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連載
アウローラの婚約と忘れていたけしからん彼奴のこと
俺とパーシヴァルが互いの伴侶となってからしばらく経って、王太子殿下とアウローラの婚約が大々的に発表された。
婚姻の儀は2年後。アウローラの学院卒業後、半年をおいての結婚だ。
王族の、それも王太子の結婚となるとそれなりに準備の期間は必要になるとはいえ、卒業後半年の間を置いたのは、王太子殿下がアウローラを慮ってのことなんじゃないかと俺は思っている。
卒業後すぐの結婚となると、アウローラは学院在学中に婚姻に向けての準備をしなければいけなくなる。だから王太子殿下は、学院最終学年の公爵令嬢でいられる残り少ない時間を尊重してあげたんだろう。
王太子殿下はいつも澄ました顔をしている男だが、なかなかアウローラを大切にしているじゃないか。王太子妃という立場は俺が思っている以上に大変な立場だろうが、殿下の様子を見ているにきっとアウローラと良い夫婦となってソルモンターナを今以上に盛り上げてくれそうだ。
どうやら我が国は次代も安泰だな。
そんなわけで、王国の若き太陽の獅子と聖女との婚約に国中がお祝いムードに包まれている。特に王都ラエトゥスではすっかりお祭りのような雰囲気だ。王太子殿下とアウローラの婚約記念の姿絵が人気らしく、飛ぶように売れているそうだ。
あと、一部では謎のコボルト人形も密かに売れているらしい。いつぞやのアウローラが扇子につけているのを見た誰かが巷に広げたんだろうけど、それにしても市井の人々は商魂逞しいな。何はともあれ、盛り上がるのはいいことだ。
もちろん学園でもどこか浮ついた空気が漂っている。なにしろ、同じ学舎に未来の王太子妃がいるんだからね。下級貴族の子息令嬢からしてみたら、これほど間近で将来のとはいえ王太子妃を目にする機会なんて今ぐらいしかないもんな。
そんなおめでたい空気の中、俺とパーシヴァルはアウローラからサロンに招待された。
そういえば、サロンなんて久々だな。
「サフィラス様、パーシヴァル様、ようこそおいでくださいました」
約束の時間にサロンを訪えば、アウローラが笑顔で俺たちを迎えてくれた。
以前にも増して学園での注目度が高くなったアウローラだけど、浮つくこともなくいつも通り。さすが未来の王太子妃だね。やっぱり、第二王子程度の伴侶に収まるべき令嬢じゃなかったってことだ。
「お招きありがとう」
「いつものようにカフェテリアでお話しできればよかったのですけれど……」
アウローラは少し困ったように微笑む。
今の状況でカフェテリアなんかでお茶を飲んでいたら、とてもじゃないが落ち着いて話なんかできないだろう。みんな、一言でもアウローラに声を掛けたくて仕方がないんだから。
「まぁ、今は仕方がないよ」
「何よりもめでたいことだからな」
「そういっていただけると、とてもありがたいですわ」
「それはそれとしてさ、」
俺はパーシヴァルと目を合わせて頷きあうと、すっと礼の姿勢をとる。
「ブルームフィールド公爵令嬢。この度のご婚約、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。これからの新たな道におかれましても、ますますのご活躍とご多幸をお祈りいたしております。お力添えが必要な際には、どうぞお声掛けください。私たちは何をおいても馳せ参じましょう」
俺たちは声を揃えて、アウローラにお祝いの言葉を伝える。今日はしっかりとお祝いの言葉を伝えようと、パーシヴァルと決めていた。
アウローラがどんな立場になったって、いざという時はいつだって力になるからどんと構えていてほしい。大抵のことは魔法で解決できるもんさ。
「お心のこもったお祝いのお言葉、誠にありがとうございます。これからはより一層の責任と覚悟を持って、この国がお二人にとっての太陽であり続けられるよう、精一杯に努めてまいります」
アウローラはまさに王太子妃に相応しい凛とした佇まいでそう言った。
俺たちは時期がくれば長くこの国を離れることになる。冒険者は流れる雲のような存在で、ひと所に留まることは少ない。故郷なんてあってないようなものだけれど、それでも、心の中に誇れる故郷があれば心持ちが変わる。帰る場所があるっていうのはいいもんだ。それが、人でも故郷でも。
遠く離れた異国の地にあっても、故郷であるこの国が俺たちの誇りとなるよう尽力すると、アウローラは言ってくれたのだ。
「さぁ、お二人ともお座りになってくださいませ」
俺たちが席に着くと、サロンの入り口で控えていたリリアナがやってきてアウローラにそっと声をかけた。
「アウローラ様、準備が整いました」
「わかりました。それではお願いいたします」
アウローラの指示でリリアナが扉を開けると、公爵家の使用人がサロンに入ってきた。彼らの持つ銀のトレイには、薔薇の花の形に絞られたクリームが見事な、まるで宝石箱のようなお菓子が乗っている。
「サフィラス様、パーシヴァル様、本日は我が家からお菓子をお持ちいたしましたの。料理人が腕を振るったお菓子ですのよ」
相変わらず音一つ立てずに紅茶が淹れられると、お菓子が乗った皿も一緒に置かれる。
すごいな、クリームだってわかっていても本物の薔薇じゃないかと思ってしまう。なんと見事な職人技。さすが公爵家!
食べてしまうのは勿体無いと思いつつも、容赦なく薔薇の花にフォークを入れて口に運ぶ。
「!!」
ほのかなピンク色の薔薇はほんのりとベリーの酸味があってとっても滑らか! そしてふんわりと軽いスポンジケーキ。中にはクリームと薄くスライスした赤いベリーが挟まっている……これは天上のお菓子かな?
「すごい……綺麗だし美味しい、夢みたいなお菓子だ」
「お気に召していただけたようでよかったですわ」
極上のおいしさはあっという間に目の前から消え去ってしまった。幸せとはかくも儚きものかな……
美味しい幸せの余韻に浸っていると、横からすっと手付かずの薔薇のケーキが現れた。
「……え?」
思わず隣を見れば、パーシヴァルが微笑んでいる。
「まだ食べられるのだろう? これも食べたらいい」
「え、いいのっ……じゃなくて、俺はもういいよ。それよりも、パーシヴァルも絶対に食べた方がいいって! びっくりするほど美味しいんだよ!」
もちろんあんな美味しいお菓子、トレイ山盛りだって食べられちゃうけど、独り占めするつもりはない。パーシヴァルにだって味わってもらいたいからな。
「お二人とも、相変わらずですのね。ご安心なさって。お菓子はこれだけではありませんのよ」
うふふと微笑んだアウローラが壁際に控えていた使用人に視線を向けると、今度は数種類のベリーがたっぷりと乗ったケーキが運ばれてきた。それに牛酪の香りが豊かなサブレまで。
こ、これは、新たな幸せの登場だ!
「サフィラス様に喜んでいただきたくて、たくさんご用意いたしましたの。遠慮なく召し上がってくださいませ」
アウローラの姿が輝いて見える。
テーブルに並ぶ極上のお菓子を堪能しながら、互いの近況を語り合って一段落ついた頃だ。
「お二人もご興味があるかと思いますので、シュテルンクストについて少々お耳に入れておきたいことがございますの」
「……シュテルンクスト」
そういえばそんな国のことなどすっかり忘れていた。あの、けしからん王太子への恨みは忘れてなんかいないけどな! かの男への恨みを再燃させていれば、隣のパーシヴァルからも張り詰めた気配が漂ってきた。パーシヴァルだって酷い目に遭わされた被害者だから当然だろう。
他国からの留学生を地下牢に繋いで暴行したり厄災竜を復活させたりと、とにかく碌な国じゃなかった。その国がまた何かやらかしたのか?
「先日シュテルンクストで、第二王子殿下が王太子代理になると発布されましたの」
「は? 代理だって?」
けしからん王太子が自業自得で厄災に巻き込まれたのは去年の話だ。あの時はあの男が生きているか死んでいるか、その安否はわからない状況だった。
「けしから……えーっと、その王太子は今どうなってるの?」
「エイドリアン王太子殿下は、魔獣討伐の際に大怪我を負って療養しているそうです。その傷が思いのほか重く、完治までに時間が必要ということで、王太子の執務を一時的に第二王子殿下に任せ、治療に専念するらしいですわ」
「魔獣討伐って……」
魔獣討伐だなんて、厄災を復活させた奴が何をかいわんやだ。
「ということは、エイドリアン殿下は見つかったということだろうか?」
「ええ、どうやらそのようです。詳しいことまでは、まだわかっておりませんが」
パーシヴァルの眉間に深い皺が寄る。その気持ちはよくわかるぞ。彼奴は表舞台に戻ってきていいような人物じゃないからな。
まぁ、どこかで生きているかもしれないと思っていたけど、やっぱり悪運の強い奴だったらしい。それにしても、王太子の座に返り咲く気は満々なんだな。己のやらかしを反省し、大人しく余生を送るつもりはさらさらないのか。
だけどけしからん彼奴は厄災竜に腕を食われていたし、相当の怪我を負っているはず。とはいえ腐っても我が国に次ぐ大国の王太子だ。きっと優秀な白魔法使いがついているんだろうが……
何だかあんまりいい感じはしないな。
婚姻の儀は2年後。アウローラの学院卒業後、半年をおいての結婚だ。
王族の、それも王太子の結婚となるとそれなりに準備の期間は必要になるとはいえ、卒業後半年の間を置いたのは、王太子殿下がアウローラを慮ってのことなんじゃないかと俺は思っている。
卒業後すぐの結婚となると、アウローラは学院在学中に婚姻に向けての準備をしなければいけなくなる。だから王太子殿下は、学院最終学年の公爵令嬢でいられる残り少ない時間を尊重してあげたんだろう。
王太子殿下はいつも澄ました顔をしている男だが、なかなかアウローラを大切にしているじゃないか。王太子妃という立場は俺が思っている以上に大変な立場だろうが、殿下の様子を見ているにきっとアウローラと良い夫婦となってソルモンターナを今以上に盛り上げてくれそうだ。
どうやら我が国は次代も安泰だな。
そんなわけで、王国の若き太陽の獅子と聖女との婚約に国中がお祝いムードに包まれている。特に王都ラエトゥスではすっかりお祭りのような雰囲気だ。王太子殿下とアウローラの婚約記念の姿絵が人気らしく、飛ぶように売れているそうだ。
あと、一部では謎のコボルト人形も密かに売れているらしい。いつぞやのアウローラが扇子につけているのを見た誰かが巷に広げたんだろうけど、それにしても市井の人々は商魂逞しいな。何はともあれ、盛り上がるのはいいことだ。
もちろん学園でもどこか浮ついた空気が漂っている。なにしろ、同じ学舎に未来の王太子妃がいるんだからね。下級貴族の子息令嬢からしてみたら、これほど間近で将来のとはいえ王太子妃を目にする機会なんて今ぐらいしかないもんな。
そんなおめでたい空気の中、俺とパーシヴァルはアウローラからサロンに招待された。
そういえば、サロンなんて久々だな。
「サフィラス様、パーシヴァル様、ようこそおいでくださいました」
約束の時間にサロンを訪えば、アウローラが笑顔で俺たちを迎えてくれた。
以前にも増して学園での注目度が高くなったアウローラだけど、浮つくこともなくいつも通り。さすが未来の王太子妃だね。やっぱり、第二王子程度の伴侶に収まるべき令嬢じゃなかったってことだ。
「お招きありがとう」
「いつものようにカフェテリアでお話しできればよかったのですけれど……」
アウローラは少し困ったように微笑む。
今の状況でカフェテリアなんかでお茶を飲んでいたら、とてもじゃないが落ち着いて話なんかできないだろう。みんな、一言でもアウローラに声を掛けたくて仕方がないんだから。
「まぁ、今は仕方がないよ」
「何よりもめでたいことだからな」
「そういっていただけると、とてもありがたいですわ」
「それはそれとしてさ、」
俺はパーシヴァルと目を合わせて頷きあうと、すっと礼の姿勢をとる。
「ブルームフィールド公爵令嬢。この度のご婚約、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。これからの新たな道におかれましても、ますますのご活躍とご多幸をお祈りいたしております。お力添えが必要な際には、どうぞお声掛けください。私たちは何をおいても馳せ参じましょう」
俺たちは声を揃えて、アウローラにお祝いの言葉を伝える。今日はしっかりとお祝いの言葉を伝えようと、パーシヴァルと決めていた。
アウローラがどんな立場になったって、いざという時はいつだって力になるからどんと構えていてほしい。大抵のことは魔法で解決できるもんさ。
「お心のこもったお祝いのお言葉、誠にありがとうございます。これからはより一層の責任と覚悟を持って、この国がお二人にとっての太陽であり続けられるよう、精一杯に努めてまいります」
アウローラはまさに王太子妃に相応しい凛とした佇まいでそう言った。
俺たちは時期がくれば長くこの国を離れることになる。冒険者は流れる雲のような存在で、ひと所に留まることは少ない。故郷なんてあってないようなものだけれど、それでも、心の中に誇れる故郷があれば心持ちが変わる。帰る場所があるっていうのはいいもんだ。それが、人でも故郷でも。
遠く離れた異国の地にあっても、故郷であるこの国が俺たちの誇りとなるよう尽力すると、アウローラは言ってくれたのだ。
「さぁ、お二人ともお座りになってくださいませ」
俺たちが席に着くと、サロンの入り口で控えていたリリアナがやってきてアウローラにそっと声をかけた。
「アウローラ様、準備が整いました」
「わかりました。それではお願いいたします」
アウローラの指示でリリアナが扉を開けると、公爵家の使用人がサロンに入ってきた。彼らの持つ銀のトレイには、薔薇の花の形に絞られたクリームが見事な、まるで宝石箱のようなお菓子が乗っている。
「サフィラス様、パーシヴァル様、本日は我が家からお菓子をお持ちいたしましたの。料理人が腕を振るったお菓子ですのよ」
相変わらず音一つ立てずに紅茶が淹れられると、お菓子が乗った皿も一緒に置かれる。
すごいな、クリームだってわかっていても本物の薔薇じゃないかと思ってしまう。なんと見事な職人技。さすが公爵家!
食べてしまうのは勿体無いと思いつつも、容赦なく薔薇の花にフォークを入れて口に運ぶ。
「!!」
ほのかなピンク色の薔薇はほんのりとベリーの酸味があってとっても滑らか! そしてふんわりと軽いスポンジケーキ。中にはクリームと薄くスライスした赤いベリーが挟まっている……これは天上のお菓子かな?
「すごい……綺麗だし美味しい、夢みたいなお菓子だ」
「お気に召していただけたようでよかったですわ」
極上のおいしさはあっという間に目の前から消え去ってしまった。幸せとはかくも儚きものかな……
美味しい幸せの余韻に浸っていると、横からすっと手付かずの薔薇のケーキが現れた。
「……え?」
思わず隣を見れば、パーシヴァルが微笑んでいる。
「まだ食べられるのだろう? これも食べたらいい」
「え、いいのっ……じゃなくて、俺はもういいよ。それよりも、パーシヴァルも絶対に食べた方がいいって! びっくりするほど美味しいんだよ!」
もちろんあんな美味しいお菓子、トレイ山盛りだって食べられちゃうけど、独り占めするつもりはない。パーシヴァルにだって味わってもらいたいからな。
「お二人とも、相変わらずですのね。ご安心なさって。お菓子はこれだけではありませんのよ」
うふふと微笑んだアウローラが壁際に控えていた使用人に視線を向けると、今度は数種類のベリーがたっぷりと乗ったケーキが運ばれてきた。それに牛酪の香りが豊かなサブレまで。
こ、これは、新たな幸せの登場だ!
「サフィラス様に喜んでいただきたくて、たくさんご用意いたしましたの。遠慮なく召し上がってくださいませ」
アウローラの姿が輝いて見える。
テーブルに並ぶ極上のお菓子を堪能しながら、互いの近況を語り合って一段落ついた頃だ。
「お二人もご興味があるかと思いますので、シュテルンクストについて少々お耳に入れておきたいことがございますの」
「……シュテルンクスト」
そういえばそんな国のことなどすっかり忘れていた。あの、けしからん王太子への恨みは忘れてなんかいないけどな! かの男への恨みを再燃させていれば、隣のパーシヴァルからも張り詰めた気配が漂ってきた。パーシヴァルだって酷い目に遭わされた被害者だから当然だろう。
他国からの留学生を地下牢に繋いで暴行したり厄災竜を復活させたりと、とにかく碌な国じゃなかった。その国がまた何かやらかしたのか?
「先日シュテルンクストで、第二王子殿下が王太子代理になると発布されましたの」
「は? 代理だって?」
けしからん王太子が自業自得で厄災に巻き込まれたのは去年の話だ。あの時はあの男が生きているか死んでいるか、その安否はわからない状況だった。
「けしから……えーっと、その王太子は今どうなってるの?」
「エイドリアン王太子殿下は、魔獣討伐の際に大怪我を負って療養しているそうです。その傷が思いのほか重く、完治までに時間が必要ということで、王太子の執務を一時的に第二王子殿下に任せ、治療に専念するらしいですわ」
「魔獣討伐って……」
魔獣討伐だなんて、厄災を復活させた奴が何をかいわんやだ。
「ということは、エイドリアン殿下は見つかったということだろうか?」
「ええ、どうやらそのようです。詳しいことまでは、まだわかっておりませんが」
パーシヴァルの眉間に深い皺が寄る。その気持ちはよくわかるぞ。彼奴は表舞台に戻ってきていいような人物じゃないからな。
まぁ、どこかで生きているかもしれないと思っていたけど、やっぱり悪運の強い奴だったらしい。それにしても、王太子の座に返り咲く気は満々なんだな。己のやらかしを反省し、大人しく余生を送るつもりはさらさらないのか。
だけどけしからん彼奴は厄災竜に腕を食われていたし、相当の怪我を負っているはず。とはいえ腐っても我が国に次ぐ大国の王太子だ。きっと優秀な白魔法使いがついているんだろうが……
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