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33.かくしちゃおう作戦!

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 みんなでまずは危険な森から安全な街の通りまで移動する。
 悪い人たちがまた追っかけてくる前にここから離れないと、また捕まっちゃったら大変だ。

「オルは力強いみたいだし、あたしたちと一緒に冒険者をやってもいいわよね。あたしも話を聞きたいわ」
「分かった」

 僕もオルお兄さんとお話したいな。
 だけど、まずはエルフさんたちと動物さんたちと一緒にギルドへ行かないと!
 
 エルフさんたちはキレイで目立っちゃうから、みんなで話し合ってラグお姉さんとオルお兄さんの大きい人たちでかくしちゃおう作戦をすることになった。
 エルフさんたちは街の通りの壁のそばを歩いてもらって、エルフさんの隣をラグお姉さんとオルお兄さんのおっきい二人ではさんでサンドイッチにする感じ。
 
 僕とルナちゃんは、前と後ろで街の中に変な人はいないか、危なくないかキョロキョロする。
 動物さんたちもマントのフードの中とか、洋服の中へ隠れてもらったり壁の近くを歩いてもらう。
 みんなで歩いていれば、街の中だとそんなに目立たない気がする。
 いろんな人たちも歩いているけど、僕たちをじろじろ見る人はいないみたいだから大丈夫そうだ。
 
「エルフさんたち疲れてない? ギルドまでもう少しだと思うけど……」
「……ありがとう。君は人間でも優しいのね」

 エルフさんがにっこり笑ってくれた。
 人間の言葉でお話もしてくれてるし、エルフさんの方が優しいと思う。
 怖いめにたくさんあっていたんだろうし、本当は人間がたくさんいるところにいるだけで嫌かもしれないのに。
 僕たちを信じてついてきてくれてるんだから、僕ももっと頑張らなくっちゃ!

「フィロってば。エルフの子がかわいいからってやる気だして。やぁね」
「ルナ、ヤキモチか?」
「はぁっ? 違うわよっ! ラグ、変なこと言わないで!」

 なんかルナちゃんがぷんぷんしてる。
 僕、何か悪いことしたのかなぁ?

「フィロ、大変だな」

 オルお兄さんがポンと僕の肩をたたいて、声をかけてくれた。
 でも、大変って何が大変なんだろう?
 僕が考えていると、ポケットの中のポイがピィー……と残念そうな声で話しかけてきた。

「ポイまで。どういうこと? 僕、何か悪いことしちゃった?」
「大丈夫だ。フィロ、気にするな。皆フィロのことが好きだからな。ルナがいじけてるだけだ」
「ラグ!」

 やっぱりルナちゃんはぷんぷんしてるみたいだ。
 いじけてるって……ルナちゃんどうしたんだろう?

「ルナちゃん、大丈夫?」
「別に。なんでもない。あんたみたいなお子様には分からないだろうから、気にしなくていいわ」
「そういうところだぞ、ルナ」

 ラグお姉さんはすごく楽しそうに笑ってる。
 気にしなくっていいって言われると、気になっちゃうんだけどなあ。

 僕が悩んでいると、やっとギルドの建物が見えてきた。
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