地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

楓乃めーぷる

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第一章 太陽の王子様と氷の王子様

15.またまた食事へ

「はぁ……やっと終わった……」
「小鳥さん、だいぶ慣れてきたんじゃない? 資料作りも丁寧だし、時間も少しずつ早くできるようになってきていると思うわ」
「ありがとうございます。岬さんにずっといて欲しい……」
「ふふ。ありがとう。私も一緒にお仕事していたいから、私が戻ってくるまでここにいて欲しいわ」

 ノートパソコンを閉じて、岬さんと笑い合う。
 ここで秘書のお仕事をしてから一ヶ月は経ったかな。
 岬さんが産休に入る期間も迫っているしパーティーに参加する日も近づいてきて、色々と慌ただしい。

 癒しの岬さんがいなくなったら他の人の補充もないらしいしここで一人きりだ。
 社長と氷室さんは二人で奥の部屋で仕事だろうし。
 寂しくなるなぁ……。

「お、二人もあがり? 今日はまた別のお店で食事でもどう?」

 噂をすれば、奥の部屋から出てきた社長がウィンクしながら食事に誘ってくる。
 同僚と言っていいのか分からない社長が言うと、ナンパのようで変な感じだ。

 ただ、いちいち仕草が決まっているから社長が他の部署に顔を出すと、若い女の子たちは大抵きゃあきゃあ言っていた気がする。
 ……隣で立っている私は居た堪れない気持ち。
 このポジションを差し上げますって言いたい。

「あら、社長。どんなお店に連れて行ってくださるんですか?」
「ここは普段行けないようなお店に誘っちゃおうかな? 栞央里ちゃんがいなくなっちゃう前にあの店の肉も食べたいし」
「社長が奢ってくださるなら。素敵な店には行ってみたいですけど、私達は節約して過ごしていますから」

 電話をしていた氷室さんがスマホをスーツのポケットに締まってから、話も聞いていないはずなのに社長を軽く睨む。

「また食事にでも誘っていたのか? 全く……彼女たちも暇じゃないのだから無理に誘ったりするな」
「明日休みだからさ。えかき亭なんてどうかなってね」
「本気で行く気か?」
「本気。だって、俺も疲れたし。ことりちゃんと栞央里ちゃんも頑張ってくれてるんだからご褒美」

 言いながら一番楽しそうにしている社長に笑ってしまう。
 誰かとご飯を一緒に食べるのが実は好きなのかな?
 最初はナンパみたいだって思ったけど、広い家でも一人で食べるご飯は寂しいときもあるのかもしれない。

「ご褒美だったら遠慮なくもらっちゃいましょうか。ね?」
「岬さんが行くなら、私も行きます!」
「じゃあ、決まり! 秦弥、足の手配よろしく」
「お前が行くならば必然的に私も行かなくてはいけなくなるのだが……仕方ない」

 文句を言いながら、氷室さんが電話でハイヤーの手配をする。
 この前も行ったばかりのような気もするけど、普段行かないお店だと思うと、純粋にちょっと行ってみたくなる。
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