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第八章 真のハッピーエンディングを目指して
78.妹救出イベントフラグ
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紫の商人のモーングレイは、俺に提案をしてくれている訳だ。
ろくでなしへ嫁がせるぐらいなら、家へ嫁がせるのはどうかと。
正直、甘えてしまっていいのだろうかという気持ちも強いけど……話を聞いた限り、その王族の親戚の息子だかなんだかに嫁がせる訳にはいかない。
「でも、そんな勝手に話を進めたりして大丈夫なんですか? しかもそちらには特に利点もないだろうし……」
「そこはほら、俺が気に入るか気に入らないかの話やから。兄貴たちは俺が好き勝手する代わりに金をたんまり稼いでることを知ってるから多めに見てくれるんや。後な、ココだけの話……兄貴は口下手で女性と話ができないんや」
「は、はあ……」
つまり、お兄さんは嫁探しをしているけど女性の前だと緊張して喋れなくなってしまうせいで縁談がうまくいかないと。
そういうことか? でも、どうしてハルミリオンの妹ならいいってことになったんだろう?
「その辺は色々とあるんやけど……俺が見かけたときにな、妹さんは教会でハルの無事を祈ってた。俺はその姿を見て思ったんや。心優しい子だし、兄貴のことも助けてくれるんじゃないかってな」
「なるほど……だから、お兄さんも損はしないと。そういうことですか?」
「せや。最終的には勿論妹さんの気持ちもあるからな。そこはもちろん尊重させてもらう。でも、決まっている縁談よりはマシってことは俺が保証する」
「そうですね。商人さん……いや、モーングレイ様のおっしゃる通りだと思います」
改めて名前を呼んだけど、辺境伯とか言われると緊張するな。
すると、モーングレイはやめてやと言いながら笑い始めた。
「俺は家を飛び出した身や。貴族の家の出やけど、身分関係なく商売する道を選んだ。せやから、堅苦しくせんと今まで通りで構わへん」
「でも……」
「こんなんカティに知られたらお互い面倒になるやろ? だから、今まで通りで。な? あ、名前は適当に呼んでもらってええで。カティにだけ気をつけてな。精霊様たちは俺の身分は知ってるし問題ないけどな」
「分かりました。では、モーングレイさん。妹を救うためにどうかご協力をお願いします。然るべき時が来たら、俺も妹を助けに行くつもりです」
モーングレイの力を借りられるなら助かる。ハルミリオンはこの場にいないけど……ろくでなしのボンボンより、恥ずかしがり屋のお兄さんの方がいいに決まってる。
もちろん、モーングレイの言う通りハルミリオンの妹の気持ちが最優先ではあるけど……わざわざ不幸になることなんてないはずだ。
「妹さんやけどな。妹さんと相手の家の準備が整い次第、馬車に乗って相手の家へ向かうらしい。そこで婚約を正式に成立させるつもりや。その場へ行く前に、妹さんを助け出すのがええと思う」
「そうですね。俺の家のことはその後自分でなんとかしてみようと思います」
「遠慮せんと、こっちは国王に認められた辺境伯家や。ドーンと構えてもらって。な?」
「ありがとうございます。その時が来たら……精霊界から人間界へ戻る許可が取れるかお願いしてみます」
これでハルミリオンの願いは俺が叶えられるかもしれない。
妹のことはモーングレイが引き続き責任を持ってみてくれると約束してくれたし、報せが来るまではもどかしいけど普段通りに育成をしながら待つしかなさそうだ。
「さ、ハル。あんまりここへいると怒られてしまうんやないか? 自宅療養の身なんやろ?」
「はい、その通りですが……」
「そうと決まれば、話はこれで終わりや。さ、お家へお帰り」
「分かりました。色々とありがとうございます。すみませんが、妹のことをよろしくお願いします」
任せときという力強い言葉と共に、俺は見送られながらアイテム屋を出てまた家へ戻る。
本来は大人しくしてないといけないからな。
ラウディだってあまりうろうろしていると分かれば、心配してまた家へ来てしまうかもしれない。
ろくでなしへ嫁がせるぐらいなら、家へ嫁がせるのはどうかと。
正直、甘えてしまっていいのだろうかという気持ちも強いけど……話を聞いた限り、その王族の親戚の息子だかなんだかに嫁がせる訳にはいかない。
「でも、そんな勝手に話を進めたりして大丈夫なんですか? しかもそちらには特に利点もないだろうし……」
「そこはほら、俺が気に入るか気に入らないかの話やから。兄貴たちは俺が好き勝手する代わりに金をたんまり稼いでることを知ってるから多めに見てくれるんや。後な、ココだけの話……兄貴は口下手で女性と話ができないんや」
「は、はあ……」
つまり、お兄さんは嫁探しをしているけど女性の前だと緊張して喋れなくなってしまうせいで縁談がうまくいかないと。
そういうことか? でも、どうしてハルミリオンの妹ならいいってことになったんだろう?
「その辺は色々とあるんやけど……俺が見かけたときにな、妹さんは教会でハルの無事を祈ってた。俺はその姿を見て思ったんや。心優しい子だし、兄貴のことも助けてくれるんじゃないかってな」
「なるほど……だから、お兄さんも損はしないと。そういうことですか?」
「せや。最終的には勿論妹さんの気持ちもあるからな。そこはもちろん尊重させてもらう。でも、決まっている縁談よりはマシってことは俺が保証する」
「そうですね。商人さん……いや、モーングレイ様のおっしゃる通りだと思います」
改めて名前を呼んだけど、辺境伯とか言われると緊張するな。
すると、モーングレイはやめてやと言いながら笑い始めた。
「俺は家を飛び出した身や。貴族の家の出やけど、身分関係なく商売する道を選んだ。せやから、堅苦しくせんと今まで通りで構わへん」
「でも……」
「こんなんカティに知られたらお互い面倒になるやろ? だから、今まで通りで。な? あ、名前は適当に呼んでもらってええで。カティにだけ気をつけてな。精霊様たちは俺の身分は知ってるし問題ないけどな」
「分かりました。では、モーングレイさん。妹を救うためにどうかご協力をお願いします。然るべき時が来たら、俺も妹を助けに行くつもりです」
モーングレイの力を借りられるなら助かる。ハルミリオンはこの場にいないけど……ろくでなしのボンボンより、恥ずかしがり屋のお兄さんの方がいいに決まってる。
もちろん、モーングレイの言う通りハルミリオンの妹の気持ちが最優先ではあるけど……わざわざ不幸になることなんてないはずだ。
「妹さんやけどな。妹さんと相手の家の準備が整い次第、馬車に乗って相手の家へ向かうらしい。そこで婚約を正式に成立させるつもりや。その場へ行く前に、妹さんを助け出すのがええと思う」
「そうですね。俺の家のことはその後自分でなんとかしてみようと思います」
「遠慮せんと、こっちは国王に認められた辺境伯家や。ドーンと構えてもらって。な?」
「ありがとうございます。その時が来たら……精霊界から人間界へ戻る許可が取れるかお願いしてみます」
これでハルミリオンの願いは俺が叶えられるかもしれない。
妹のことはモーングレイが引き続き責任を持ってみてくれると約束してくれたし、報せが来るまではもどかしいけど普段通りに育成をしながら待つしかなさそうだ。
「さ、ハル。あんまりここへいると怒られてしまうんやないか? 自宅療養の身なんやろ?」
「はい、その通りですが……」
「そうと決まれば、話はこれで終わりや。さ、お家へお帰り」
「分かりました。色々とありがとうございます。すみませんが、妹のことをよろしくお願いします」
任せときという力強い言葉と共に、俺は見送られながらアイテム屋を出てまた家へ戻る。
本来は大人しくしてないといけないからな。
ラウディだってあまりうろうろしていると分かれば、心配してまた家へ来てしまうかもしれない。
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