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第八章 真のハッピーエンディングを目指して
79.ハルとカティ
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自宅療養の間は、俺が暇してるとでも思ったのか精霊や下級精霊が様子を見に来てくれた。
ラウディはほぼ毎日様子を見に来ては、俺を構って帰っていくし。
精霊はどれだけ暇なんだか知らないけど、だんだんラウディからキスされることに慣れていく自分がいてちょっと怖くなってきた。
心の中であいさつだと言い聞かせているからかもしれない。
「ハル、身体は大丈夫なの?」
「別に何ともない。ただ、念のため休めって言われてるだけだ。それよりカティこそ、こんなところにいていいのか?」
「もう、相変わらず冷たい言い方! 最近みんなハルばっかり構うんだもんなー。つまんない」
「あのなあ……そんなこと言ってるとまたアウレリオル様に怒られるぞ」
今日はなぜかカティまで俺のところへやってきていた。
俺は今動けないんだから、育成すればいいのにと思ったけど……嫌味でも言いに来たのか?
さっきから話してるけど、よく分からないヤツだ。
「分かってるよ。でもさ、ハルが家にいるのにボクが育成を進めるのは何か違うし。それに、ボクもお休み欲しい」
「はあ? カティが育成したところで俺がまだ勝ってるだろうから別に構わないけど?」
「ハルの意地悪! あーあ。ボクのことを応援してくれてるのはルカンだけだよ」
「そう言ってたな。良かったな、ヴォルカング様は一直線で素敵な方だろ?」
仕方なく俺からフォローしてやると、カティは何故か顔を赤くする。
は……? もしかしてコイツ、ヴォルカングと何かあったのか?
「うん。ルカンはね、ボクがどこにいてもいつでも応援してくれるって言ってくれたんだ。ボクに誓いの証として……もう、言わせないでよー」
「いてっ! いいよ、お前のノロケ話とか! マジでどうでもいいわ!」
「ええー? だって、話を聞いてくれそうなのはハルしかいなそうだしー」
「ウザっ。いいから、早く帰れよ。ヴォルカング様に俺が何か言われたりされたりするのは勘弁だからな」
カティをしっしっと手で追い払うと、むすっと頬を膨らます。
俺はかわいいともなんとも思わないから、意味がないっていつも言ってるんだけどな。
カティはその後大人しくいつもの表情に戻る。
そして……珍しくシュンとした表情になった。
「これでも……心配したんだよ。ボクだって、ハルに何かあったらってさ。だから……育成はハルが元気になるまでお休み! じゃあね、ハル」
「……ああ」
まさか、カティが本気で俺のことを心配するとは思わなかった。
言動と表情はウザイけど……カティの内部好感度まで上がったとか?
いや、別にカティはどうでもいいんだけど……まあ、嫌われるよりはいいってことか。
「まあ、パーフェクトを目指すなら全員の好感度を上げている方がいいのかもな。紫の商人だって本名を名乗ってくれてたし」
妹の話ですっかり忘れてたけど、紫の商人が身分を明かすのは好感度が高くなってからのはずだ。
こういうのってなんて言うんだ? フィッツロイ辺境伯様? なんとなくゲームで見かけた程度の知識しかないからよく分からないけど……身分の高い貴族だもんな。
「イアリスが明日からは自由に過ごしていいって言ってくれてたし、やっと育成できる……」
家にいてもやることもたいしてないし、バードは美味しいものを用意してくれるから太っちゃうんじゃないかと心配になるくらいだった。
そのことをラウディに言ったら、ぷにぷにしてもハルは可愛いとかなんとか言うし……。
「だから、男に可愛いって言うなっての! あぁぁ……なんなんだよ……」
俺もいつか腹を括らないといけない。
育成が終わって結果が出たときに、俺はどうするのか。
真のハッピーエンディングを目指すためにはどうしたらいいのか。
「大丈夫。俺ならできる。ハルミリオンも妹も救って、哩夢を悲しませずに……俺も含めた全員が幸せになる方法を見つけるんだ」
自分の中で、必死に言い聞かせる。
そう、ここがリアルなゲーム世界だとしても、俺ならきっと導けるはずだ。
ラウディはほぼ毎日様子を見に来ては、俺を構って帰っていくし。
精霊はどれだけ暇なんだか知らないけど、だんだんラウディからキスされることに慣れていく自分がいてちょっと怖くなってきた。
心の中であいさつだと言い聞かせているからかもしれない。
「ハル、身体は大丈夫なの?」
「別に何ともない。ただ、念のため休めって言われてるだけだ。それよりカティこそ、こんなところにいていいのか?」
「もう、相変わらず冷たい言い方! 最近みんなハルばっかり構うんだもんなー。つまんない」
「あのなあ……そんなこと言ってるとまたアウレリオル様に怒られるぞ」
今日はなぜかカティまで俺のところへやってきていた。
俺は今動けないんだから、育成すればいいのにと思ったけど……嫌味でも言いに来たのか?
さっきから話してるけど、よく分からないヤツだ。
「分かってるよ。でもさ、ハルが家にいるのにボクが育成を進めるのは何か違うし。それに、ボクもお休み欲しい」
「はあ? カティが育成したところで俺がまだ勝ってるだろうから別に構わないけど?」
「ハルの意地悪! あーあ。ボクのことを応援してくれてるのはルカンだけだよ」
「そう言ってたな。良かったな、ヴォルカング様は一直線で素敵な方だろ?」
仕方なく俺からフォローしてやると、カティは何故か顔を赤くする。
は……? もしかしてコイツ、ヴォルカングと何かあったのか?
「うん。ルカンはね、ボクがどこにいてもいつでも応援してくれるって言ってくれたんだ。ボクに誓いの証として……もう、言わせないでよー」
「いてっ! いいよ、お前のノロケ話とか! マジでどうでもいいわ!」
「ええー? だって、話を聞いてくれそうなのはハルしかいなそうだしー」
「ウザっ。いいから、早く帰れよ。ヴォルカング様に俺が何か言われたりされたりするのは勘弁だからな」
カティをしっしっと手で追い払うと、むすっと頬を膨らます。
俺はかわいいともなんとも思わないから、意味がないっていつも言ってるんだけどな。
カティはその後大人しくいつもの表情に戻る。
そして……珍しくシュンとした表情になった。
「これでも……心配したんだよ。ボクだって、ハルに何かあったらってさ。だから……育成はハルが元気になるまでお休み! じゃあね、ハル」
「……ああ」
まさか、カティが本気で俺のことを心配するとは思わなかった。
言動と表情はウザイけど……カティの内部好感度まで上がったとか?
いや、別にカティはどうでもいいんだけど……まあ、嫌われるよりはいいってことか。
「まあ、パーフェクトを目指すなら全員の好感度を上げている方がいいのかもな。紫の商人だって本名を名乗ってくれてたし」
妹の話ですっかり忘れてたけど、紫の商人が身分を明かすのは好感度が高くなってからのはずだ。
こういうのってなんて言うんだ? フィッツロイ辺境伯様? なんとなくゲームで見かけた程度の知識しかないからよく分からないけど……身分の高い貴族だもんな。
「イアリスが明日からは自由に過ごしていいって言ってくれてたし、やっと育成できる……」
家にいてもやることもたいしてないし、バードは美味しいものを用意してくれるから太っちゃうんじゃないかと心配になるくらいだった。
そのことをラウディに言ったら、ぷにぷにしてもハルは可愛いとかなんとか言うし……。
「だから、男に可愛いって言うなっての! あぁぁ……なんなんだよ……」
俺もいつか腹を括らないといけない。
育成が終わって結果が出たときに、俺はどうするのか。
真のハッピーエンディングを目指すためにはどうしたらいいのか。
「大丈夫。俺ならできる。ハルミリオンも妹も救って、哩夢を悲しませずに……俺も含めた全員が幸せになる方法を見つけるんだ」
自分の中で、必死に言い聞かせる。
そう、ここがリアルなゲーム世界だとしても、俺ならきっと導けるはずだ。
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