36 / 94
第五章 ギルド長からの招集命令
34.ギルド長からの提案
しおりを挟む
翌日――
謎の招集命令がかかったのでギルドに顔を出すことになった。
僕としては休暇が良かったのだが、あのギルド長のことだ。
何か企んでいるに違いない。
リューも何食わぬ顔で起きると、簡単に身支度を整えてさっさと家を出るので僕も後を追って慌てて着いていく。
+++
訓練場に集まった僕たちを含むギルドメンバーは何事かと目の前で仁王立ちしているギルド長に注目する。
「集まったか。今日は力比べをしようと思ってな。ギルドメンバーでトーナメント方式で競ってもらう。勝ち抜いたヤツは俺と殺り合うからそのつもりでな」
「ギルド長! やり合うってどのやり合うですかー?」
「ほう? どれでもいいぞ。お前のケツを掘ってやろうか?」
ギルド長の突然の発表に血気盛んなメルセネールの皆もざわついてくる。
僕は面倒事はごめんなので怠くてしょうがないが、隣のリューの表情は変わらないのでやる気の有無はよく分からなかった。
今回は遠距離の銃は禁止されたため、接近戦もしくは中距離戦で行うことになる。
メルセネールは基本的に近距離が多いので、獲物は剣もしくは拳などの肉体派が多い。
リューは銃で大体の距離感を取ることが多いが、禁止されるとなると接近戦のみでやるつもりなのだろう。
力比べは順調に進んでいき、皆ほぼほぼ本気でやり合ってどちらが先に負けを認めるか、で競われた。
僕はさっさと一回戦目で適当に負けを認めておいたが。
リューは何食わぬ顔で敵を薙ぎ払っている。
その強さが抜きん出ているせいか、怖がる者は当たっただけで負けを認める者までいた。
汗もかかずに勝ち進んでいくリューを見ていたギルド長が笑いながら戻ってきたリューの肩を叩く。
「容赦がないな、リューライト」
「……特に変わったことはしていません」
ギルド長は高みの見物をしているが、相変わらず近寄りがたい存在だし僕ものらりくらりと躱してはいるけれど、正直真正面から当たりたくない相手だ。
見た目も筋肉の固まりというのもあるが、近づいただけで頭から食われそうとも良く言われている。
それでもリューに対して絡んでいくのは何か意味があるのだろうか?
リューも流石にギルド長は無視するわけでもなく敬語で話しているところから、別の接し方をしているようだし。
教えてもらった過去が関係しているのかもしれない。
僕が色々と考えているうちに、残るはリューと面倒なアイツだけになった。
謎の招集命令がかかったのでギルドに顔を出すことになった。
僕としては休暇が良かったのだが、あのギルド長のことだ。
何か企んでいるに違いない。
リューも何食わぬ顔で起きると、簡単に身支度を整えてさっさと家を出るので僕も後を追って慌てて着いていく。
+++
訓練場に集まった僕たちを含むギルドメンバーは何事かと目の前で仁王立ちしているギルド長に注目する。
「集まったか。今日は力比べをしようと思ってな。ギルドメンバーでトーナメント方式で競ってもらう。勝ち抜いたヤツは俺と殺り合うからそのつもりでな」
「ギルド長! やり合うってどのやり合うですかー?」
「ほう? どれでもいいぞ。お前のケツを掘ってやろうか?」
ギルド長の突然の発表に血気盛んなメルセネールの皆もざわついてくる。
僕は面倒事はごめんなので怠くてしょうがないが、隣のリューの表情は変わらないのでやる気の有無はよく分からなかった。
今回は遠距離の銃は禁止されたため、接近戦もしくは中距離戦で行うことになる。
メルセネールは基本的に近距離が多いので、獲物は剣もしくは拳などの肉体派が多い。
リューは銃で大体の距離感を取ることが多いが、禁止されるとなると接近戦のみでやるつもりなのだろう。
力比べは順調に進んでいき、皆ほぼほぼ本気でやり合ってどちらが先に負けを認めるか、で競われた。
僕はさっさと一回戦目で適当に負けを認めておいたが。
リューは何食わぬ顔で敵を薙ぎ払っている。
その強さが抜きん出ているせいか、怖がる者は当たっただけで負けを認める者までいた。
汗もかかずに勝ち進んでいくリューを見ていたギルド長が笑いながら戻ってきたリューの肩を叩く。
「容赦がないな、リューライト」
「……特に変わったことはしていません」
ギルド長は高みの見物をしているが、相変わらず近寄りがたい存在だし僕ものらりくらりと躱してはいるけれど、正直真正面から当たりたくない相手だ。
見た目も筋肉の固まりというのもあるが、近づいただけで頭から食われそうとも良く言われている。
それでもリューに対して絡んでいくのは何か意味があるのだろうか?
リューも流石にギルド長は無視するわけでもなく敬語で話しているところから、別の接し方をしているようだし。
教えてもらった過去が関係しているのかもしれない。
僕が色々と考えているうちに、残るはリューと面倒なアイツだけになった。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる