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63.ポイと一緒にいたい
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みんなが僕を見ているみたいで、なんだか恥ずかしい。
困っていると、フェニックスが静かな声で話しかけてくる。
「フィロと言ったか。我が子はお前と一緒にいることが楽しそうだが、我々は自分たちのいた世界に戻らねばならないのだ」
「え……?」
フェニックスの言葉にビックリして、声が出てこなくなっちゃった。
もしかして、ポイも連れて行っちゃうのかな?
「ピ! ピピピっ!」
「ポイ……僕もさびしいけど、きっとみんなもさびしいんじゃないかな?」
僕がワガママを言ったら、フェニックスもポイのことも困らせちゃう。
ポイには家族がいるんだから、これからは一緒にいたほうがいいんだ。
「フィロ。いい子でいることが常に正しいということではないんだ。いつも言っているだろう? もっとワガママになっていいんだぞ」
「そうよ! ポイの気持ちもだけど、フィロも素直になったら? あたしもポイのことは気に入ってるからこれからも一緒に旅をしたいって思ってるんだから」
ラグお姉さんとルナちゃんに言われちゃうと、僕も言ってもいいのかなって気持ちになる。
オルお兄さんも優しく笑ってうなずいてくれてるし、ガマンしなくてもいいのかな……?
僕は手のひらの上にいるポイの顔をじっと見つめる。
「ホントはね。僕もポイと離れたくないんだ。だって、ポイは僕の一番の友だちだから。悲しかったときも、うれしかったときも。ポイはいつも側にいてくれたから」
「ピィ! ピピピ」
「ポイ、行かないで……っ」
僕はポイを優しくだきしめる。
ポイが僕のために泣いてくれたけど、僕もポイと離れたくないって思ったら涙が出てきた。
「そうか。残念だが、無理に連れて行くこともできないな。お前もまた、我が子のために涙を流すのか……。全く人というのは不思議な生き物だな。フィロよ、また次の年にここで会えるだろうか?」
「ふぇ……? あ……はいっ! 約束します。僕も次の年にまた会いたいです。ポイも一緒に!」
僕は涙を拭いてフェニックスと約束をする。
僕たちのやり取りを見守ってくれていたルイーツさんも、フェニックスにおじぎをする。
「次の年には不届きものが入ることのないよう、万全の体勢でお迎えすることを約束いたします。ですから、どうかまたいらしてください」
「そうだな。しかし、我も派手にやられてしまったからな。暫くは休養するとしよう」
「それについてはこちらもボロボロだからな。お互い様ということにしてもらおうか」
フェニックスが身体をちらちら見ているのを見て、ラグお姉さんも笑いながら答えてる。
ケンカした後に仲直りしているみたいで、僕もうれしくなる。
「フェニックスさん、僕のワガママを聞いてくれてありがとうございます」
「お前だけではない。その子の意思でもある。次に会う時にどれくらい成長しているか、楽しみにしていよう」
「ピピッ!」
ポイが明るくお別れを言うと、フェニックスはふわりと飛び上がっていく。
「キュイッ!」
フェニックスが高い声で鳴くと、何もなかったはずの洞窟の中にふしぎな穴が広がっていった。
困っていると、フェニックスが静かな声で話しかけてくる。
「フィロと言ったか。我が子はお前と一緒にいることが楽しそうだが、我々は自分たちのいた世界に戻らねばならないのだ」
「え……?」
フェニックスの言葉にビックリして、声が出てこなくなっちゃった。
もしかして、ポイも連れて行っちゃうのかな?
「ピ! ピピピっ!」
「ポイ……僕もさびしいけど、きっとみんなもさびしいんじゃないかな?」
僕がワガママを言ったら、フェニックスもポイのことも困らせちゃう。
ポイには家族がいるんだから、これからは一緒にいたほうがいいんだ。
「フィロ。いい子でいることが常に正しいということではないんだ。いつも言っているだろう? もっとワガママになっていいんだぞ」
「そうよ! ポイの気持ちもだけど、フィロも素直になったら? あたしもポイのことは気に入ってるからこれからも一緒に旅をしたいって思ってるんだから」
ラグお姉さんとルナちゃんに言われちゃうと、僕も言ってもいいのかなって気持ちになる。
オルお兄さんも優しく笑ってうなずいてくれてるし、ガマンしなくてもいいのかな……?
僕は手のひらの上にいるポイの顔をじっと見つめる。
「ホントはね。僕もポイと離れたくないんだ。だって、ポイは僕の一番の友だちだから。悲しかったときも、うれしかったときも。ポイはいつも側にいてくれたから」
「ピィ! ピピピ」
「ポイ、行かないで……っ」
僕はポイを優しくだきしめる。
ポイが僕のために泣いてくれたけど、僕もポイと離れたくないって思ったら涙が出てきた。
「そうか。残念だが、無理に連れて行くこともできないな。お前もまた、我が子のために涙を流すのか……。全く人というのは不思議な生き物だな。フィロよ、また次の年にここで会えるだろうか?」
「ふぇ……? あ……はいっ! 約束します。僕も次の年にまた会いたいです。ポイも一緒に!」
僕は涙を拭いてフェニックスと約束をする。
僕たちのやり取りを見守ってくれていたルイーツさんも、フェニックスにおじぎをする。
「次の年には不届きものが入ることのないよう、万全の体勢でお迎えすることを約束いたします。ですから、どうかまたいらしてください」
「そうだな。しかし、我も派手にやられてしまったからな。暫くは休養するとしよう」
「それについてはこちらもボロボロだからな。お互い様ということにしてもらおうか」
フェニックスが身体をちらちら見ているのを見て、ラグお姉さんも笑いながら答えてる。
ケンカした後に仲直りしているみたいで、僕もうれしくなる。
「フェニックスさん、僕のワガママを聞いてくれてありがとうございます」
「お前だけではない。その子の意思でもある。次に会う時にどれくらい成長しているか、楽しみにしていよう」
「ピピッ!」
ポイが明るくお別れを言うと、フェニックスはふわりと飛び上がっていく。
「キュイッ!」
フェニックスが高い声で鳴くと、何もなかったはずの洞窟の中にふしぎな穴が広がっていった。
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