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66.王様に会いに行こう

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 みんなでぐっすり眠ってから、約束してた通りにお城へ向かう。
 いっぱい寝たんだけど、まだまだ寝足りなくってあくびしちゃうなあ。

「フィロはまだ眠そうだな」
「ラグお姉さんはもう大丈夫?」
「ラグなんて聞かなくても頑丈がんじょうだから大丈夫でしょ」
「そういうルナも元気そうで何よりだ。あまり眠ると冬眠したくなる」

 オルお兄さんはいつも一番最初に起きて運動している気がする。
 最初は僕が一番だったんだけど、みんながフィロは子どもなんだからいっぱい寝ないといけないって言うから今は僕が一番寝てるかもしれない。

「ポイも元気で良かった」
「ピピッ! ピィ!」

 ポケットの中から可愛い返事が聞こえてくる。
 城下町は元気な通りと静かな通りがあるけど、今通っているのはお城へ続く道だから静かな通りだ。
 もうすぐお昼くらいなはずだけど、通っている人たちもキレイなお洋服を着ている貴族の人たちが多い。

「冒険者は少ない通りだから、お貴族さまのために道の端を通ってしまうな」
「別に遠慮なんてする必要ないわよ。別にこの国の人間じゃないんだから身分とか関係ないし」

 ラグお姉さんは笑いながら言ってるけど、ルナちゃんは少し機嫌が悪そうな感じがする。
 
「僕はやっぱりドキドキしちゃうな。グラム村の時よりは僕も良いお洋服は着てるけど……」
「フィロの装備はこげてしまったから、新しいのを買うとしよう」

 折角おそろいだったのに、僕のマントと装備はこげちゃったから今は予備の服を着てる。
 この服も見た目は普通だし、一応冒険者用だから大丈夫なんだけど……やっぱりおそろいがいいな。

「今回の報酬に期待しましょ。国の危機を救ってあげたんだから、いっぱいもらわないとね」
「ルナちゃんったら。でも、そうだったらうれしいな」
「フィロは命をかけたんだからな。王も無視はできないはずだ」

 ラグお姉さんがポンポンと僕の頭をなでてくれる。
 オルお兄さんもうんうんって頷いているから、みんな王様からのお礼に期待しているみたい。
 冒険者だからお礼をもらってお仕事がおしまいになるんだし、いっぱいもらえたらうれしいよね。

「僕はもらったお金でポイにいっぱいお礼しなくっちゃね。ポイ、欲しいもの決めておいてね」
「ピィー! ピピピ」

 ポイも楽しみにしているみたいだから、いっぱいお礼をもらえるといいな。

 +++

 話しているうちに、カステロッシのお城の前に着く。
 お城の入り口の兵士さんに話しかけて少し待ってると、宰相さいしょうのウェルスタンさんがむかえに来てくれた。
 
「皆さま、お待ちしておりました。この度は何とお礼を言ってよいのか。陛下も皆さまの無事のご帰還を大変喜んでおります」
「スタンか。今回は確かに危なかったかもしれないな。頑張ったのはフィロとポイだ。二人がいなければ解決できなかっただろう」

 オルお姉さんが僕を見てニッコリと笑ってくれた。
 僕はフェニックスにお話を聞いてもらいたくって、頑張りすぎちゃったんだよね。
 みんなに心配かけちゃったから、ちょっと恥ずかしい。
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