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第三章 地道なお手伝いで金貨を稼ごう
10.更にお手伝い
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湖での水汲みと水やりの往復を何度かすると、ユニコーンにお礼を言われた。
実際やると、結構疲れるなコレ。
中腰で作業していたせいか腰が痛くなったので、トントンと叩く。
「手伝ってくれてありがとう! これはお礼だよ」
「ありがとうございます」
ユニコーンが首を振ると、どういう仕組みかは分からないが金貨が手のひらに数枚落ちてくる。
これを多く集めれば、アイテム屋で欲しいアイテムが買えるはずだ。
ユニコーンにお礼を言ってから、今度は別の場所へ行ってみることにした。
+++
もう一つくらい仕事ができそうだと思い、森の中を散策する。
精霊たちがいる場所はゲーム画面で把握しているけど、実際に歩いてみると当たり前だけど感覚が生々しい。
ゲームの中だと分かっているのに生命の伊吹を感じるし、手触りや香りもしっかりと分かる。
見ていた場面が目の前に広がっているのは不思議な感覚だ。
辺りを見回しながら湖があった森を抜けると、少し開けた場所へ出る。
「確かこの辺りに……あ、アレか」
俺の視界の先には畑の世話をしているモグラが見えてきた。
モグラは土の精霊の下級精霊で、土の精霊の言葉を代弁してくれるありがたい存在でもある。
コイツと仲良くしておくことは、土の精霊攻略に必須と言っても過言ではない。
だが今回モグラのところに来たのは土の精霊の攻略のためではなく、金貨のためだ。
「アレ? ハルさん。こちらにいらっしゃるのは初めてじゃないですかぁ」
「そう? ごめん。記憶がないから」
「そうでした! 大変でしたねぇー。あっしはモグラのモグ。よろしくですよぉ」
このモグはちょっと変なキャラで、プレイする人によってはイラっとするらしい。
俺も変なキャラだとは思っていたけど、実際見てみるとなんか憎めない感じだ。
つい、敬語を忘れて気楽に話してしまう。
「手伝いに来たんだけど、何か手伝えることはない?」
「お手伝いしてくれるんですかぁ? それは助かりますー。では、あっしが穴を掘るのでこちらの種を植えていってくださいー」
「了解」
俺は言われる通りにモグの後について、種を一つずつ植えていく。
小学生の夏休みで朝顔を育てた記憶はあるけど、ぶっちゃけそれくらいしか経験はない。
妹の宿題も手伝わされたから、お世話くらいなら何とかなりそうだけど……その辺はゲームのご都合主義なことを願うしかない。
持っていた種を全て植え終えると、陽が傾いてきたのが分かる。
今日の行動分は終わりなのかもしれない。
「ふぅー。ハルさんのおかげで助かりましたですよぉ。ありがとうございます。こちらがお礼ですー」
「どうも」
同じくどこから取り出したのか分からないが、モグから金貨を数枚渡された。
もう少し集めないと何もできないだろうけど、ゲームとは違って実際に身体を動かすのは疲れるな。
すぐにでも帰った方がいいんだろうけど、情けないことに足がガクガクしていて歩いて戻るにも体力が足りていない気がする。
「……この辺で少し休ませてもらってもいい?」
「いつもならラウディ様がいらっしゃるのでお断りするところなんですが、今日は外出されていますからぁ。たぶん大丈夫ですー」
「どうも。あそこの樹に寄りかからせてもらう」
ちょうど良さそうな大きな樹が見えたので、俺はふらふらと歩み寄る。
モグの言い分は少し気になったけど……そういや土の精霊のグラウディって、好きな昼寝場所が決まっていたんだっけ。
「そうだぁ。よろしかったら、こちらに水が入っていますので。どうぞー」
モグが木でできた水筒をくれたので、ありがたく受け取る。
後片付けをするというモグを見送って、俺は樹の下へ腰かけて幹へ背中を預けた。
水筒の水をありがたく飲みながら、夕日に照らされた景色をぼんやりと眺める。
頬をくすぐる風が心地よくて、疲れた身体を癒してくれる気がした。
実際やると、結構疲れるなコレ。
中腰で作業していたせいか腰が痛くなったので、トントンと叩く。
「手伝ってくれてありがとう! これはお礼だよ」
「ありがとうございます」
ユニコーンが首を振ると、どういう仕組みかは分からないが金貨が手のひらに数枚落ちてくる。
これを多く集めれば、アイテム屋で欲しいアイテムが買えるはずだ。
ユニコーンにお礼を言ってから、今度は別の場所へ行ってみることにした。
+++
もう一つくらい仕事ができそうだと思い、森の中を散策する。
精霊たちがいる場所はゲーム画面で把握しているけど、実際に歩いてみると当たり前だけど感覚が生々しい。
ゲームの中だと分かっているのに生命の伊吹を感じるし、手触りや香りもしっかりと分かる。
見ていた場面が目の前に広がっているのは不思議な感覚だ。
辺りを見回しながら湖があった森を抜けると、少し開けた場所へ出る。
「確かこの辺りに……あ、アレか」
俺の視界の先には畑の世話をしているモグラが見えてきた。
モグラは土の精霊の下級精霊で、土の精霊の言葉を代弁してくれるありがたい存在でもある。
コイツと仲良くしておくことは、土の精霊攻略に必須と言っても過言ではない。
だが今回モグラのところに来たのは土の精霊の攻略のためではなく、金貨のためだ。
「アレ? ハルさん。こちらにいらっしゃるのは初めてじゃないですかぁ」
「そう? ごめん。記憶がないから」
「そうでした! 大変でしたねぇー。あっしはモグラのモグ。よろしくですよぉ」
このモグはちょっと変なキャラで、プレイする人によってはイラっとするらしい。
俺も変なキャラだとは思っていたけど、実際見てみるとなんか憎めない感じだ。
つい、敬語を忘れて気楽に話してしまう。
「手伝いに来たんだけど、何か手伝えることはない?」
「お手伝いしてくれるんですかぁ? それは助かりますー。では、あっしが穴を掘るのでこちらの種を植えていってくださいー」
「了解」
俺は言われる通りにモグの後について、種を一つずつ植えていく。
小学生の夏休みで朝顔を育てた記憶はあるけど、ぶっちゃけそれくらいしか経験はない。
妹の宿題も手伝わされたから、お世話くらいなら何とかなりそうだけど……その辺はゲームのご都合主義なことを願うしかない。
持っていた種を全て植え終えると、陽が傾いてきたのが分かる。
今日の行動分は終わりなのかもしれない。
「ふぅー。ハルさんのおかげで助かりましたですよぉ。ありがとうございます。こちらがお礼ですー」
「どうも」
同じくどこから取り出したのか分からないが、モグから金貨を数枚渡された。
もう少し集めないと何もできないだろうけど、ゲームとは違って実際に身体を動かすのは疲れるな。
すぐにでも帰った方がいいんだろうけど、情けないことに足がガクガクしていて歩いて戻るにも体力が足りていない気がする。
「……この辺で少し休ませてもらってもいい?」
「いつもならラウディ様がいらっしゃるのでお断りするところなんですが、今日は外出されていますからぁ。たぶん大丈夫ですー」
「どうも。あそこの樹に寄りかからせてもらう」
ちょうど良さそうな大きな樹が見えたので、俺はふらふらと歩み寄る。
モグの言い分は少し気になったけど……そういや土の精霊のグラウディって、好きな昼寝場所が決まっていたんだっけ。
「そうだぁ。よろしかったら、こちらに水が入っていますので。どうぞー」
モグが木でできた水筒をくれたので、ありがたく受け取る。
後片付けをするというモグを見送って、俺は樹の下へ腰かけて幹へ背中を預けた。
水筒の水をありがたく飲みながら、夕日に照らされた景色をぼんやりと眺める。
頬をくすぐる風が心地よくて、疲れた身体を癒してくれる気がした。
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