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58.このままじゃダメなんだ
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ポイも親鳥に育ててもらってたけど、本当の子どもじゃないからって他の鳥の子たちに意地悪されちゃったって言ってた。
それで、どうしようかなって一人でふらふらしてたらクモの巣にからまっちゃったんだって。
お父さんとお母さんが分からない同士だから、僕たちはすぐに仲良くなれたんだ。
だけど、ポイはフェニックスの子どもで人間が悪いことをしたせいで離れ離れになって……。
フェニックスはずっと悲しくて怒り続けてたから、もう止まらなくなっちゃってるんだ。
「しかし、めずらしいとは思っていたけどポイがフェニックスの子どもだったなんて」
「そう言われれば、赤い鳥は俺も見たことがなかったな。ラグも予感はあったのか?」
「フェニックスについては私も詳しくないのでな。きっと珍しい種族だろうから普段は隠しておくべきだろうと、フィロに提案していただけだ」
ルナちゃんとオルお兄さんとラグお姉さんが話をしている間も、フェニックスはそこら中に炎を吐き続けている。
みんな避けたり消したりしているけれど、どんどん温度が上がってきているし暑すぎて倒れちゃいそうだ。
「ピィっ! ピィっ!」
「ポイ! 危ない……っ!」
ポイがいっしょうけんめい話を聞いてもらおうと、炎の前に飛び出ようとする。
僕は慌てて手を伸ばしてポイを抱きしめた。
「フィロっ!」
ラグお姉さんが僕に飛びついてくれたおかげで、目の前にきた炎をよけられた。
二人で地面の上を転がる。
「ポイも無事か?」
「うん、ラグお姉さんのおかげで大丈夫」
「ピィ……」
みんな疲れてきてるし、フェニックスもこのままじゃ死んじゃうかもしれない。
僕は立ち上がってから、ポイをラグお姉さんに渡してゆっくりとフェニックスに近づいていく。
「フィロ、何してるの! 危ないんだから下がってなさいよ!」
「ううん、今行かなくっちゃダメだ。だからお願い。僕のことを助けてほしいんだ」
僕を止めようとするルナちゃんに、ワガママなお願いをする。
ルナちゃんは、はぁー……ってため息をつきながら仕方ないわねって言ってくれた。
「私もあの鳥も。そろそろ限界だから。分かったわね?」
「ありがとう、ルナちゃん!」
ルナお姉さんもオルお兄さんも、僕がやろうとしていることを分かってくれてるんだ。
僕がフェニックスに近づきやすいように、うまく攻撃を散らして道を作ってくれる。
だから、僕は走るだけだ。
「僕は僕のやり方で戦うんだ!」
フェニックスの炎が少し髪の毛を焦がしても、もう怖くない。
ぶるぶると身体をふるわせているフェニックスの前へ立って両手を広げた。
「僕は逃げないから。話を聞いて! フェニックスさんの卵を持って行ったのは僕じゃない! 悪いことをする人間もたくさんいるけど……僕はみんなと友だちになりたいんだ」
「キュ、ゥウゥ……」
人間は同じだっていうけど、フェニックスを守り神として大事にしてきた国の人たちは悪い人なの?
フェニックスだって、本当は分かってくれてるはずなんだ。
それで、どうしようかなって一人でふらふらしてたらクモの巣にからまっちゃったんだって。
お父さんとお母さんが分からない同士だから、僕たちはすぐに仲良くなれたんだ。
だけど、ポイはフェニックスの子どもで人間が悪いことをしたせいで離れ離れになって……。
フェニックスはずっと悲しくて怒り続けてたから、もう止まらなくなっちゃってるんだ。
「しかし、めずらしいとは思っていたけどポイがフェニックスの子どもだったなんて」
「そう言われれば、赤い鳥は俺も見たことがなかったな。ラグも予感はあったのか?」
「フェニックスについては私も詳しくないのでな。きっと珍しい種族だろうから普段は隠しておくべきだろうと、フィロに提案していただけだ」
ルナちゃんとオルお兄さんとラグお姉さんが話をしている間も、フェニックスはそこら中に炎を吐き続けている。
みんな避けたり消したりしているけれど、どんどん温度が上がってきているし暑すぎて倒れちゃいそうだ。
「ピィっ! ピィっ!」
「ポイ! 危ない……っ!」
ポイがいっしょうけんめい話を聞いてもらおうと、炎の前に飛び出ようとする。
僕は慌てて手を伸ばしてポイを抱きしめた。
「フィロっ!」
ラグお姉さんが僕に飛びついてくれたおかげで、目の前にきた炎をよけられた。
二人で地面の上を転がる。
「ポイも無事か?」
「うん、ラグお姉さんのおかげで大丈夫」
「ピィ……」
みんな疲れてきてるし、フェニックスもこのままじゃ死んじゃうかもしれない。
僕は立ち上がってから、ポイをラグお姉さんに渡してゆっくりとフェニックスに近づいていく。
「フィロ、何してるの! 危ないんだから下がってなさいよ!」
「ううん、今行かなくっちゃダメだ。だからお願い。僕のことを助けてほしいんだ」
僕を止めようとするルナちゃんに、ワガママなお願いをする。
ルナちゃんは、はぁー……ってため息をつきながら仕方ないわねって言ってくれた。
「私もあの鳥も。そろそろ限界だから。分かったわね?」
「ありがとう、ルナちゃん!」
ルナお姉さんもオルお兄さんも、僕がやろうとしていることを分かってくれてるんだ。
僕がフェニックスに近づきやすいように、うまく攻撃を散らして道を作ってくれる。
だから、僕は走るだけだ。
「僕は僕のやり方で戦うんだ!」
フェニックスの炎が少し髪の毛を焦がしても、もう怖くない。
ぶるぶると身体をふるわせているフェニックスの前へ立って両手を広げた。
「僕は逃げないから。話を聞いて! フェニックスさんの卵を持って行ったのは僕じゃない! 悪いことをする人間もたくさんいるけど……僕はみんなと友だちになりたいんだ」
「キュ、ゥウゥ……」
人間は同じだっていうけど、フェニックスを守り神として大事にしてきた国の人たちは悪い人なの?
フェニックスだって、本当は分かってくれてるはずなんだ。
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