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11.仲間が増えました

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 ラグお姉さんは、僕と出会ってから今までに起きたことを僕の代わりに説明してくれた。
 僕が村に帰れなくなってしまったのは自分のせいだと言って、改めて謝ってくれる。
 キツネさんは僕たちのやり取りを見ながらこくんと頷くと、僕をじっと見つめてきた。

「えっと……?」
「あなた、名前はフィロだったかしら。あたしも礼儀として名乗っておくわ。あたしの名前はルナール・ネツキ。キツネ族の中でもエリートだから」

 胸を張るキツネさんのルナールさんは僕と同じくらいの年に見えるけど、何歳なんだろう?
 ラグお姉さんもルナールさんを見ながら、クスリと笑みを浮かべる。
 
「偉そうにしている割には、腹が減っていて罠にかかるエリートちゃんとはな」
「う……うるっさいわね! で、フィロ。あたしも暇だからあなたに付き合ってあげてもいいけど?」

 ルナールさんはラグお姉さんに文句を言ってから、今度は僕を指さしながらまた胸を張る。
 
「付き合ってくれるっていうのは、一緒に来てくれるってこと?」
「そうよ。だって、このドラゴン……ラグと旅をするならあたしとできないってことはないでしょ」
「それはもちろん。だけど、いいの?」
「フィロ、同行させてやったらどうだ? このルナとやらもフィロを守ることくらいはできるだろう」

 ラグお姉さんがポンポンとルナールさんの頭を撫でながら僕に聞いてくる。
 ルナールさんは嫌そうな顔をしながらグッと上を向いて、ラグお姉さんをキッと睨みつけた。

「ちょっと、子ども扱いしないでよね! 私は成人しているのよ。キツネ族で変身できるものは成人とみなされるの。分かる?」
「そいつはすまなかったな。大人のキツネさん。言いたいことは理解した」
「分かった。じゃあ……ルナールさんもいっ……」

 僕が名前を呼ぶと、ルナールさんは不満げな顔をして僕の話を遮ってくる。

「もう少し仲良くなれそうな呼び方をしなさいよ。ラグだけなんか特別扱いみたいじゃない」
「そうかなぁ?」
「そうよ! これから一緒に旅をしようっていうのに距離を感じるわ。フィロ、私はあなたの可愛い友だちになってあげる。これは大サービスよ」
「ありがとう。じゃあルナ……ちゃん」

 僕は友だちができたら呼んでみたかった名前で呼びかけてみる。
 すると、ルナちゃんはハッとしてから急に赤い顔になっていく。

「わ、悪くないわね。仕方ないからちゃん付けを許します。しっかりとあたしの名前を呼ぶように」
「はーい! ルナちゃんありがとう。これからよろしくね」

 僕が手を出して握手しようとすると、ルナちゃんも戸惑いながらそっと手を握り返してくれた。
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