだねぇ」
真理奈は動かない。
「じゃあ庶務君。お前も殺そう。と思ったけど、人質の無い奴を殺しても楽しくないから、また大切なものを作ってきな? それとももう懲りたかね」
クックッと笑う外道院。
気に入ったC級映画を観た後のような、満足そうな顔。
それが、庶務の見た最後の外道院だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる